購入後10年間放置したシリーズその③・・・・和菓子にまつわる短編を10人の作家が書き下ろしたアンソロジーです。
空の春告げ鳥:坂木司 → 人と比べ自分が何も持ってないことに漠然と悩む杏子=アン。母と出かけたデパ地下で、和菓子屋の店員が偉そうな客から罵られてた「飴細工の鳥」と言う言葉が気になって・・・そして乙女なイケメン男子立花さんと出かけた中華街で・・・
トマどら:日明恩 → 数字と価値に徹底的にこだわる警察官のところに定期的に送られてくるどら焼き。果物入り。送られるようになった経緯と、中身の果物が「あれ」になった理由は・・・
チチとクズの国:牧野修 → 大嫌いだった軽薄な父親。自殺しようとしてたら幽霊として目の前に現れた。しかも相変わら軽薄。はたして父が成仏していない理由は・・・
迷宮の松露:近藤史恵 → 会社勤めに疲れモロッコを一人で旅する私が、なぜか思い出したのは美しかった祖母と食べた和菓子。そして現地で知り合った日本人夫婦からもらった和菓子が・・・
融雪:柴田よしき → 東京での結婚生活に疲れ一人で高原でカフェを営む奈穂。ある日道を訊ねにやってきた美女に見覚えがあると思ったら有名な女性だったようで・・・そしてその女性は常連の友人と意外な関係があって・・・
糖質な彼女:木地雅映子 → 対人がまともに出来なくなった大学生の僕が通う病院で出会ったのはあの憧れの元アイドルで、彼女に半ば強引に連れて行かれた先では何人かが「こなし≠練り切り」を作っている作業場みたいな教室みたいなところで・・・
時じくの実の宮古へ:小川一水 → 酷い温暖化が進み、北方の一部にしか人が住めなくなった日本でかつて和菓子の聖地だった「宮古」を目指し南下の旅をする父と子。ある時からそこに少女が合流する・・・
古入道きたりて:恒川光太郎 → 戦場でかつての不思議な経験を語る。あの大きな「古入道」はなんだったのか、そしてその時老婆からもらったおはぎがかつて食べた中で一番美味かった・・・
しりとり:北村薫 → 編集者の妻を持つ夫が、俳句好きの彼女に残した「和菓子を置いた」俳句的暗号の意味は・・・
甘き織姫:畠中恵 → イケメンで優秀で嫌な奴ではないが変人な・・・ものすごくぶりで連絡のあった友人。突然相談された彼の悩みは、結婚したい女性へ送った謎解きを要する贈り物とさらに難解な回答として返答されてきた品の意味・・・共に和菓子。
と言う10編。空の春告げ鳥は既読でした(こっちのアンソロジーへの収録のが先なんだけど・・・)
他色々。テーマが和菓子だけど、今回読んだ3つのアンソロジーで一番ビターだったような?←甘い作品もありましたが、変化球が結構多かったのか。ともかく3つ無事10年越しで読み終えました。いやあ読んでよかった(笑)
面白かったです。
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