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那覇~久米島の高速船計画のその後・・・2024/4就航を目指しましたが・・・

2023/8/15付「那覇~久米島の高速船は採算ベースに載せられるか?」の続報です。

上記ブログを書いた時点では2024年4月就航を目指していたはずの「久米島オーシャンジェット」ですが、既に2024年4月になって1週間経つというのに何の続報もありません。公式サイトが存在せず、一般には連絡先が公開されていないので、問い合わせようもありません・・・

ただ、久米島町議会では議題に上っており、久米島町プロジェクト推進課からの回答もなされていますので、紹介します。

(1) 令和 5 年第 7 回久米島町議会定例会(2023/9/19~21に開催)の一般質問の11ページ目

 「久米商船㈱への委託事業の経営計画と「久米島オーシャンジェット」経営計画の違いとその評価は。今後の高速船導入の取り組みは。」の質問に対し、以下の回答がなされています。

 「令和3年度に久米商船株式会社が行った高速船を導入した場合の経営診断・航路診断の収支シミュレーションにおいては、用船費用や船舶の年間維持管理費等に大きなコストがかかるため、採算性は見込めない結果となっております。久米島オーシャンジェット株式会社の経営計画については、民間の計画なので資料の提供はできないとのことでした。今後の高速船導入の取組については、民間事業者が設立されておりますのでその動向について注視してまいります。」

(2) 令和 5 年第 7 回久米島町議会定例会一般質問の15ページ目

  「高速船に一般乗船客の割引制度があるのかどうか」の質問に対し、以下の回答がなされています。

 「令和5年7月に久米島オーシャンジェット株式会社から高速船導入についての報告を受け、沖縄総合事務局及び沖縄県と意見交換を行っております。一般乗船客の割引については、現在、離島住民の負担軽減を目的に沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業において離島住民及び離島出身高校生等を対象に運賃低減を実施しておりますが、一般乗船客の割引についてのメニューはございません。」

(3) 「くめじま議会だよりNo.86(2023年12月1日号)」の12ページ目

 (2)と同じやりとりのほか、「国は一島一社原則で補助金を出している。新聞記事では経営共同運営をしないと補助金が出ないとある。高速船就航により2社体制となることで離島割引がなくなることは?」の質問に対し、以下の回答がなされています。

 「久米島オーシャンジェット側によると、国・県・久米商船と調整中であり、久米島町には負担をかけないとのことであった。久米商船の会長と何回か意見交換をしているが久米商船も久米島オーシャンジェットから経営共同運営などの打診は今のところないとのこと。町民負担があっては困るので、慎重に今後対応する。」

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(1)の「久米商船㈱への委託事業」ですが、上記ブログ記事のうちの以下のくだりに相当するものと思われます。

>2021年9月には普段は鹿児島~種子島・屋久島間を運航しているジェットフォイル「トッピー」を借りてきての実証実験試乗会も行われましたが、2022年3月に「採算が取れず導入は厳しい」いう結論が出ています。

そして、(3)の「国の補助金」は、国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業による離島航路補助制度」のことです。

https://www.jrtt.go.jp/ship/seminar/asset/231019_mlit_chuugoku.pdf

補助対象は「唯一かつ赤字の航路」です。2023年4月時点で全国の計126航路が対象となっており、総予算額は約70億円、補助内容は

1.離島航路運営費補助   ・欠損見込額に対する補助
2.離島住民運賃割引補助  ・協議会の決定による離島住民運賃割引費用の1/2 (残り1/2は自治体負担)
3.離島航路構造改革補助  ・公設民営化等による船舶の代替建造費用への支援

となっています。つまり、複数の船会社が就航している離島の場合、互いに競争するのではなく全社が共同運営を行わない限り「唯一」の条件から外れ、たとえ赤字であっても補助の対象外となってしまうわけですね。久米島オーシャンジェットが参入する場合、離島航路補助制度の適用を継続させるには、既存事業者の久米商船と共同運営を行い、貨客フェリーと高速船で役割分担する必要があるわけです。

ちなみに、同じ沖縄県の石垣島と波照間島を結ぶ航路は長年1つの船会社が運航しており離島航路補助制度が適用されていましたが、2011年に別会社が参入したため元の会社は補助を受けられなくなりついに経営破綻に至りました。2024/1/14付ブログ記事「神戸-関空ベイシャトルの顔認証登録による乗船について」で触れたベイシャトルの予備船の最初の働き場所が同社でした・・・

 

ということで、上記質問に答えていた久米島町プロジェクト推進課に現状を確認したところ、「まだ関係者間で調整中のため航路新設の申請に至っていない」とのことでした。

コメント一覧

Jet T
5月31日の琉球新報デジタル見出しによりますと、久米島オーシャンジェットは
8月中の就航開始予定だそうです。
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