高岡裕一は、自分でも良く分からないが何故か断崖絶壁をフリークライミングしていた。そして頂上に着いたら3人の先客が居た。彼らが言うにはここは天国だと、エネルギッシュな老人(八木)と気弱そうな中年(市川)とアンニュイな感じの美女(美晴)は3人とも自殺の果てのここにたどり着いたと言う。裕一はそう言えば自分が浪人生で自殺をしたことを思い出す・・・と、4人そろうのを待っていたかのように深紅の落下傘で神が舞い降りて来て、ここは天国じゃないと言う。そして、本当の天国へ行くための課題として地上に降りて100人の自殺候補者を7週間で100人救えとミッションを与え、4人を地上に落とした・・・4人はオレンジ色の服を来た幽霊となり自殺候補者を探し救っていくが・・・ってなお話ですか。
幽霊ならではのチートな感じでは無く、もどかしい現実世界との接触の制約がある設定が絶妙。孤立・いじめ・ブラック企業に借金等々・・・そこからのうつ病による自殺の危険信号、自殺者を救いながら4人は自らの自殺の原因や真の意味を知っていくと言う流れも王道かも。設定からもっとポップな感じかなと思ったけど(ポップさやドタバタ感もちゃんとあります)、かなりの社会派な切り口でした。ボリュームたっぷり読み応えあり、楽しめました。
面白かったです。非常につけても良いかな・・・
まだこの人の作品外れて無いですね。読んだ他のこの人の作品
「ジェノサイド」 高野 和明
「13階段」 高野 和明
「グレイヴ ディッカー」 高野 和明
「K・Nの悲劇」 高野 和明