羽黒蛇、大相撲について語るブログ

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2013年02月25日 | エッセイ、情報、もろもろ、相撲記事
朝日新聞抜井記者「新弟子集め」を読んで 相撲の力士は女性にもてることをPRするのも必要かもしれない(羽黒蛇)






抜井記者のツイッターを引用します。

「力士になれば、こんなこと、あんなこと、なんて分かりやすい楽しみがないと、弟子は増えない」のには同感。

一番の楽しみは、女性にもてることだと思います。

次は、ちやほやされることでしょうか。

それを世の中の人々(その中に将来の弟子がいる)に認知させるには、もっと力士をCMに積極的に出演することが必要かもしれません。






「トレパンで外出しただけで叱られるのは、相撲取りくらいなもんだろう」については、相撲が保持すべきイメージがトレパンで傷つけられるかという点で判断すべきでしょう。

ちょっと買い物程度ならよいでしょうが、食事に行く時は着物が、相撲取りらしくてよいと思います。

相撲ファンの中には、「江戸時代にはケイタイ電話はなかったから、力士がケイタイを扱っていると興醒め」という意見もありますが、人目の多い場所でヘビーユースしていなければ、許容範囲だと思います。






羽黒蛇






新弟子集め①)「天井知らず」ってのは、どこまで上がるかわからないほどグングン伸びることを言いますが。大相撲の力士の数は、その真逆。どこに釜の底があるのか分からないほど、減り続けています。きょう発表された新番付に登載された力士数は、605人まで減りました。危機的状況です。






新弟子集め②)力士数は、就職場所と呼ばれる大阪場所で一気に増え、その後、緩やかに減り続けます。なので、今場所前に605人ということは、あと1年は、「力士数500人台に転落」はなさそうです。でも、来年は間違いなく、「600切り」でしょう。どこまで減るのか、苦しい時代が続きます。






新弟子集め③)13の部屋で、力士が10人未満でした。朝日山、東関、錦戸、宮城野(9)▽陸奥、大嶽(8)▽入間川、尾上(7)▽伊勢ノ海、湊(6)▽井筒(5)▽間垣(4)▽鏡山(2)となっています。間垣部屋は、伊勢ケ浜部屋への吸収が検討されています。今後も部屋の統廃合は続きそうです。






新弟子集め④)ぱっと浮かぶだけでも、桐山、花籠、田子ノ浦、大島、二所ノ関、放駒部屋が消えました。さらに、間垣部屋もなくなるし、11月に師匠が定年する三保ケ関部屋も後継が未定です。列記した部屋は、師匠の病気や急逝、定年も含まれていますが、力士志望者の減少が部屋経営を直撃しています。






新弟子集め⑤)相撲協会の外部委員も務めた、中島隆信・慶大教授が、著書「大相撲の経済学」で、こう分析しています。人気と知名度を誇る一代年寄であっても、定年間際は弟子集めに苦労する、と。以前、北の湖理事長を取材した際に、「一代年寄も関係ない。弟子集めは大変ですよ」と語っていました。






新弟子集め⑥)お相撲さんに対する世間の目が、厳しすぎるように思うんですよ、僕は。一昔前、お相撲さんがラッパ飲みしたら、「さすが豪快だ!」と喜ばれました。ウイスキーのロックは、グラスじゃなくてアイスペールにごっぷごっぷ入れて飲む、みたいな。それが、今では「はしたない」って叱られる。






弟子集め⑦)二所ノ関親方がこぼしていました。「スポーツ、伝統、文化--相撲取りは、その全部の一番厳しいところを押し付けられていないか? トレパンで外出しただけで叱られるのは、相撲取りくらいなもんだろう」。で、以前にも記しましたが、僕は、こんな写真を見たことがあります






新弟子集め⑧)どんな写真って、巡業中の一コマ。座布団を真ん中に、4、5人の力士が車座になっているんです。それを上から撮った写真。何をしているって、花札。で、ちょんまげに、折った一万円札を挟んで。そういう風景を社会が許容していたんですよね。「豪快だ」みたいな。それが、いまじゃあ。






新弟子集め⑨)賭博を奨励するのか! と怒られてしまいそうですが。でも、どこの職場でも、賭けの一つや二つ、やったでしょ? 仲間内の賭けもしたことがない、なんて言わせません。社会で一般的なものよりも、ちょっと過激なものを表に出す。それが、お相撲さんの魅力だったのではないでしょうか。






新弟子集め⑩)一般より、少し先ゆくお相撲はんの賭け事。やっていることは一般と一緒。でも、賭け金が5倍だったり、お札を財布から出すんじゃなくて、ちょんまげに挟んであったり。そのほか、白昼堂々隠そうとしない、とか。そういうのを微笑ましく見守る社会と、目くじら立てる社会と。窮屈だなあ。






弟子集め⑪)ある元横綱と飲んで、こんな話に。「ヌクイさんね。俺は麻雀は嫌いなんだ。牌をツモるとき、こうだろ? ほら、脇が甘くなる。俺は、花札だよ。めくるとき、こうでしょ。ほら、脇が締まるんだよ。やっぱ、力士は花札だろ。なあ?」。この話に目くじら立てる社会って、どうなんでしょう。






弟子集め⑫)日本社会には、もうちょっと寛容の心があってもいいんじゃないでしょうか。もう少し力士に甘くてもいいんじゃないでしょうか。去年、把瑠都がトレパンで外出して問題になりました。旭天鵬が言ってましたよ。「もうちょっと優しくしてよ。俺たち、絶滅危惧種みたいなもんなんだから」






弟子集め⑬)「ケツ出して相撲なんて取れないよ」という羞恥心が、力士になること、相撲を取ることが忌み嫌われる一つの要素です。でも、ある親方が言っていました。「まわしを着ける前から、半ケツ出してズボン履くようなヤンチャを、ちゃんと挨拶できるまで育てるんだから、大変だよ」






弟子集め⑭)力士になれば好き勝手できる、なんてのは困りますが、もう少し特別待遇を許してあげたいですね、僕は。歌舞伎や相撲、浮世絵といった江戸文化の偉大なところは、幕府の保護に頼らず、すべて庶民が育て、支えてきたという点です。この文化を残すには、まず弟子が入ることです。






弟子集め⑮終)力士になれば、こんなこと、あんなこと、なんて分かりやすい楽しみがないと、誰も力士にならないんじゃないでしょうか。実は、関取になって名跡を取得すれば、そのへんのプロ野球選手と同等以上の生涯賃金を得られるんですが、このシステムは分かりにくいですからねえ。













引用終わり

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