須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

須磨浦公園(5)~敦盛塚・正岡子規&高浜虚子句碑・観光ハウス

2020-10-27 22:08:13 | 日記
敦盛塚は海浜国道からみえる平場にあります。須磨浦公園駅南の駐車場からすぐ東です。



「平家物語」で一番有名な話、全ての日本人が教科書で習いましたね。「敦盛の最期」です。熊谷次郎直実が泣く泣く平敦盛の首をとる場面、哀れさと諸行無常を感じる名場面、ここの塚は胴塚で首塚は須磨寺にあるそうです。実はこの首塚、歴史の先生によると後世に観光目的でねつ造されたものではないかとか。理由は首は塩漬けにされて首実検のために鎌倉に送られたはずだからです。

以前にも書きましたが「青葉の笛」も須磨寺にあります。歴史の先生によると、この笛もかなり怪しい?当時、笛といえば横笛でなく笙(しょう)のようなものだったそうなので、お寺の参詣者のための展示物で、後世のねつ造品だと思うとのことです。



「敦盛そば」も有名です。出汁の匂いが美味しそう。店内には歴史資料も展示されています。敦盛花壇という別室もあるので団体さんもOKです。




そこから坂を上り、私の大好きな高台へ。
今はのり面の工事中ですので「須磨の海ひねもすのたりのたりかな」(与謝蕪村)の碑も別のところに保管中です。



西側ではサックスやギター等を練習する人がいました。大きな音を出しても気になりません。小さい畑の周辺にはここの猫ちゃん達が日向ぼっこをしています。大事な飼い猫です。

須磨浦には以前、結核療養のための保養院があり(みどりの塔あたり)、正岡子規が滞在しました。高浜虚子もいらっしゃった場所です。
神戸の俳人・五十嵐播水が中心となり、お二人直筆の「子規・虚子師弟句碑」を建てられました。高台から坂を上る中腹にあります。



虚子の東帰に「ことづてよ 須磨の浦わに 晝寝すと」子規
子規50年忌「月を思い 人を思ひて 須磨にあり」虚子

虚子の弟子であった播水先生の句碑も師弟句碑の少し下にあります。



さてさて、車も通れるこの坂、登り切ったところで茶店、店主がいらっしゃればご挨拶、ここでも店主が猫ちゃん達を大切に保護されています。
個人的にはおかっぱ猫(わかめちゃんみたいなヘアースタイル?)を見るのが楽しみです。花月猫とはテリトリーが違いますので私には懐いてくれません。
この茶店の歴史も古く、以前は登山者の救難などにもご尽力されたそうです。



そして、橋を渡ると観光ハウス「花月」に到着。運が良ければ看板のところで猫ちゃん達がお出迎え。猫好き、猫に興味がある方は玄関回りやお庭などで「猫探し」をお楽しみください。





車だとあっという間に登れる坂ですが《猫飛び出し注意!》、ご用心くださいね。あたりの人たちはみんな猫好き。猫ちゃん達は油断しているかもしれません!・・・。

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須磨浦公園(4)~安徳宮・モルガンお雪・南洋植物園

2020-10-27 21:03:06 | 日記
一の谷古戦場の名残を求めて坂を上りました。



リタイヤ後はこのあたりに家を構えて大好きな須磨の海を眺めながら日々豊かに過ごしたい・・・若かりし頃の夢でした。
しかし、まあ、この坂道の町で暮らすのは大変だと思い直しました。時々、観光ハウス「花月」でゆっくりお食事をしながら海を眺めるぐらいがちょうどいいと思います。車が無いと暮らしは大変そうです。



住宅地を抜けると「安徳宮」があります。幼帝にふさわしく小さく可愛らしい祠です。




ここは安徳帝内裏跡伝説地 とされていますがどうでしょうね。須磨浦大好きな私ですが、歴史の先生の影響もあって「逆落としの場所=鵯越説」をとります。安徳天皇様がこんな不便な山上にいらっしゃったとは考えにくいのです。



歴史の先生も「ここよりもっと東の海上の船の中にいらっしゃったのでは、だから壇ノ浦まで生き延びられたのでは」という説をお持ちです。
また東側にある兵庫・長田には源平合戦名残の血なまぐさい跡地、例えば「腕塚町」という町名等がたくさんあります。

安徳宮の前に「モルガンお雪」の石灯籠があります。



モルガンお雪こと加藤ユキは「日本のシンデレラ」といわれ、モルガン氏との結婚式は「玉の輿の日」と呼ばれていたそうです。彼女は一時期、このあたりにお母様とお住いだったそうで、石灯籠には母の名とと並んで「モルガンお雪」の寄進名が刻まれています。



神戸南洋植物園」、何てステキな響きでしょう。
1980年代までドーム型の大温室がありました。ガラス張りで天井の高いステキな温室を外から見たことがあります。とても憧れていました。



人間にとって青年期までの「出会いと憧れ」が、その後の人生に影響することは多いのかも知れません。
私は南国タイに住み、タイに関わり生きることを選択しました。廃園になってもなお、須磨の海辺の冬にも負けずにヤシの木等がが大きく茂っています。何十年の歳月を経てなお、記憶と重なるエキゾチックなムードが漂います。



日本史に残る戦場でありながら異国風、須磨は不思議な場所です。風光明媚で日本人にも外国人にも愛され続け、歴史の香りが豊かに潮風に漂います。ぜひお越しください。


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須磨浦公園(3)~長田神社御旅所からみどりの塔

2020-10-26 00:24:59 | 日記
須磨には歴史を勉強するグループがたくさんあって、須磨一ノ谷プラザの「須磨歴史資料展示コーナー」では≪『菅原道真と須磨』≫ の展示が見られました。




ふむふむ、天神さん、ほぼ着の身着のまま流されたのか・・・家族も散り散りにされて気の毒だなあ・・・。健脚ではなかったろうなあ。
とはいえ、「更級日記」の作者は道真血縁の人、根絶やしにされたのではないのだなあ、だったら天神さんの子孫の菅原さん、どこかにいるよね。
神様の子孫ってどうかなあ??入江たか子さんという女優さんも天神さんの子孫らしい・・・自称も含めて結構たくさんご子孫はいらっしゃるようです。

須磨観光協会の須磨歴史倶楽部のメンバーさん達には須磨区内の観光案内等もしていただけますので、須磨観光ハウス「花月」に宿泊する前の一勉強にいいですね。

須磨一の谷プラザの前はバスの待機所ですが、そこに何やら四角い台座が鎮座しています。
長田神社の「御旅所」だそうで、須磨なのになんで長田神社??と不思議なのですが、ここは飛地で昔から長田神社の氏子地だそうです。
結構、遠いよ、お神輿大変です。



須磨浦公園の中央あたりに公園のシンボル「みどりの塔」。ブロンズの女神が爽やかな風に舞っています。以前は「八紘一宇の塔」でした。
裏側には神武天皇のレリーフもあります。現在、塗りこめられていたコンクリートの剥落により碑文も読むことができます。



後に平和の象徴として女神のブロンズ像に替わり、西側の地球儀が落ちてからは阪神淡路大震災のモニュメントとしての役割を担っています。



時代によりシンボルの役割も変化します。
時々の是非を問うのは野暮なことです。菅原道真、天神さんの位置づけや役割が時代によって変わりに変わったように、このモニュメントにも、これまで100年の歴史的価値観の変遷を考え、時の流れを感じることに意義があるのではないでしょうか。




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須磨浦公園(2)~須磨駅から須磨浦公園まで

2020-10-25 21:06:21 | 日記
秋の晴天下、歴史の先生のもと、趣味の「歴史散歩」に出かけました。
まず須磨駅から須磨浦公園まで。



現在の須磨駅は二つ、山陽電車とJRの駅が南北直線上にあります。二つの駅はとても近いのですが、以前はその間に神戸市電が走っていました。
須磨は東西に交通の便がとても良かったのですが、現在の駅前は鄙びた感じです。須磨の海岸線は狭く急勾配なので、市営地下鉄沿線に住宅地が移ってしまったからです。
個人的には摂津の国のどんづまり、平安から続く鄙びた須磨の雰囲気が好きです。
駅前の喫茶「白馬」はずっとそこにあります。はたして半世紀以上になるのでしょうか?花月の歴史も80年を越えるのであり得ますね。

海岸へ降りてみました。駅を中央に、東に人工の砂浜、西に昔ながらの砂浜があります。以前は西側が海水浴場、今は東側が海水浴場です。

東側:水族園、ヨットハーバーに続く砂浜には、かつては別荘や保養所が立ち並んでいました。砂浜はいわばプライベートビーチだったのですが、今では砂を足し増し砂浜を広げ海水浴場になっています。



西側:古くは海水浴場だったのですが、砂浜も痩せてしまいました。須磨観光ハウスのある鉢伏山を背景に石垣などが残り、当時の面影を残しています。



「株式会社神戸市」といわれた政策の有名なキャッチフレーズ「山、海に行く」。
鉢伏山等の裏側にあたる高倉台や名谷周辺で掘削した土をベルトコンベヤーで須磨駅の西側まで運び、ポートアイランドを作ったのです。
鉢伏山等の裏側の跡地には住宅団地が建設され、須磨の人々が多く移住していきました。

そのベルトコンベヤーの土台跡に思わぬお土産がありました。貴重な海辺の植物群落が残り続けたのです。海岸植物は珍しいそうです。 



つわものどもの夢の跡・・・ここは源氏と平家の古戦場。高度成長期の戦いすんで夢の跡・・・こうぼむぎや浜昼顔がひっそりと見守っています。

経済効果を求めるのは、もう充分、もう結構。山は山、もう海に行かなくていいのです。
うわべのキラキラに騙されない、ありのままで真に良いものやステキなものを探しましょう。
どうかこの海浜植物が安らかに生息できますように・・・。



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花月のお料理(37)~特別ランチ花御膳(3)眺めと工夫はプライスレス

2020-10-25 18:05:14 | 花月のお料理
10月25日、本日は晴天なり。
素晴らしい天候、須磨浦の高台からは関西空港へと渡る橋まで見渡せます。
関空への大橋はご承知の通り船との衝突で破損しましたが、とっくに修復されています。
早くコロナ禍が収束し、外国へと飛ぶ人々がたくさん渡れるようになればいいですね。私も首を長くして待っています。



さて、今日は少数の友人でランチをいただきました。
全員「カツレツ」を選びました。
ここのデミグラスソース、う~ん、他では味わえないです、お椀は最近ご紹介した具材がいただけました。
とはいえ料理長は工夫の人、秘伝のデミグラスソースはそのままですが、他の料理では100%同じものは出しません。



なんと「菊花しんじょ」は「百合根しんじょ」に替わっていました。
珍しい具だくさんのお椀に喉が鳴ります。
カツレツ付け合わせの野菜やキノコも美味しくヘルシーでした。
料理長は食材を無駄にせず、特に野菜を回すのがお得意のようです。付け合わせ野菜は時々で変わるんですよ。



「花月は高そう」と思っている方、ランチが2,000円程度なのは以前にもお知らせしました。
そして須磨浦公園入口の駐車場は有料ですので、無料の駐車場をもつ「花月」でゆったりとランチをいただくのは高くないんですよ。
お茶もアフタヌーンティーも適正価格です。駐車場はタダなんですよ!



プラス!!ここからの眺め、景色はプライスレスです。



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