須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(64)~うすい豆腐・うすいしんじょ鱧よもぎ麩お椀・賀茂茄子の銀餡かけ

2021-06-28 20:20:36 | 花月のお料理
「うすい豆」は「うすいえんどう」と呼ばれるえんどう豆です。グリーンピースよりも青臭さがなくほのかな甘みがあるそうで、和歌山紀州の春の特産物として「紀州うすい」と商標登録されていてるそうです。


ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な優れた食品、そのまま焼いて食べても豆ごはんにしても美味しくいただけるそうですが、今回、料理長お得意の変わり豆腐で一品目スタートです!

しばらくして、うすい豆再登場です。うすいしんじょに夏の魚である鱧とよもぎ麩のお椀、季節を感じるお椀をいただきました。

この二品、うすい豆の色はうす緑で可愛い!お味はホクホク感やさっぱり感がありました。



加茂茄子は以前にも紹介したことのある京野菜の一つです。花月のお料理(26)で一度取り上げましたね。大きくて立派な丸茄子を見ると、いつも華やいだ気持ちになります。今回のトピックは「銀餡」。私は初めて聞いた料理法ですが、見た目はあんかけ焼きそばの餡と同じなんです。でも言うまでもなく違いますよね。銀餡とは片栗粉や葛粉などを出汁で合わせ、低温加熱、色目を付けないように煮立たせた「餡(あん)」なんですって。



餡は銀色でないのになんで「銀餡」と呼ばれるか不思議ですね。見た目は薄い透明でとろみがありますが、光が反射すると銀色に見えるという理由だそうです。そうか!銀シャリとか言いますもんね。写真を見てみて!! 銀色に光ってますか?



銀餡の作り方に類似するもので、お醤油を使って黄金色の「べっ甲」に見えるように仕上げるのは「鼈甲餡」というそうです。餡かけも奥が深いですね。

ステキな器に大きな丸茄子をドーン、彩りの具材を乗せたものを銀餡でトローリと味わいながらいただきました。しかし食後はさっぱり、すっきり・・・これこそ夏のお料理です!!

お昼寝ウニ太郎。ボブ兄と共に北側バックヤードを守っていた父??子供達は西エリアにデビュー



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育メン・ラビ父

2021-06-26 17:56:19 | 猫の物語
ラビは昨年、2020年の春はほっそりした白猫で、かつてうちにいた白猫(メス猫)に似ていると思うぐらい中性的な雰囲気でした。昨年惜しくも亡くなったベンジャミン(看板猫ジャスミンが出産した奇跡の子供)の父親だと思う・・・ぐらいの穏やかな活動ぶりだったのです。

それが一転、花月猫の血筋ではないから余計に奮闘する気になったのか、ニャン玉もコロコロに発育、2歳を過ぎることからプレイボーイぶりを発揮して花月中のメス猫を狙って追い回し、料理長に「しつこいから嫌いになった」と言われるぐらい、しぶといオス猫に変わっていきました。また、よく外に喧嘩をしに行っているようで、「須磨浦公園駅の近くでラビをみた」とイケメン兄ちゃんスタッフさんが教えてくれる程、行動範囲を広げていました。よく言えば、花月猫ちゃん達のエリアを守ってくれているのかもしれませんけどね?!

夏毛になって角刈りオッサンっぽく変身。生傷絶えず

そのラビが南エリアのハナ(ニャニャ)の基地に帰ってきて、今、毎日、子供達を守っています。自然界にいるオス猫は交尾を終えるとメス猫やその後の出産には興味がないと思っていました。しかし、お腹の大きい妊娠中に、ラビがニャニャ、チロがゾロに寄り添っていることがあって意外だったという話を紹介しましたね。

基地の監視塔から見守ります

昨年、ジャスミンが出産した時、ラビがいて嬉しそうだったという話を若女将から聞いたことがあります。半信半疑だったのですが、今年は確信に変わりました。

ニャニャの子供達4匹は、少しずつ活動的になって基地から外に飛び出していきます。階段から落ちたり、カラスに攫われたりするのが心配なのか、ニャニャ母はいつも見張っています。ラビ父は顔がボクサーのように腫れていることも多く、身体も咬み傷や引っ掻き傷だらけですが、遠出せず、箱の上から子供の様子を見守っている時間が長くなりました。
子供が羽目を外したら注意しに降りて行って、寄り添い、子供の小さい鼻に自分の鼻をくっつける挨拶をしたりしているのを見ます。ペコかポコ(前のニャニャの子供)のどちらか一匹が家族とともに残留しているのを気にせずに、ラビ父ニャニャ母、4匹の子供と一緒にご飯を食べていることも多いです。

一家でお食事

東エリアと南エリアは建物の囲むコンクリートが道になって、L字型に繋がっているので、出産後2ヶ月近くになる東エリア7匹の子供と、南エリア4匹の子供が出会い始めました。それを両エリアの大人たちはいつも注意深く見張っています。今は木々がドーム状に茂ってカラスの急降下を防いでいますが、時々アライグマが餌を盗み食いにやってきたり、急勾配の場所があったり、手のひらサイズの子供達には危険なことが多いのです。

基地の前面を守るラビ父

花月猫ちゃん達は親戚だからかな?協力して、みんなでしっかりと子供達を見守っているように思えます。

ラビそっくりの子供に寄り添うニャニャ母


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花月のお料理(63)~真鯛抹茶葛打ちと魚そうめんのお椀

2021-06-16 23:34:46 | 花月のお料理
葛を使った日本料理、料理長お得意の分野なのは皆さま、もうお分かりですね。
春のお料理は萌黄色が目を楽しませてくれます。今回のお椀は抹茶葛打ち、白身の真鯛に下味をつけて葛粉をまぶし、茹でたものを椀種にした一品です。

まず色合いをお楽しみください。 日本料理はやはり季節の色彩、上質な花月のお椀でいただくとさらに美味です。



真鯛のさっぱりしたお味に抹茶の香りがほのかに心地よい、そしてたっぷりの三つ葉・・・香り種のハーモニーが響きます。そして出汁は言うまでもなく絶品です。

魚そうめんがピンクなのが可愛いと思いませんか?

料理長の色合わせはいつも可愛らしく、食欲を更にそそりますね。

花月随一のカフェラテ猫パンさん

おくつろぎのご様子

おみ足を前方展開中

特集おわり


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花月のお料理(62)~甘鯛若狭焼

2021-06-14 22:50:26 | 花月のお料理
「若狭焼」とは若狭の甘鯛を酒焼きしたことに由来して、その地名が使われているそうです。酒焼き ・・・そういえば料理長は「たれに酒の量が多い」と説明してくださいました。 

酒または酒にしょうゆを合わせたたれを若狭地と呼ぶそうです。若狭という地名、何となくお魚が美味しそうなイメージが湧いて来ますね。焼き方は、甘鯛等、うろこの細かい魚をうろこがついたまま焼くのですが、魚自体は塩をあてた物でも干物でもいいようです。 若狭地を皮にかけながら、うろこが逆立たないようにこんがりと丁寧に焼き上げ、仕上げます。


甘鯛若狭焼

食べ方はもちろん皮ごと・・・最近、魚の皮を食べられられない人も多いですが、若狭焼なら丸ごと美味しくいただけます。今回は皮もきれいに細工されていましたので、美味しさUP!!でした。

若たけのこ、ワカメを添えて更に春らしく、鯛のピンク、若タケノコの黄色、わかめ青緑、これもまた春の色合いと言えましょう。はじかみ生姜 もきれいですね。

日本料理の味わいを更に高めるのは「盛りつけ・配色・器」等ですね。盛りつけや配色は料理長の腕の見せどころ、花月の和食が素晴らしいのは言うまでもありません。

片口皿に盛りつけられた花月のお造里

さらに忘れてならないのが器。花月自前の器はとても上質です。先日、閉店直前の「太閤園」へ行きました。特別な器の展示なども見て回りましたが、花月の器がいかに優れているか、よ~く分かりました。工芸品の優劣を比べているのではなく、普段使いの器のことを言っているんです。花月ではランクの高い器をランチメニューにも使っているのですよ。


焚合の器も素敵です

太閤園の元の持ち主でいらっしゃった藤田男爵は晩年、須磨にお住いを移し、よく花月を利用されました。「藤のお椀」等、藤田男爵お持ち込みの漆器類・食器類もたくさんありますが、花月ではこれらの名品を会席コースの普段使いとして使用しています。太閤園のように大規模の料亭でないからこそできることがあるのです!

名品も置いているだけではもったいない、日々、料理に使ってこそ器も生きる!いつも最高級のおもてなしが花月の心意気です。


かくれんぼ中


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花月のお料理(61)~よもぎ豆腐・よもぎの葛饅頭

2021-06-10 06:04:30 | 花月のお料理
よもぎは薬草として古来から用いられた野草です。キク科の多年草で、道端でもよく見かけますね。
デトックス作用や浄血作用があり、アトピー性皮膚炎、便秘、睡眠改善、ガン予防にまで効果があるそうです。またもぐさとしてお灸にも使われています。止血効果もあるそうで、まさに万能薬だったんですね。

ウィキぺデアによると、「ヨモギ属の属名 Artemisia は、ギリシャ神話の女神アルテミスに由来し、月経痛・生理不順・不妊に効果があるとされ、「女性の健康の守護神」の意味である。ヨモギは、その他の多くの薬効があることからハーブの女王の異名がある」・・・フムフム、それは心強い。そういえば「よもぎ蒸し」という女子向きのサウナがありますね。

よもぎは食用として草餅や草団子にいれることから、別名モチグサと呼ばれています。今回も料理長お得意の流しものから、葛饅頭とかわり豆腐をご紹介します。

まず「よもぎ豆腐」、よもぎはキク科の野草ですから香りが高くお豆腐にあいます。色合いもきれいでした。

あえてよもぎの粒感を出さない上品な仕上げ

次に「葛饅頭」。これは!!料理長は素晴らしい料理人ですが、優れた和菓子屋さんにもなれたのだと思います。ただ。。。とても手間がかかるようで「二度と作らない」を、またいただきました!そうはおっしゃっても強くお願いすればたぶん作ってくださるはずです。それだけ自信作という意味だと解釈していま~す!!

トッピングのきな粉が金粉のよう

葛の柔らかさは絶妙、水饅頭の透明なトロトロ感によもぎの緑が季節感を醸しだします。そして中味は・・・餡とミカンだったんですっ!よもぎの緑、ミカンのオレンジ、餡の黒、三色が葛饅頭の水に映えて美しい出来栄えでした。お味も味の濃いよもぎとミカンを餡とともに楽しめ、甘すぎず本当に美味しゅうございました。

中にうっすらと餡とミカン

くつろぐパンさん


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