2022年7月1日、「かんぽの宿」は「亀の井ホテル」にリブランドします。
https://www.kanponoyado.japanpost.jp/information/160865/index.html
2022年4月に事業ごと日本郵政から「株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント」に売却されたことによるもので、同社が2015年に買収した別府の名門温泉ホテル「別府亀の井ホテル」のブランドを採用しました。これにより、熱海温泉や有馬温泉などの伝統ある温泉地に「亀の井ホテル」が誕生することになりました。
さて、その別府市内では「亀の井バス」が路線バスを運行しており、「亀の井タクシー」がタクシーを営業しています。両社は同じ亀の子マークですが、現在は全くの別グループの企業で、亀の井ホテルとも関係ありません。
いずれも創業者は別府観光の父と呼ばれる油屋熊八ですが、死後に生前の借金返済のため売却されました。そして、1964年にバス・タクシー事業は西鉄傘下になり、さらに1968年にタクシー事業はガソリンスタンドや自動車教習所を営む山口産業に売却され、現在に至っています。
https://kamenoibus.com/company/
http://www.kamenoi.co.jp/company/
山口産業は2009年に佐賀県西部をエリアとする「西肥タクシー」を地元の西肥バスから買収し、「西肥亀の井タクシー」としています。
一方、本家本元の別府亀の井ホテルの運営会社は1994年にファミレスを展開する「ジョイフル」に買収されました。その後の一時期は同じ運営会社が西日本中心に各地で「亀の井ホテル」のブランドを用いたビジネスホテルを次々にオープンさせ、油屋熊八からかなりかけ離れた存在となっていました。
結局2013年以降ビジネスホテルは「ホテルAZ」に名称が変わり、別府亀の井ホテルは2014年にソフトバンクグループの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」傘下となった後、2015年に同じ投資ファンド傘下のマイステイズ・ホテル・マネジメントが運営会社となって現在に至っています。
なお、奈良県平群町にある「かんぽの宿大和平群」の最寄りバス停は、7月1日から「亀の井ホテル大和平群」に名称変更されます。