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移転後の名鉄三河知立駅に南口駅前広場ができない件について

愛知県知立市では、市の中心部を分断する形になっている名鉄線(東西方向に名古屋本線・南北方向に三河線が通っている)を高架化して、都市交通の円滑化・踏切事故の解消を図り、ひいては市街地の一体化を実現する「知立駅付近連続立体交差事業」を進めています。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1450765040076.html

完成の暁には4階建て(2階が名古屋本線、3階が乗り換え通路、4階が三河線)の巨大な高架駅になる予定ですが、それだけに長い工期が必要で、2000年度に事業を開始したものの、現時点で完成しているのは全体の3分の1程度(名古屋本線上り線と乗り換え通路の一部)だけで、完成予定は2028年度となっています。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1445314325554.html

そのため、北側の地平にある駅舎から名古屋方面の電車(名古屋本線下り線)に乗るには、いったん3階まで登ってから再び1階に降りる必要があり、かなりの時間と手間を要します。

<2024/6/23時点の工事の様子はこちら>

そして、三河線豊田市方面の隣の駅である三河知立駅は、駅勢圏の調整(知立駅にあまりに近すぎる)と工事費節減のため、高架化区間から外れる約900m東側に移設することとし、2024/3/16に移転しました。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1525222239252.html

移転後の三河知立駅は以前と同じく無人駅ですが、朝から夜まで15分間隔で電車が走っているため利便性は高いです。ただ、下りホームと上りホームは完全にセパレートされており、連絡地下道のようなものはなく、上記ページの下のほうにある図を見ればわかるように駅前広場は北口側にしかない(今後整備する予定もない)ため、南側からのアプローチによる自動車での送迎はできません。

この図だけ見ると「南側に家が建て込んでおり、立ち退かせることがおぼつかなかった」ように取れますが、現地に行ってみると全く的外れでした。

完全にセパレートされた上下ホーム。

改札口は終日無人で、ゲート付きの自動改札機が設置されています。

上り電車に乗るのに間違って下りホームの改札を入ってしまった場合は、インターホンで問い合わせてリモートで自動改札のゲートを開けてもらい、一旦改札を出て踏切を渡り、改めて反対側のホームの改札を通る必要があります。

そして、駅の南側には広大な駐車場が広がっています。この場所に60年以上前から存在する産業機械メーカー「株式会社FUJI(旧富士機械製造)」の本社<工場併設>への来訪者および勤務者のための駐車場です。

おそらく、「同社から平面駐車場部分の一部を買収し、南口駅前広場として整備する」という選択肢もあったはずですが、諸事情でお流れとなったのかも。周辺自治体の多くは自動車関連の企業の本社や大工場が立地し財政的に豊かですが、知立市域には残念ながらほぼ立地していません。

ちなみに、移転前の三河知立駅の跡地は、既に線路もホームも駅舎も取っ払われ、通路跡が残るのみです。もうすぐ、ここでも高架橋の工事が始まるのでしょう。

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