響灘ビオトープ水生生物部

水辺の生きものの楽園「響灘ビオトープ」
水生生物の調査成果や体験活動の様子を通じて
その魅力をご紹介します!

ムモンチビコツブゲンゴロウ

2008-07-31 22:02:13 | ゲンゴロウ



全国で7ヶ所目となる、福岡県産ムモンチビコツブ。


現在開催中の水昆展では、史上初の生体展示中。

40個体ほど水槽に入っているが、
1個体でも見ることができた人は、かなり幸運な方。
何かいいことあるかも。

それほど小さく、また生態的に見辛い生活をしているようす。



興味のある方は、この機会に水環境館へ。



チビマルケシゲンゴロウ

2008-07-26 10:59:28 | ゲンゴロウ


2008年7月上旬、現場(生息地)で撮影したもの。
網の中での画像だが、あまりにも小さい。



『図説日本のゲンゴロウ』によれば
本種の主な生息地は、南西諸島。
生息地のでの分布状況は、局所的とされる。


鹿児島県上甑島や熊本県での記録があるようだが、
まだ記録文献を読んでいない。


福岡県の生息地は、偶産ではない。
南西諸島から遠く離れるが、昔からここに生息していたと思われる。


現在のところ、本種の北限の記録である。






※生体は、前記事の水生昆虫展で展示中。



ヤスマツアメンボ、三たび

2008-07-13 23:18:01 | 水生半翅


2008年7月中旬、県内の日本海側にある溜め池で採集。


いつ出会えるのかと思っていたら、前回の記事に続いて三度目。

今回は溜め池で。
アメンボ、ヒメアメンボ、コセアカアメンボ、
ハネナシアメンボ、エサキアメンボなど、他に5種いた。

現在確認した3ヶ所はそれぞれ数十キロ離れている。
探せば県内あちこちに分布しているのだろうと思われる。



ヤマト?チュウブ? ホソガムシ

2008-07-13 22:26:27 | ガムシ


2008年7月初旬、県内のある溜め池で10個体ほど採集。

前回訪れたときから、このホソガムシの仲間がいるような気がしていた。
最近、ムモンチビにしろ、「居るんじゃないか」という思いが
湧くと本当にいることが続いていて、自分自身驚いている。


ヤマトかチュウブかは、まだ同定していないので不明。
上翅の第3,5,7,9間室の様子で見分けるそうだ。

ヤマトなら、福岡では記録が絶えて久しいようなので、
生き残っていたという喜ばしい記録。

チュウブなら、福岡では恐らく未記録であり、これまた喜ばしい。



他県では、同じ溜め池にこの2種が混生していることもあるらしい。




底面を這うのも下手だが、泳ぐのも下手・・と思っていたら、

「クルッ!」と背泳ぎになり、急加速!!


へえ、そうやって泳ぐのね。


ヤスマツアメンボ

2008-07-10 23:54:48 | 水生半翅

最近(7月初旬)、福岡県の瀬戸内海側で
初めてヤスマツアメンボを採集した。

林に囲まれたごくごく小さな池の跡、湿地になった場所。
コセアカ居る、と何に気なしに見てると、サイズに違和感。

オス個体を見てみて、「あ!ヤスマツだ!!」と。



その数日後、今度は日本海側でヤスマツを見つけ、採集。
一度出会うと次々にって、よくある。今までは何だったんだろうって。

今度は、農林道にできた水溜まり。
こちらは教科書通りな場所だと言えるかも。





ここも、「何かおるの?」とのぞいて見たことから。

たくさんのアメンボがいた。
そしてよく見ると、コセアカにしてはサイズが・・
という個体の存在に気付く。





テネラル? ヨコミゾドロムシ

2008-07-08 23:32:27 | ヒメドロムシ



過去の記事で、溜め池に生息するヨコミゾドロムシを書いた。
あれは3月の調査で採集したものだった。

詳しい方に聞くと、冬は河川から姿を消すので、
もしかしたら溜め池で越冬している可能性もあるかもという。


2008年7月初旬、福岡県内の同じ溜め池。

今度は数えただけでも、25個体!(前回は2個体)

環境省RDBにあるようにヨコミゾドロムシが
溜め池に生息する例がこの場所なのかもしれない。

先ほどの詳しい方の話では、
県内で溜め池でのそうした報告例は他にはないそうだ。

ムナビロツヤドロムシも同様に多数個体が見られた。
ここは興味深い場所である。


また、採集個体を見ていると、掲載画像のように
体色が薄い個体がいた。
これはヨコミゾドロムシのテネラル個体なのだろうか?

だとすれば、この溜め池で繁殖していることも考えられる。




セスジゲンゴロウの仲間

2008-07-03 18:39:59 | ゲンゴロウ



2008年7月初旬、県北の溜め池で採集し撮影。


2006年夏の終わり、k藤部長とY本さんとで行った
ある溜め池の脇にある小さな水溜まり。

ミズユキノシタなどが繁茂するこの場所では、
羽化した新成虫なのかセスジゲンゴロウの仲間が大量にいた。
上翅がかなり茶色いセスジ系が多かった。

同定しないままに終わっていたが、久しぶりに行ってみた。
時期が早かったせいかいない。

と思って探し続けると、少しだがやはりいた。
そして、やはり上翅が茶色いセスジ系。

近くにヒコサンセスジが居るのだが、ヒコサンほどほっそりしていない。


セスジなのか、それともカンムリやテラニシといったセスジなのか、
きちんと同定しないと、どうにも分からないんだけど。