グレッグ・イーガン - Wikipedia
内容(
アマゾンより)
二万年前に惑星コブナントに移住し、聖ベアトリスを信奉する社会を築いた人類の子孫たち。そこで微小生物の研究を始めた敬虔な信者マーティンが知った真実とは?ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した表題作、バックアップ用の宝石を頭のなかに持った人類の姿を描いた「ぼくになることを」ほか、遙かな未来世界や、仮想現実における人間の意志の可能性を描く作品まで、多彩な魅力あふれる11篇を収録した日本版オリジナル短篇集。
2001年に『祈りの海』、2002年に『しあわせの理由』、2003年に『ルミナス』、2010年に『暗黒整数』で星雲賞海外短編部門を、2005年に『万物理論』、2006年に『ディアスポラ』で星雲賞海外長編部門を受賞
グレッグ・イーガン - Wikipediaより
「貸し金庫」The Safe-Deposit Box (1990)
「キューティ」The Cutie (1989)
「ぼくになることを」Learning to Be Me (1990)
「繭」Cocoon (1994)
「百光年ダイアリー」The Hundred Light-Year Diary (1992)
「誘拐」A Kidnapping (1995)
「放浪者の軌道」Unstable Orbits in the Space of Lies (1992)
「ミトコンドリア・イヴ」Mitochondrial Eve (1995)
「無限の暗殺者」The Infinite Assassin (1991)
「イェユーカ」Yeyuka (1997)
「祈りの海」Oceanic (1998)
ちょいコメ(ネタバレあるかも)
SF初心者の私には難易度高い作品。
が、何度も繰り返し読むうちに、作者の言わんとするところがおぼろげに見えて・・ような気が。。。?
まず「貸金庫」
数週間のサイクルで、全く違う人間に生まれる男の物語。
私だったら、宿主は今までの人生があるから真似して暮らすと思うが? やはりずっとは続かないだろうな。
「ぼくになること」
脳のコピー機械「宝石」を幼い時に頭に組み込み、脳の働きが衰退した30代に本物の脳を捨て、「宝石」を使う物語。
コピー脳にするのは複雑だが、脳の退化がないのは素晴らしい。
「キューティ」
四歳で死亡するように設定された人工の赤ん坊を妊娠出産し育てる男の物語。
未来のない赤ちゃんを育てるのはつらいだろうな。しかも4歳!なんでそんな選択を?
「繭」
胎児をくるんで、現代社会のあらゆる毒から保護する繭の研究の物語。
主人公が怯えるのにはちょっと笑った。繭があれば、私はもっとまともに育ったかも。
また世の中のあらゆる問題が改善されるかな。ひょっとしたら人類滅亡するかも?
「百光年ダイアリー」
時間逆転した検知器で、人類はみな未来から送られた自分の日記を見れるという物語。
不変の未来を経験前に知るのは、成功ならいいけど、わかっている失敗を2度繰り返すことかな。なんかいやだなぁ。
「誘拐」
最愛の妻ロレインが誘拐された。実際の妻ではなく、PC上の妻。身代金は払うべきか?という物語。
この主人公の男性はロマンチストなんだな~
「放浪者の軌道」
互いの価値観や思考・信念が共有される、どのアトラクタにも影響されずに彷徨う人々の物語。
どこの団体にも属さない信念の人達。ということは、その反面もあるということ?
「ミトコンドリア・イヴ」
EPR分析法によるより厳密なDNA分析器を開発した男の物語。
ややこしい。わかる様なわからんような。。。そんでもって笑えた。
「無限の暗殺者」
ミュータント化したS常用者が現実をシャッフルし始めた時、事態を正常に復すため、パラレルワールド世界で「渦」に送り込まれる男の物語。
パラレルワールドなので、暗殺者の行動は様々あるのだな。
「イェユーカ」
常に体調を監視調節してくれる指輪をはめて、アフリカで治療する医者の物語。
「祈りの海」
マーティンは海で儀式をした時、聖ベアトリスの愛を受けた。なぐさめ、信念を授けられた。
この物語には驚いた。ラストのやりとりが印象的。
「神ってのはなかなかいい思いつきだが・・まるで意味をなさん」
「では、生きることがつらすぎはしませんか?」
「四六時中ってわけじゃないさ」
男は・・・・教会にむかってころがしていった。
ぼくは階段に腰かけたまま、夜明けを待った。
このページがわかりやすく参考になりました。面白く読ませてもらい、感謝です!
グレッグ・イーガン氏ブックレビュー
東北大学SF研wiki 祈りの海