上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海ライブ2013:虹口区「多倫街」(3)

2013年11月27日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
1.北側の四川北路へ出る門の横に建つのが旧「知恩院」です。

2.1924年建築のイスラムスペイン様式の外観。


日中戦争終了後に「孔祥熙」が住んでいたので「孔公館」と呼ばれたと記されています。

3.孔祥熙は山西省出身孔子75代の直系と称され、アメリカ留学中に鉱物学の修士を取得し、帰国後郷里で学校を創設の傍ら、石油ビジネスで莫大な財をなしました。


孫文との交流が縁で宗家の3姉妹の長女宋靄齢と東京で結婚しました。孫文が北京で病没した際の遺言の証人の一人となっています。

4.その後蒋介石を助け国民党政権時代は財政部長など重職を歴任しましたが、晩年は権力を利用し私腹を肥やし糾弾されています。


国民党政権絶頂期は「蒋介石、宋子文、孔祥熙、陳果夫」を中国4大家族と呼び、夫婦の財産では4家族一と噂されていました。

5.「知恩院」の名前から建設当時は日本の寺社だったのかもしれませんが、有効な資料を発見できませんでした。


孔祥熙はこの他上海市内に3軒の豪邸を所有していましたが、1947年にアメリカへ渡り1967年にニューヨークで没しています。

6.四川北路に繋がる北側の門。



7.魯迅など多倫街に縁のある人物紹介のパネルが在ります。


20世紀初頭、上海では紡績業が勃興し大量の労働者階級が発生した結果、その中から共産党が誕生しました。
活動家たちは中国の治外法権だった租界で弾圧や迫害を逃れ勢力範囲を広げていきます。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmF4 IS