須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月の箸置き

2020-05-17 17:29:39 | 日記
世の中には、小さいくて可愛いものが好きな人が結構いらっしゃいます。言ってしまえば、猫も小さくて可愛いものに入るといえば入るのでしょう。
また、人があまり興味がないものを見るのが好きな人もいます。例えば、マンホールの蓋の絵、狛犬の顔の違い等が挙げられるでしょう。

花月では、「箸置き」がそれに当たります。見る人がいる限り、手を抜かないのが「花月」の信条のようです。花月の箸置きも、食器と同じく、季節に応じて料理に応じて、吟味して選ばれています。箸置きは仲居さんセレクトだそうです。箸置きは、まず季節感、料理の雰囲気、そして、その会食の特性(お祝いなのか、家族や友人同士の会食なのか、フォーマルかカジュアルか等)などで選ばれます。

華やかな料理とそれを引き立てる食器の隅で、小さくひっそりと雰囲気を盛り上げる箸置き・・・しかし考えてみれば、最初から最後まで、お客様の眼前にあって、その日のお料理を全て美味しくいただけるよう、サポートをしているのも箸置きなのです。

人もこうありたいものですね!!

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【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
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花月と人(1)~藤田男爵

2020-05-17 12:45:49 | 日記
藤田男爵、気品ある響ですね。大阪では知らない人がいないほどの有名人です。実は神戸にもゆかりある男爵さまで、山陽電鉄設立や湊川の付替え事業など、神戸の生活に直結するようなインフラ整備をしてくださった方です。実業家でありながら風流人としての人生を送られた方です。

大阪で一番の人気者といえばもちろん太閤・豊臣秀吉です。なんせ『プリンセス・トヨトミ』なんて映画もできるぐらいですから、太閤さんは大阪人の永遠のヒーローでしょう。初代・藤田傳三郎男爵の別邸「太閤園」に太閤という言葉を使ってよし!大阪人から一言も出ないところをみても、藤田男爵がいかに大阪人に愛されているか分かりますね。男爵は茶人・数奇者として名品を収集していたことでも有名な方でした。

藤田男爵の子孫も男爵を踏襲し、風雅を好み、名品を収集した結果、太閤園に美術館があるほどです。

大阪造幣局桜の通り抜けの対岸、淀川に面し桜並木の背後に青々と芝生をいただく庭園とクラッシックな建物があります。藤田男爵邸跡公園に隣接したの貴志邸、ついこの間まで大阪市公館として使われ、今は結婚式場になっている瀟洒な建物です。
私はタイ王国大阪総領事館主催の行事で、夜の大阪市公館に行ったことがありますが、このあたりの洗練された落ち着いた雰囲気に魅せられました。桜の頃は一面の桜並木、桜風吹、川面に漂う桜花など、「須磨観光ハウス花月」と同じく、春の景観が見事なことは筆舌に尽くし難い場所で、「須磨観光ハウス花月」に通じるコンセプトを感じます。

そして、「藤田ガーデン」、今はマンションになっていますが、神戸の名所として残してほしい場所でした。男爵一族は「花月」のお料理が好きでよく来られたそうです。
そんな関係で、藤田ガーデンがあったころ、そこから「花月」へきた名品がけっこうあるそうです。マネちゃんはとても忙しいので、数ある名品の整理はできていないようですが、「花月」の食器やしつらえが素晴らしいのは、日本屈指の数奇者、風流人の審美眼にかない、舌を唸らせたお店だったからなのでしょう。

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猫の会社員・猫の公園管理員

2020-05-12 11:07:53 | 猫の物語
「須磨浦公園・猫」と調べてみると、たくさんの方々が、10年ほど前からご自身のブログに、茶店前などでくつろぐ猫ちゃんたちの写真や記事を寄せてくださっています。訪れる人の大半が須磨浦公園の猫ちゃんたちを可愛がってくださっていることがよく分かります。
中には今いる猫ちゃんたちにそっくりな写真が見つかり、仏壇上から見守ってくださっているご先祖様の写真のようで笑ってしまいます。マネちゃんは三代目だけど、猫ちゃんたちも三代目かもしれませんね。

須磨浦ケーブルには平成27年(2015年)11月19日入社の「須磨浦ぺこり」という社員がいたとか・・・。会社員なんかやってられなくて、逃げ出したのか、退職まで職務を全うしたのか、真相を知りたいものです。面白いこともあったのですね。

こうやって前歴をたどると、須磨浦公園最西部は、ずいぶん前から実質上の「猫の公園」になっていたんですね。だったら「棄てられた猫たちが可愛そう」というあわれみの視点を逆転して、ここを猫のパラダイス~「猫の公園」と考え、みんなで猫ちゃんたちを大事にしていくのはどうでしょうか。

日本人は綺麗好き、清潔好きですね、それは本当に素晴らしいことですね。しかし、逆転の発想も大事だと思います。一度止まって寛容さを見直し、人生を猫のように明るくゆったり楽しんで生きたいものです。地球上に住んでいるのは人間だけではありませんので、他の動物にも寛容になりたいものです。

そんな温かい時間を共有できる場所が須磨浦公園最西部であれば嬉しいなと思います。私はギリシャのパルテノン神殿に住む猫や、イタリアのポンペイ遺跡で暮らす犬など、外国の様々な観光地や街中で、人間と動物との共生を見ました。タイに住んでいた時には、お坊さんご自身が、遺棄されたたくさんの犬や猫と暮らしているお寺にもお参りさせていただきました。

動物は汚いという方もいらっしゃるでしょう。だからこそ場所を区切ってそこに「居場所」を作ってあげればいいのかもしれません。猫も犬も家畜化、ペット化したのは私達人間だからこそ、少しの住処や居場所を分け与えてあげてほしいのです。猫は縄張りを守る生き物です。ここから住処を捨てて街中まで出向くことはほとんどありません。

須磨浦公園最西部、公園管理員は猫ちゃんたち・・・なんていかがですか。


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須磨浦公園という猫の楽園

2020-05-12 10:12:57 | 猫の物語
私が最初に飼った猫は三毛猫でした。今まで家に来てくれた猫は全て、野良猫か保護猫です。ペットショップでお金を出して買った猫はいませんが、その後の生活で猫を扶養するには、それなりの出費があるので、初期投資はあまり重要ではありません。
むしろ、長年に渡り生活を共にし、最後まで面倒をみる覚悟があるのかが重要でしょう。毎日の生活・・・生き物ですから、調子も悪くなるし、病気もする・・・大変なことも、辛いこともちろんありますが、とは言え、遺棄されていた一つの命を確実に幸せにできる喜びの方が大きいでしょう。

私の三毛猫は、職場に迷い込んで、高熱でふらふらになりながら鳴き叫んでいるところを職員に追われ捕まえられ、保健所に引き取り依頼の電話をする直前に、私が貰って帰ることになった子です。
目の前の、この小さい命を救えるのに手を出さない自分に耐えられない思いだけで、後先をあまり考えない行動でした。目力の強い子でした。衰弱死直前の仔猫なのに、私をまっすぐ見つめる命の力に、強い良心の呵責を感じました。

猫・初心者の私は、時計回りの渦巻きに目が回るほど、猫を飼うことに振り回されました。引っ越しもしなければならなくなりました。今から思えば、忙しさもあって、結構無茶をしながら育てたと思います。
三毛猫は13歳4か月でなくなりましたが、元々が九死に一生を得た身体の弱い子でしたので、7歳で腎臓病を発症し、半生は病気との闘いでした。最期まで家族を信じ、辛い病気療養を共に頑張ってくれました。
偶然の出会いでしたが、自分にとって家族にとって、猫から学んだものは多いです。猫のいる生活と、いない生活では人生が全く違って見える、猫が人生を豊かにしてくれたんだと感謝しています。

そうそう、私の話ではなかったんです!
私は時々「三毛猫の園」の夢をみます。そこでは、三毛猫たちが戸外で自由に安全に遊び、生き生きと生活しています。私の三毛猫も入らせてもらい、夢の中で「今、ここにいるよ、楽しいよ」と言ってくれました。

三毛猫の園の夢には幾通りかパターンがあるのですが、家族の祝い事で須磨観光ハウス「花月」に訪れた時、何十年も離れていた須磨浦公園の地に、私はそこに、夢のような「三毛猫の園」を見て驚きました。

花月猫ちゃんたちは自由に谷を飛び歩き、庭を駆け回っていました。猫は単独行動をするといいますが、ある程度の広さがあれば共存して暮らせるんですね。開発地の狭間に遺棄された猫たちの末裔は、人と共にそこに「楽園」を作ったのです。

ペットブーム、猫ブームで「田代島」をはじめ、日本には一度は行ってみたい有名な「猫島」がありますね。須磨浦公園は、手前に国道と海、後背に切り立った山がそびえ、陸地であり、交通の便がけっこう良いながらも隔離地のような様相があり、そこには「猫島」のような条件が成立しているのです。

猫島に興味がある皆さまには、ぜひ、須磨浦公園にも来てほしいと思います。
西のはずれの地には、花月猫ちゃんたちの作った「猫の楽園」があります。



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「花月」70年を越える歴史~昭和22年(1947年)から令和2年(2020年)に渡る三代

2020-05-09 22:22:44 | 日記
戦争を経て、昭和22年にマネちゃんのお祖父さま・一代目は創業者として「須磨観光ハウス花月」の経営に漕ぎ出しました。終戦後わずか2年のことです。

今では当たり前に感じる官民一体型の経営事業ですが、当時ではかなり珍しい気がします。須磨観光ハウスという神戸市の建物を借りるかたちで、マネちゃん一族は70年以上、事業を展開しながら歴史的文化財を保護し、見守ってきました。その過程に以前紹介した創業者の架橋などの土木工事もあって、一族は地域のインフラ整備にも貢献しているんです。

お話によるとマネちゃんは子供の頃、近くの沢で魚を飼い、海まで降りて釣りをする行動範囲のかなり広いワイルドな子供だったようで、「じゃ、今の花月猫ちゃんたちと生活範囲や行動範囲がけっこう重なるな」と思ったことがあります。現代っ子ではとても真似できない生活や遊びをしていたマネちゃんのエネルギッシュな明るさは、その頃からのものなんでしょう。

昔の花月レストランにはバルコニーがあり、「月光仮面」や「月形半平太」もかな?撮影に訪れることもしばしばだったとか・・・古き良き時代ですね。

近くに「南洋植物園」や「藤田ガーデン」など、言葉の響きだけでも美しい名所があり、須磨浦はかなり情緒ある場所だったようです。ステキ・・・。


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