このところ本屋に行くたびに気にして探してるマンガ文庫はこれ。
サンプル・キティ(4)
2月中旬発売予定って書いてあったじゃんよう~いつ出るんだよう!!
ともう1週間近く待っているのだった。
でも今楽天でみたら「1~4日以内に出荷」になってた。
じゃあどうして今日も本屋にないのよ?
明日行けばあるのか??まさか??
これ、雑誌連載時も読んでたんだけど、かなりぶっとんだ話なのに妙に生活感というか普通っぽさがあるところがいい。
昔、筒井康隆の小説で、ものすごい非現実的な事態に直面した妻が突然「あなた、もう寝ましょうよ」と言い始める、というギャグ(ギャグなのか?)があったが、なんとなくそれを思い出す。
#この台詞はその作品中何回か繰り返されてて、’あまりの非現実さについていけなくなった妻が、日常に逃げ込もうとしてそう言ってる’というような夫の説明付だったはずだけど・・・あああなんてタイトルの話だか全然思い出せないや。
文庫で言うと1巻目が第一部、2巻~4巻が第二部みたいなもの。
雑誌掲載時に後者には「郭公な私たち」とサブタイトルがついてた。
当時はその「郭公・・・」になってから長くなりすぎてわけわからなくなりかかった覚えがある。
そのせいか、結末を覚えてないのだ(ぶはははは)。
だ・か・ら!
うっかり買ってしまった1、2、3巻を抱えて「はよ出ないかな~どうなるんだっけおたおた(?)」と4巻を待ちわびてるって訳だ。
え、どんな話かって?
筋書くとなんかハードな話に見える(うん実際ハードかも)と思う。
しかし、特に第一部の主人公の普通っぽさでなんか・・・違っちゃってるんだよね~。
もうそれがねえらく好きなんですよ。
少女誌連載だったのに(といっても花とゆめ別冊だったからなんでもありか)、この主人公ときたら子持ち主婦。
雑誌掲載時のキャッチフレーズは「お茶の間ホームSF」とかなんとかだったような。
(よく考えるとこれじゃ意味不明だから違うかも)
’小夜子は見た、わが子の頭めがけて落ちてきたやかんが粉々になるのを。そしてそれがすべての始まりだった・・・’
とか書けばものすごくSFチック(「エディプスの恋人」の紹介文がこんなだったと思うが・・・違うか?)だが、その後主人公小夜子が言ったことと言えば
「お給料日の前だからやかん買えない」
「当分麦茶をお鍋で作らなくちゃ!」
をいをいをい・・・
まあ一時が万事そんな風だったりする・・・かな?
でもね、小さい子供がいるとこうかもなぁ・・・って妙に納得しちゃったりするんだな、これが。
目の前の現実で結構いっぱいいっぱいになっちゃったりしがちだから、あまりにそれとかけ離れたものにでっくわしたところで・・・普段の日常範囲での反応しかしないんじゃないかと。
そこが先に挙げた筒井康隆作品の妻とも通じると感じてるようです、私は。
この作者、明智抄の作品はそういう’妙なんだけどひょっとしてそうかも’と感じる描写が多いです。
ある意味、生っぽいというか、どろどろっとしたものもあって。
学生の頃はそれがちょっとイヤに思った時もあったけど、今となると非常に面白い。
「郭公な私たち」に入ってからの、謎解き的な面白さもすごい。
なぜ、どうしてそうなったのか?
探す自分と、もうそれを知ってるはずの自分を感じ取る主人公(但し第一部とは別の人)。
彼女が何を求めて、何を欲してどう決着つけるのか。
あああ4巻が待ち遠しい待ち遠しい。
どうして記憶に残ってないんだぁ結末がぁ~。
これ読んでから、やたら焼きそばが家のメニューに登場するようになっちゃった。
焼きそばはね、普通の生活の象徴なんだなあ。
そして赤ん坊にはひよこの柄のお布団を準備するもんだと当時思い込みそうになったことも読んでて思い出しました。
ええっ全然マンガの紹介になってない?
だって下手に筋紹介してもつまんなくなりそうなんだもん。
興味があったら是非ご一読下さい、って感じで。
た・だ・し。
スプラッタな描写がごく一部にあるので、そういうの苦手とか夜寝れなくなるという方にはオススメしません。
あ、あとは・・・妊婦さんには勧められません。というか、読まないほうがいいと思います。ちとつらい描写があるんで。
てなわけで、今月最も本屋に入荷するのを心待ちにしているマンガのお話でした。
サンプル・キティ(1)
サンプル・キティ(2)
サンプル・キティ(3)
まぁ、明智抄といえば「始末人シリーズ」のが知名度高いかもですが、そっちは主人公が美男だったんで昔の私はなじめませんでしたとさ(爆)。
今読んだらもっと面白がれる?かな??
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ついでに筒井康隆の「エディプスの恋人」って文庫でまだ入手できるのかな?と調べたらこうなってました。
エディプスの恋人改版
改版・・・一体どこがひっかかったんだろう?何を直したんだろう??
気になるから読んでしまおうかしらん。
実家にある元の版と読み比べたい気もちょっぴり。
といっても、七瀬シリーズはそんなにのめり込んでなかったんですが・・・。
(筒井康隆は大好きでしたが)