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2020年4月改正 労働者派遣法(労使協定の作成方法⑧ 途中で待遇決定方式を変えない旨)

2019年12月08日 | 2020年4月 労働者派遣法改正




2020年4月1日から労働者派遣法が改正されます。





労使協定に定めなければいけない事項については、以下の通りとなります。





※ 拡大した画像は当事務所ホームページにてご覧いただけます。





前回は、【労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する

場合におけるその理由】
について説明いたしました。





今回は、【特段の事情がない限り、一の労働契約の契約期間中に、当該労働契約に

係る派遣労働者について、派遣先の変更を理由として、協定対象派遣労働者である

か否かを変更しない旨】
について説明したいと思います。







【特段の事情がない限り、一の労働契約の契約期間中に、当該労働契約に係る派遣

 労働者について、派遣先の変更を理由として、協定対象派遣労働者であるか否か

 を変更しない旨】


「労働者派遣事業関係業務取扱」には、「派遣労働者の待遇決定方式(「派遣先均

 等・均衡方式」又は「労使協定方式」)が、派遣先の変更を理由として、一の労

 働契約期間中に変更されることは、所得の不安定化を防ぎ、中長期的なキャリア

 形成を可能とする労使協定制度の趣旨に反する恐れがあることから、特段の事情

 がない限り、認められないことを労使協定に記載すること」と規定されています。



要するに、労使協定対象派遣労働者として派遣先で働いていたのに、派遣先が変わ

ることによって、「君、明日からは労使協定対象派遣労働者ではなく、派遣先均等

・均衡方式で賃金額計算するからな」というような取り扱いをしないことを労使協

定の中に明記しなさい!ということです。



ただし、以下の「特段の事情」がある場合は、変更することができます。

 ・労使協定の対象となる派遣労働者の範囲が職種によって定められている場合で

  あって、派遣労働者の職種の転換によって待遇決定方式が変更される場合で、

  かつ当該派遣労働者から合意を得た場合

 ・待遇決定方式を変更しなければ派遣労働者が希望する就業機会を提供できない

  場合であって、当該派遣労働者から合意を得た場合

ただし、上記のようなやむを得ない事情がないと変更できませんのでお気を付けく

ださい。







【記載例】

(対象となる派遣労働者の範囲)

 第○条 本協定は、派遣先で以下の職種の業務に従事する従業員(以下「対象従

     業員」という)に適用する

      ・プログラマー

      ・システムエンジニア

  2 対象従業員については、派遣先が変更される頻度が高いことから、中長期

    的なキャリア形成を行い所得の不安定化を防ぐ等のため、本労使協定の対

    象とする。

  3 対象従業員について、一の労働契約の契約期間中に、特段の事情がない限

    り、本協定の適用を除外しないものとする。










http://haken-higashitani.com/









(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月1日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020other.html

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000469167.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html





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