白金ハ鳴リヤマナイ Scene 15
10月4日(火)
この日の夜、僕たちは新宿高島屋近くにある「沖縄料理ぱいかじ」に集合した。84会は15回目になる。
参加者は6名で、いつもよりこじんまりした飲みになった。まるで、大学の授業が終わった夕暮れ、何人かで芝白金団地付近を歩きながら、「このまま帰るのもなんだし、少しどこか行ってみますか」「そうしよっか」などと話しつつ、何となく店に寄ってみた、という感じだった。もちろん、実際にそんなことがあったというわけではないのだが。
人数が少なかった分、トークは白熱したのだが、僕としては「マジで?」ばかりをバカみたいに繰り返していた気がする。マユミちゃんがスマッシュトークを連打していていたからだ。
「だから、いつも年末はギブスしてるのよー」マジで?
いやはや、ハードパンチャー・マユミが繰り出す数々のエピソードは破壊力抜群だった。2軒目に入った、「ぱいかじ」の上階にある「老辺(ろうべん)餃子館」(大陸風の皮モチモチ、餡の肉汁ジュワジュワの餃子はおいしかった)で、僕は完全K.O.された。
「お母さん、顔が血だらけよって娘に言われてさ」マジで?
だから、残念なことに断片的な記憶しかない。来年はちゃんと取材して、記録に残さなければならないな。「マユミ・レジェンド」を。いや、マジで。
第15回MG84会 2011年10月4日(火) 「沖縄料理ぱいかじ」(新宿)にて
出席者6名:シズカ、モチヅキ、カオリ、マユミ、ジュンコ、タカユキ
白金ハ鳴リヤマナイ Scene 16
11月18日(金)
この日の84会に僕は行かなかった。スケジュール帳代わりにしている何でも帳の大学ノートを開いてみると、その日の欄には何も書き込まれていないので、仕事をしていたのだろう。レギュラージーズン中の金曜日は、朝9時から夜9時まで、あざみ野でぎっしりと仕事が入っている曜日だ。
「2次会もあって、プリクラも撮ったのよ~」とシズカちゃんは後にメールをくれた。
プリクラ?マジっスか?―よく言葉を失う男である。男子2名(ニシノは早退したらしい)、女子6名のプリクラかあ。なんだか大学時代より楽しそうだ、と僕は思った。
第16回MG84会 2011年11月18日(金) 新宿にて
出席者9名:タグチ(初参加)、コマツ、ニシノ、カオリ、マユミ、スミヨ、カナコ、エミコ、シズカ
白金ハ鳴リヤマナイ Scene 17
12月16日(金)
「あらっ!」と声をした方を見ると、トモエちゃんの少しびっくりしたような顔があった。
「久しぶり」
「昨日会ったばかりじゃない」と言ってトモエちゃんは顔をほころばせた。そして「シズカ、シズカ!」と歩いて過ぎ去ろうとしていたシズカちゃんに声をかけた。
12月16日のこの日、夜7時から17回を数える84会が六本木で開かれることになっていたので、その前に、僕は仕事を終えたジュンコちゃんを誘って、毛利庭園とミッドタウンのイルミネーションを見て来たのだった。イルミ鑑賞後、ミッドタウン・ガレリアB1Fのアンリ・ルルーでテイクアウトしたキャラメルオレを店舗近くのベンチに腰を下ろして、飲んでいたところに、やはりイルミネーションを見てきたトモエちゃんとシズカちゃんが通りかかった、とそういう訳だった。
僕たちは4人連れ立って、この夜の84会会場である「曳治屋(えいじや)」に向かった。
店にはすでに、幹事役のアンジーとカヨちゃん、そしてモッちゃんとカズユキが来ていた。アンジーはこの日も―もはやアンジー的なとしか形容のしようがない―スマートな幹事振りであった。今年カヨちゃんに会うのは2回目。前回はカヨちゃんが84会に初参加してくれた8月だった。昔と変わらない涼しげな目が微笑すると、僕はいつもあの甘美なる空気に包まれた過去に引き戻されてしまう。モッちゃんとは前述の10月以来、そしてカズユキとは8月に青森のねぶたで世話になって以来だ。今回、カズユキははるばる青森から初参加。本来ならば、同じサークルだった僕が接点となるべきところだが、カズユキはシズカちゃんらとFacebook上で連絡を取り合って、今回の参加を決めたらしい。シズカちゃん、コーディネート役お疲れちゃん。
僕たちのすぐ後にキヤス、それから少ししてエミコちゃん、スミヨちゃん、カナちゃんが到着。
エミコちゃんは「プレ飲みしてきたのよ」―マジでか!?―と言って、キヤスと僕が座っていたテーブルの椅子を引いた。僕の左隣にエミコちゃん、正面にはキヤス、となると例の「2丁拳銃」の始まりはじまり。この日は飲み放題ではないというのに、まったく困った酒飲みたちだ。気がつくと―このあたりからすでに記憶は断片的になる―いつものように僕たちの前には冷酒と熱燗の徳利がところ狭しと並ぶこととなった。
そして次に気がついた時には、僕は別のテーブルの席に座っていて、カナちゃんとスミヨちゃんと話をしていた。大学時代、2人とはあまり話したことがなく、この夜だけで、これまでの会話量の総計を優に上回ったと思う。もっとも、何を話したかは覚えていないが。
ちょっと記憶が飛んで、僕は今回が初参加のシミズと話をしていた。大学時代以来の再会だったが、「ソアラ前輪破損事件」―シン、覚えているかね?―などを思い出し、2人して大いに盛り上がった。
何時頃だったのだろう、会も半ばを過ぎた頃、コマッちゃんがやって来た。この日コマッちゃんは、出張先の九州から帰京し、その足でこの84会に出席する予定だったものの、降雪のために空港で足止めを食っているので、参加は無理なようだ、と夕方シズカちゃんから聞いていたのだが、どうやら飛行機は飛んだのだな。それにしても羽田から直接駆けつけてくれるなんて、相変わらずコマッちゃんは義理堅い。コマッちゃんは九州から、青森からはカズユキ、そしてモッちゃんはこの後、長野の自宅に帰ると言っていた。日本全国股に掛けてのプチ同窓会になりつつあるようだ。
それにしてもこの週は84の連中とよく遊んだ。
13(火)キヤスと第三舞台観劇。その後、新宿3丁目の鼎(かなえ)、富久(とみきゅう)でジュンコちゃんを交えて飲む。ジュンコちゃん、誕生日プレゼント、本当にありがとう。とても嬉しかった。
15(木)築地ツアー(?さすらう餃子#1「築地へ行くの巻」)
16(金)第17回MG84会
17(土)青山パネルハウスで広研、放研合同年次会/シズカちゃんはコーサカたちと上海ガニツアー
2011年末も白金は鳴り続けている。時を告げる教会の鐘の音が緑あふれる丘を渡るように、ますます高く、澄みやかに。
第17回MG84会 2011年12月16日(金)「曳治屋(えいじや)」(六本木)にて
出席者14名:カズユキ(初参加)、モチヅキ、アンジー、カヨコ、シズカ、トモエ、ジュンコ、タカユキ、キヤス、エミコ、カナコ、スミヨ、シミズ(初参加)、コマツ