六ヶ所再処理工場
■核燃料再処理工場、青森県の許可で運転再開(朝日新聞)
青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場について、日本原燃の川井吉彦社長は28日、近く県に提出する安全対策が了解されれば、ストレステスト(耐性試験)の終了を待たずに試験運転を再開することを明らかにした。国には試験運転再開について、了承を求めないとしている。
国が25日、再処理工場にストレステストを指示した際、テスト実施を試験運転再開の条件としなかった。このため、川井社長は試験運転再開に「国のある程度のご理解は頂けた」と判断した。
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青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場について、日本原燃の川井吉彦社長は28日、近く県に提出する安全対策が了解されれば、ストレステスト(耐性試験)の終了を待たずに試験運転を再開することを明らかにした。国には試験運転再開について、了承を求めないとしている。
国が25日、再処理工場にストレステストを指示した際、テスト実施を試験運転再開の条件としなかった。このため、川井社長は試験運転再開に「国のある程度のご理解は頂けた」と判断した。
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六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場とは、使用済み核燃料から、ウランとプルトニウムを取り出す工場です。安全性に、はなはだ疑問があるうえ、コストは甚大、多くの環境保護団体、漁協、一部政治家、あらゆる立場の一般の市民たちによる反対運動も継続中です。
野田政権になってから、思った通りというか、なし崩し的に脱「脱原発」が進行中です。
菅さんが、すべての原発でストレステストを行うと言ったことも同様になし崩し的に、上書きされてしまうのでしょうか。
再処理工場の試験運転には、ストレステストを行わなくてもいいのだと国が了承したのだと。
枝野経産大臣は、ついこのあいだ、核燃サイクル施設でもストレステストを行うと言っていたのに、一体どういうことなのでしょう。
どじょうは生臭いだけじゃなく、命よりお金が大事とか、とても計算高かった。
(みんな、のらりくらりと泥の中に引きずり込まれそう・・・)
誹謗中傷を含めた菅おろしの嵐の中で、それでも菅さんが必死で次につなごうとしてきた脱原発を、ほとぼりが冷めたらもういいだろうと言わんばかり。
官僚の嫌がらせ、組織票を失いたくない与野党議員による内閣不信任、大手マスコミ、経済界の異様な菅バッシングは、このためだったと改めて合点がゆくものです(涙)。
しかし、昨日の毎日新聞によると、2002年時点で、すでに当時の東電と経産省の首脳の間でこの再処理工場が撤退の方向で検討されていたことが、関係者の証言でわかったというのです。
それが、ぽしゃったのは、東京電力のトラブル隠しが発覚し、当時の東電・荒木浩会長、南直哉社長両氏が引責辞任したことから実現しなかったのだと・・・。
何につけても、ぎりぎりまで自分たちだけは得したいという市場原理、あるいは個人の欲望と無責任さが、国民全体の利益を破壊してしまうのですね。
以下は毎日新聞のスクープです。太字は私の編集です。
■<青森・六ケ所村の核燃再処理工場>「撤退」02年に一致 東電・経産首脳が協議
2011年12月2日(金)13:00
◇建設費膨らみ 会長辞任で白紙
核燃サイクルを巡り、東京電力と経済産業省の双方の首脳が02年、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理事業からの撤退について極秘で協議していたことが関係者の証言などで分かった。トラブルの続発や2兆円超に建設費が膨らんだことを受け、東電の荒木浩会長、南直哉社長、勝俣恒久副社長と経産省の広瀬勝貞事務次官(いずれも当時)らが撤退の方向で検討することで合意し、再協議することを決めた。しかし3カ月後、東京電力トラブル隠しが発覚し、荒木、南両氏が引責辞任したことから実現しなかったという。
毎日新聞は出席者の氏名や協議の時期、目的などが書かれた経産省関係者のメモを入手し、協議の関係者からの証言も得た。首脳による協議が判明したのは初めて。核燃サイクルを巡っては高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含め継続の可否が検討される見通しでサイクルのもうひとつの柱である再処理事業でも東電、経産省のトップが9年も前から「撤退を検討すべきだ」と認識していたことは、内閣府の原子力委員会が来年夏をめどに進める原子力政策の見直し作業に影響しそうだ。
メモや関係者によると、協議は経産省側が「六ケ所村(再処理工場)はいろいろ問題があるようだから首脳で集まろう」と呼びかけて実現し、02年5月ごろ、東京都内のホテルの個室で行われた。首脳らは「撤退の方向で検討に入る」との意見で一致し、具体的な進め方を再協議することを決めた。さらにその後、撤退する際に青森県側への説明役を務める東電担当役員も決定したという。
六ケ所村再処理工場の建設費は事業申請時(89年)は7600億円。しかし使用済み核燃料貯蔵用プールからの漏水が相次ぐなどトラブルが続発し、2兆円を超えることが確実になっていた。本格操業すると将来の解体費用などとしてさらに1兆円以上必要になる。東電など複数の電力会社幹部から「こんなの(再処理事業を)やっても大丈夫なのか」と懸念の声が上がっていたため、経産省側が協議の場を設けたという。しかし02年8月、部品のひび割れなどを隠蔽(いんぺい)した東電トラブル隠しが発覚し荒木、南両氏が辞任、再協議は実現しなかった。
荒木氏(現東電社友)は「記憶が不確か」として取材を拒否。南氏(現顧問)は協議について「記憶にない」とする一方「当時、経産省との間で再処理をやめられないか相談が行われており、荒木氏や勝俣氏と議論した」と明かした。勝俣氏(現会長)も協議の有無には答えなかったが「再処理をやるかやらないか5回ぐらい社内で経営会議を開いた」と述べた。広瀬氏は「まったく記憶にない」と話した。【核燃サイクル取材班】
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2011年12月2日(金)13:00
◇建設費膨らみ 会長辞任で白紙
核燃サイクルを巡り、東京電力と経済産業省の双方の首脳が02年、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理事業からの撤退について極秘で協議していたことが関係者の証言などで分かった。トラブルの続発や2兆円超に建設費が膨らんだことを受け、東電の荒木浩会長、南直哉社長、勝俣恒久副社長と経産省の広瀬勝貞事務次官(いずれも当時)らが撤退の方向で検討することで合意し、再協議することを決めた。しかし3カ月後、東京電力トラブル隠しが発覚し、荒木、南両氏が引責辞任したことから実現しなかったという。
毎日新聞は出席者の氏名や協議の時期、目的などが書かれた経産省関係者のメモを入手し、協議の関係者からの証言も得た。首脳による協議が判明したのは初めて。核燃サイクルを巡っては高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含め継続の可否が検討される見通しでサイクルのもうひとつの柱である再処理事業でも東電、経産省のトップが9年も前から「撤退を検討すべきだ」と認識していたことは、内閣府の原子力委員会が来年夏をめどに進める原子力政策の見直し作業に影響しそうだ。
メモや関係者によると、協議は経産省側が「六ケ所村(再処理工場)はいろいろ問題があるようだから首脳で集まろう」と呼びかけて実現し、02年5月ごろ、東京都内のホテルの個室で行われた。首脳らは「撤退の方向で検討に入る」との意見で一致し、具体的な進め方を再協議することを決めた。さらにその後、撤退する際に青森県側への説明役を務める東電担当役員も決定したという。
六ケ所村再処理工場の建設費は事業申請時(89年)は7600億円。しかし使用済み核燃料貯蔵用プールからの漏水が相次ぐなどトラブルが続発し、2兆円を超えることが確実になっていた。本格操業すると将来の解体費用などとしてさらに1兆円以上必要になる。東電など複数の電力会社幹部から「こんなの(再処理事業を)やっても大丈夫なのか」と懸念の声が上がっていたため、経産省側が協議の場を設けたという。しかし02年8月、部品のひび割れなどを隠蔽(いんぺい)した東電トラブル隠しが発覚し荒木、南両氏が辞任、再協議は実現しなかった。
荒木氏(現東電社友)は「記憶が不確か」として取材を拒否。南氏(現顧問)は協議について「記憶にない」とする一方「当時、経産省との間で再処理をやめられないか相談が行われており、荒木氏や勝俣氏と議論した」と明かした。勝俣氏(現会長)も協議の有無には答えなかったが「再処理をやるかやらないか5回ぐらい社内で経営会議を開いた」と述べた。広瀬氏は「まったく記憶にない」と話した。【核燃サイクル取材班】
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それにしても当事者たちの「記憶にない」という常とう句はどういうことなのか。
もし、それが行われていなかったなら、堂々と「そんなことはありませんでした」と言えるはずなのだから。
「記憶にない」とは、「協議したけれど、したと言えばまた責任問題その他を問われるから、忘れたというのが賢明ないい方だな」という意味なのでしょう。
まあ、うちの父のように、認知症なら確かに記憶にないでしょうが・・・自分に都合の悪いことだけを忘れるのは認知症とは言いませんよ。
ニュースなどを見ていても「日本の政治(首相)はだれがやっても一緒」などと言われ続けています。「脱原発」などの明確な方針を出し、行動した菅総理が、忘れ去られた人のようになっているのは、なぜ?という感じです。
野田総理はそんなにだめでしょうか?自民党政権に戻るよりは・・・と「とりあえず指示」していますが、記事の通り脱「脱原発」をすすめているのなら、微妙になってきます。
もちろん、自民党政権に戻れば、もっと露骨に脱・脱原発が進行し、党内の歯止めもほとんどないでしょうから、すべて元に戻ってしまうでしょう。
ですから、自民党政権よりは、野田さんの方がずっとましですし、戻すことはあり得ないと思います。
このブログには、人類が持続可能な未来をつくれるかどうか、そういった面で高い意識レベルを持った方を応援するという一面があります。
ですから、国の方針を担う政治家の方の意識レベルは重要と考え、政治ブログではありませんが、まれに政治のことも書いています。
Kenichiさんが感じられたように、菅さんは政治家にしては・・と言ったら語弊があるかもしれませんが、とても高い意識を持った方でしたので(そう思っていない方が大部分でしょうけど・・)ずっと応援していました。
野田さんは、政治家でなければ、とてもいい方です。自民党に入っていれば、意識の高いほうの方です。
しかし、強い既得権でがんじがらめの、旧体制をこわして、脱原発へ舵を切るのは、野田さんでは、まだまだ弱すぎます。
今は、とてもあやうい状態です。
菅さんは、3・11以前は、本来の菅さんと違う「普通の総理大臣」を演じていたみたいです。
が、3・11以来、私が20年以上前から知っている本来の菅さんに戻りました。国会の答弁では、のらくらしていることもあったかもしれませんが、3月末くらいには、「脱原発」へと腹をくくっていたようにも私には感じられました。
野田さんは、菅政権にあっても、危機の中心にはいなかったので、枝野さんや細野さんほど、意識の向上はなかったようです。
今の野田さんは、「円満」状態を目指しており、推進と脱原発の間で、落とし所を探しています。
いずれは原発に依存しないようにするべきだが、今のところは安全管理を十分にして原発を利用しながら、自然エネルギーの開発も促進してゆこうとか・・・
でも、推進派はしたたかで、毎日新聞のスクープを見てもわかるように、どうしても止められない事情があるようですね。
しかし、本当に国民の命を守るという立場に立つなら、嫌われても叩かれても、やるべきことはやるべきだ・・・と、菅伸子さんなら言われるでしょう。
野田さんの奥さまなら「皆様に嫌われないようにやってください」とおっしゃるかもしれませんが。
コメント欄の気安さで正直に書いてしまいました。お返事長くなって、すみません。
菅さんの見方などがとても共感できるのでついコメントしておりますが、自然に関する記事なども拝見していますよ。