須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

麗しき女友達(1)~『薔薇の名前』

2022-05-27 23:20:09 | 日記
皆さま、お久しぶりです。冬眠から春眠・・・少しずつ覚めています。
2021年末から2022年にかけての冬には、心配な看護、手のかかる介護や通院、心悼む看取り等が、これでもかというように続きに続き、心ここに(ブログに)あらずでした。
ブログが書けるということは、心身が安定しているということ。悲喜こもごもの人生で、それでも前を向いて、安定した幸せな時間が過ごせているという状態なんでしょう。

4月27日水曜日、30数年前に同僚だった麗しの女友達(ちょっと先輩)をお尋ねする幸運に恵まれました。一時は濃密に仲が良くても、環境や志向が変わり、道が分かれ、会えなくなってしまうことがありますね。

彼女ともそんな仲でした。それでも思いは強く残っていました。今に至っては互いに年賀状だけは交換する間柄でしたが、4月に入って思いがけずお手紙をいただいたのです。すぐに連絡を・・・と思いましたが、携帯の電話番号さえお互いに知らずにいたことに驚きました。そうですね、当時は携帯電話がなかったのです。

私はそこそこ年齢なので(若くはないが年寄りでもない)、過去から現在に至る経験や思い出がいっぱいあります。そして、その大部分について印象的な断片しか覚えていません。たぶん皆さまもそうだと思います。4月末に彼女との「時のタイムカプセル」が開いて、再度の濃密な邂逅のおかげで20代最後の思い出がたくさん蘇りました。

手紙の書き出しは『薔薇の名前』でした。

彼女と一緒に映画を観に行ったらしいのですが、行った場所やそこで得た印象が強ければ強いほど、誰と行ったか全く覚えていない傾向が私にはあるようです。面白い!!もちろん素晴らしい経験を覚えているので、ご一緒したんだと改めて感謝しています💦

彼女は精神が透き通ってみえるような、もっと美しい人になっていました。
人を色で例えることがありますね。彼女は以前、他の人から「一色に限定できない」と言われたことがあるそうです。すべての色を混ぜると無彩色(グレイ系)になるらしく、「グレイに混ざりあう前のマーブル状態かも」と言ってみたのですが、時間を置いて「透明」なんだと気がつきました。

歳を重ねて美しい人がもつ佇まい・・・過去の全てを混ぜて凛として存在するか、もしくは、過去の全てを透明に変える力を持って存在するか・・・そんな「潔さ」の中にだけ、人生の美しさはあるのだと気がつきました。本当にありがとうございます🌹


6年前、職場にあった池の埋立地から救出した野薔薇。
自宅は保護動物と保護植物ばっかり(笑)・・・。

これまた忘れていましたが「須磨観光ハウス花月」にも、当時二人で行って松花堂弁当を食べたらしいのです!!昭和の終わり頃、ご先代の頃ですね。少しだけ思い出が蘇りました、私がご案内したんです。
私はずいぶん前から須磨浦公園西側の高台と須磨観光ハウスの佇まいをこよなく愛していたのですね。


美しいゆったりした大海原。。。この景色が大好きなんです。。。

河津桜が美しい。。。愛すべき昭和レトロな佇まい。。。

『薔薇の名前』ラストシーンも美しかったです。「薔薇の名前は誰も知らない。ただ神のみが知っている」・・・だったように記憶しているのですが、どうだったでしょうか?

お互いに生きてきた時間と経験、「生きること」を深く味わえる年齢になりました。個々の人生に名前がなかったとしても、そこに確かに存在し、薔薇のように開き輝いた数々の思い、記憶のタイムカプセルを開き、曖昧な過去を共に紡ぐタイムトラベラーになれた喜び。。。そこにも須磨観光ハウスでの一シーンがありました。。。まるで映画のようです🌈

美猫のgooちゃん。遠い記憶は断片、『薔薇の名前』はだれも知らない。
それでも、美しい猫の名前を知っています💛