「宮城県警シリーズ」と言う事になったらしい、東北の震災の後を描いたシリーズの第三弾で完結編らしいです。
2018年、震災からの復興はまだまだ途上で・・・仮設住宅の今は住民が居なくなった一室で発見された遺体は残った住民に公営住宅への移住を薦めていた県の職員の物で、それは「密室殺人」だった。その調査において刑事蓮田はかつての幼馴染=仲良し4人組の一人、貢に疑惑の目を向ける。彼は現在4人組の一人沙羅と結婚&婿入りし、政治家秘書と亡き父の建設会社の役員の二足の草鞋を履いていることを残る4人組の一人、NPOに勤める知歌から聞いていた。一方で蓮田は貢に対して償えない贖罪の意識を抱えていた・・・そんなですかね。
国や県の考える復興と一部の被災者が取り戻したいもののギャップとか、救われずに取りこぼされていく人達の状況とか、被害にあわなかった本来持つべきではない罪悪感とか・・・そう言う社会派テーマも描きながら、一方では友情と時の流れと言うテーマやら真っ当なミステリィ部分やら、重めのトーンの中に詰め込まれてます。地味と言えなくは無いですが、読みごたえはあります。地味な所では、被害者の上司の組織の下でやむにやまれず嫌な奴にならなきゃならない感じとかにも悲哀を感じたり・・・完結との事ですが(やってたらしいWEB連載が終わったから?)、まだまだ現実には類似の状況は続いてそうで・・・もちろんミステリィとしてもしっかり堪能できました。
面白かったです。
シリーズ過去作の感想↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「護られなかった者たちへ」 中山 七里
「境界線」 中山 七里
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