餃子倶楽部

あぁ、今日もビールがおいしい。

ル クール ピューにて

2013-04-01 23:53:24 | Hepburn
 3月の中旬頃に掲載した「SACCHIの東京お菓子研修」という記事で告知した通り、SACCHIは福岡から上京し、3/31~4/3まで荻窪の「ル クール ピュー」にて製菓の見習いスタージュ(研修)に打ち込んでいる。
 記事のコメント欄でSACCHIに伝えたように、4月1日の今日、束の間の陣中見舞いを果たすべく、僕は午前中の仕事先である自由が丘から自転車で荻窪方面へと向かった。
 一度荻窪を通り過ぎ、西荻窪の「とらや本店」で差し入れとして元祖ポテトサラダを購入してから、荻窪に戻って「ル クール ピュー」に到着。2時半過ぎに入店。
 いらっしゃいませ、と声をかけてくれたとても品の良い女性―この後、SACCHIにシェフの奥さんだと教えてもらう―に来店の目的を伝えた。
 程なくして、白いコックコートを着たSACCHIがやって来た。SACCHIに会うのはかれこれ十数年ぶりということになろうか。挨拶などを交わしたりしている間に、キヤスも姿を見せた。
 SACCHIが製菓見習いという立場なので、それほど長居はできなかったが、3人で軽口をたたきあったりしつつ、とても幸福な時間を過ごすことができた。旧交を温めるというのは、実にいいもので、心の裏側が揉みほぐされていくような感じがした。知らず知らず、心の中に凝り固まっているところがあったらしい。
 SACCHIは僕たちのために、この店のスペシャリテである、タルト・タタンというリンゴの焼き菓子を取って置いてくれた。
「ひっくり返すのだけはあたしがやったんよ」と彼女は顔をほころばせて言った。昔のように、踊るような身振りを交えて。
   
  
    
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さすらう餃子#3「東上野で焼肉定食をの巻(1)」

2013-03-18 22:38:53 | Hepburn
 2月25日の12時半頃、僕はJR上野駅の中央改札を出て、グランドコンコースにある「のもの」に向かっていた。「のもの」というのは東日本各地域の旬のもの、地のもの、縁(ゆかり)のものを取り揃える地産品ショップである。
 店内に入ると、すでにカオリちゃんとキヤスが来ていて、ご当地カレーの箱などを手に取って何やら話をしたりしていた。
 挨拶もそこそこに、僕は「ペリカンのパンあった?」とカオリちゃんに訊いた。「ペリカン」とは、浅草で食パンとロールパンのみを作り続ける老舗のパン屋のことである。「ペリカン」のパンは、モチモチとしてほんのりと甘く、「日本のおいしいパン」を代表する傑作であるので、本店では予約分のみで売り切れになってしまうこともままあるらしい。その「ペリカン」のパンがここ「のもの」で販売されていることを何かで知ったので、カオリちゃんたちにも知らせておいたのだ。
「3時から4時半の間に入荷だって」とカオリちゃんは棚の貼り紙を僕に示しながら言った。
「じゃ、後でもう一度来よう」
 そんなことを話しているうちに、シズカちゃんが到着して、今日のメンバーは全員集合。
「さあ、それではみなさん行きますよ」と僕はみんなに声をかけて、店の外に出た。

 冷たい風に吹かれながら、昭和通りを渡るために歩道橋の階段を上り始めた時、後ろからシズカちゃんの声が聞こえてきた。
「上野のこっち方面に行くの初めて」
 上野といえば、大抵は動物園や美術館などがある上野恩賜公園、もしくはアメ横へと向かう人がほとんどだろう。こういう時でもない限り、僕だってそうだ。だが、本日僕たちが目指すのは歩道橋を渡った先にある東上野。ここには、知る人ぞ知るコリアンタウンがある。
 そもそもこの日僕たちが集まったのは、去年の10月に僕がこのブログに書いた「上野動物園」(http://gyo-za-club.blogzine.jp/mgbs/2012/10/post_548c.html)という記事がきっかけだった。その記事の中で、妻と息子を連れて上野動物園に行った後に東上野で焼肉定食(カルビ特盛り)を食べた、と書いたところ、カオリちゃんが「カルビ特盛りいいね!」というコメントを寄せてくれた。「できれば今度一緒に行ってみないか」、「ぜひ是非」などということになり、いつものようにキヤスやシズカちゃんも巻き込まれての「東上野で焼肉定食を」と相成ったのである。



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SACCHIの東京お菓子研修

2013-03-14 13:47:34 | Hepburn
 みなさま、SACCHIが東京へお菓子研修にやって来ます!

「荻窪の≪ル クール ピュー≫で今月31から、4/3まで見習いスタージュする予定。4日間だけどね。
 みなさん、サチに会いにお菓子を買いに来てくんなまし」(SACCHI)

 Le Coeur Pur(ル クール ピュー)
 菓子の素材を中国食材や野菜にまで広げた、添加物を一切使用しないヘルシーなケーキが話題を呼んでいる。この店では、「自然の恵みを受けた産物のありのままの美味しさをもっと多くの人に伝えたい」という鈴木シェフの熱い願いは、高級フレンチのレストランという枠を超え、カジュアルなカフェを併設した、パティスリーというカタチで実現。ホテル日航東京でグラン・シェフを務めていた鈴木シェフのお菓子は、上質なフランス料理さながら。日本では珍しい野菜や、フレッシュのままサラダに使うような素材をふんだんに使用したお菓子は、もはや「お菓子」というよりも “アート”である。いくら食べても太らないお菓子―ダイエットにも最適だ。(ギャップジャパン「スイーツコレクション レ・グランガトー」より引用)

 最寄駅:JR中央線「荻窪駅」から徒歩1分
 住所:東京都杉並区荻窪5-16-20
 TEL:03-5335-5351
 OPEN:7:30-21:00(土日祝:8:00-20:00)無休


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俺のフレンチベスト10

2012-11-23 14:28:41 | Hepburn
 昼時、テレビをつけながら、リビングで仕事をしていたところ、「笑っていいとも」で「俺のフレンチ神楽坂店人気メニューベスト10」を当てるという企画をやっていた。
 「俺のフレンチ神楽坂店」といえば、8月22日(水)に、あのキヤス主演「真夏の夜のバカ夢(http://blog.goo.ne.jp/gyozaclub/d/20120823)」が演じられた舞台だ。ちなみに、7月11日(水)には、ユカリ、シズカちゃん、キヤス、そして僕とで「俺のフレンチGINZA」を訪れている。

 「俺のフレンチ神楽坂店人気メニューベスト10」は以下の通り。

1位 アオリイカのプロヴァンス風(714円)
2位 鴨胸肉のポワレ(1,029円)
3位 エスカルゴとジャンボマッシュルームのフリカッセ(714円)
4位 タスマニアサーモンのマリネ(714円)
5位 牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ(1,554円)
6位 ムール貝のマリニエール(504円)
8位 白レバームース(504円)
7位 フォアグラのポアレ(1,029円)
9位 クレメダンジュ(367円)
10位 ズワイガニ・ホタテ・赤ナスのガレット(819円)



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エピキュリアンVol. 9(3)

2012-11-05 23:24:06 | Hepburn
 先付けを食べ終わる頃、いつものようにおかみさんが僕たちの前に、天ぷら皿などをセットしてくれた。
 茂竹の天ぷら皿は桶そば皿タイプで、中の竹簀の子(たけすのこ)の上には油を切るための和紙が乗せられている。天つゆの入った器は呑水(とんすい)と呼ばれる。茂竹の天つゆは昆布とかつお節の出汁が程よく利いていることは言うまでもないが、雑味のないすっきりとした余韻を残すのが印象的だ。小皿に乗った小さな手鞠のような大根おろしの頂点にはショウガの摺りおろしが添えられている。そして塩を入れるための小皿。
 入れ換えたばかりの油で親方が最初に揚げてくれたのが、三つ葉と鞘巻(さいまき)だ。鞘巻は「さやまき」とも呼ばれる体長10cm前後の小型の車えびのこと。先日、「食彩の王国<車えび>覚え書き」という記事で書いたように、鞘巻は小さな刀の鞘に見立てたられたところからついた名だ。この鞘巻は尻尾までおいしく食べられる。あとでもう1本出て来るので、塩と天つゆで食べ比べをしておきたいところだ。
 続いては、松茸、雌鯒(めごち)、筍だ。この時期に筍の天ぷらが食べられるとは意外だったが、聞けば、鹿児島産の緑竹(りょくちく)という夏場に旬を迎える珍しい筍だそうだ。
 トウモロコシ、隠元(いんげん)に続くはまたしても新イカだ。新イカは小さいために海苔を挟んでの2枚付けだ。僕がここ茂竹に通い出したのは確か30代前半だったので、かれこれ十数年もこのカウンターで天ぷらを食べさせてもらっていることになるが、新イカの下足、新イカの口、新イカの寿司、新イカの口周り、そして新イカの天ぷらとこれだけの新イカ三昧はちょっと記憶にない。この時期にしか食べられない新イカをそれぞれ異なる調理法で出してくれるなんて、その仕込みには相当の手間がかかったに違いない。親方のもてなしの心が胸に沁みた。
 天ぷらはさらに、銀杏(ぎんなん)、アスパラ、生姜、茄子、小玉葱、獅子唐(ししとう)、蓮根、穴子と続いた。
 この後は食事。自家製の香の物、豆腐の赤出しと共に、子柱のかき揚げをそれぞれ好みで天丼か天茶で頂く。
 デザートの水菓子は梨とぶどう。梨は幸水で、ぶどうは巨峰と、緑の粒は皮ごと食べられる「ロザリオ」という品種だそうだ。確か、シズカちゃんがそう教えてくれた。
 焙じ茶を啜りながらまったりしていると、シズカちゃんかカオリちゃんがどちらからともなく、新イカの次の旬は何でしょうか、と親方に尋ねた。親方が「そろそろ栗が出てきます」と答えると、2人はすかさず「栗―ッ!」と口を揃えた。「タカちゃん、次回は栗よ。よろしくね」
 もちろん!
 帰りがけに、おかみさんから揚げ玉を頂いた。
 親方、そしておかみさん、今日もおいしい料理の数々、本当にどうもありがとうございました。また翌月4人揃って栗の天ぷらを食べにきます。

 茂竹を後にした僕たちは前回(2011年5月17日「エピキュリアンVol. 3」)と同様、有楽町のとあるビル奥に1坪ほどの秘密のアジトのような店を構える「銀座かずや」で「丹波栗あんよせ」などを購入した後、やはり前回同様、東京国際フォーラムそばの「ブラッスリーオザミ」に引き寄せられ、ギャルソンに勧められるがままにクレマンを1本注文した。
 クレマンというのは、シャンパーニュ地方以外のフランス各地でシャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)によって造られるスパークリングワインのことだそうだ。クレマンの中でも最良とされているのがクレマン・ド・ブルゴーニュで、この時僕たちが飲んだのが「PAUL CHOLLET(ポールショレ)」というまさにそのクレマン・ド・ブルゴーニュだったようだ。
 僕たちは、祭りの後の余韻を楽しむように、午後遅くまでゆっくりとシャンパングラスを傾けた。 ■




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