あひるはぐわぐわひよこはピヨ!

コントラクトブリッジのことや轟鬼くんと川口真五さんのこと、子供のことなど徒然なるままぐわぐわと書きます。

<妄想>轟鬼くんの2月半ば

2006-03-07 23:23:25 | <妄想>轟鬼くん育成
てなわけで。
2月は殆どなにもしなかったせいでこんなネタを作りながら書かずじまいでした。
時節をはずしてますが、これ以上遅くなって来年書くのもなんだから載せておきます。

例によってサカキ師匠との妄想話です。
もうずうっと書いてないので、知らない人は読まずにスルーしていいです。
しかも今回は大分ふざけた話ですのでご了承下さい。

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キュルルル~と音を立ててDAが回る。
これもはずれか。
まぁこんなこともある。それらしい情報を受けて探索に向かっても空振り、ということだってありうるのだから。

2月半ばの寒さの中での探索は厳しい。
弟子の戸田山もさすがに寒さが身に堪えているのか今日はなにやら元気がないように見える。
無理もない。今日も山には雪雲が重くのしかかり、吹く風は身を切る寒さなのだから。
「戸田山、少しテントの中で暖をとったらどうだ?」
地図をチェックしていた戸田山はゆっくりと顔をあげた。
「あ、はい。でもあと少しっすから・・・」
「別にテントに持ち込んでやればいいぞ。DAたちだってテントの中まで戻って来られるんだから。」
「はい。じゃあそうするっす。」

自分もテントの中に入り、ラジオで天気情報をチェックする。
山の上の雪雲がどうも気になる。あれがこちらまでかかって来るようならば、一度撤収して天候の回復を待ったほうがよいだろう。

「戸田山、明日昼まで探索したら一度山を降りるからな。」
「え?でも魔化魍が見つからなかったら??」
「明日の午後から雪がひどくなりそうだ。動けなくなる前に撤収したほうがいい。」
食料もそれほど大量に持ってきたわけではない状況でそれはとても危険だ。
大体ただでさえ自分達は食料の減りが早いのだから特に気をつけないと。
(勿論それは主に弟子のせいなんだが)

「そうっすか。雪じゃあ川で魚捕って来るわけにもいかないっすもんね・・・」
・・・そういう問題なんだろうか?
いつもながらとんちんかんなんだか真剣なんだか分からない返答をする奴だ。

夕飯は少なめにした。万が一に備えて食料を温存した方がいい、と。
食べて少しは元気が出たのか、ちょっと明るい調子で戸田山が話しかけてくる。
「師匠、今日は14日っすよね?」
「そうだな、2月も半分過ぎたわけだな。今時分は一番寒くてきつい時期だが、3月になれば少しは違ってくるさ。」
「・・・そうっすか・・・」
ん?なんだかまたしょげてるような??

「まあ魔化魍の奴もこんな寒いときにわざわざ出てこなくてもいいよなぁ?いっそ冬眠でもすればいいのにな?」
そう冗談めかしていうと、戸田山もちょっと元気だしたかのように答える。
「そうっすよね!俺もそう思うっす!!そうすれば今頃はのんびり出来るっすもんね!」
うん、やっぱり寒さが堪えてるんだなぁ。無理もない。
いくら鍛えてるとはいえこう厳しい探索が続くのはつらいものだ。
せめて楽しいことでも話して気持ちを紛らわさせよう。
「そうそう、こんな寒いときはあったかい家の中でこたつにみかんだよな。」
「あ~・・・そ、そうっすねぇ・・・みかん・・・」
ん?はずしたかな??
「それとも鍋なんかもいいよなぁ。あったかいこたつで鍋!」
「なんだか食べる話ばっかりっすよ師匠」
「え?」
いかん。戸田山を元気付けようとするとつい食べ物の話になってしまう。
でもいつもならそれに結構乗ってくるくせになぁ??

「ああ14日かぁ・・・(ため息)」
「なんだ、やけに日にちを気にしてるじゃないか?2月はなにかあるのか?」
自分の言葉にちょっと驚いたような戸田山。
「え、いやその・・・別にそういうわけでもないんっすけど・・・」
「そうか、そういえばお前の誕生日からもう10日も経っちゃったんだなぁ」
「そ、そうっすね。あのときはおごってもらっちゃってありがとうございました。」
「ははは。まぁいつもじゃなんだが誕生日くらいはな・・・」
そう、2月4日は戸田山の誕生日ということを当日まで忘れていて。
日菜佳さんが教えてくれなかったらそのまま何もしてやらずに過ごしてしまったに違いない。
危なかった・・・どうもそういう仕事以外の行事やイベントごとは自分の予定から抜け落ちてしまいがちだから気をつけないと。

「まあ俺なんかかえってこんなとこにいるほうがあきらめもつくからいいんっす」
そう戸田山が言った声は小さくて自分にはよく聞こえなかった。
「え?何だって?」
「あ、いや、ひとりごとっす・・・」

やっぱりどうも普段と違う。
いつもの無駄な元気さはどこへやら、ため息なんてついたりして。
夕飯、やはり少なすぎたか?昼からちょっと控えめだったから、もう腹が減ってつらいんだろうか??

「兎に角明日は早めに山を降りような?『八甲田山』にならないようにせいぜい気をつけないと。」
「はっこうださん?」
「・・・いいよ知らないのなら・・・」
だんだん会話を続けるのも疲れてきた。どうしたんだ今日の戸田山は??
こんなときはさっさと寝てしまうに限る。

「そろそろ休もう。寒いときは体力も消耗するから、よく寝ておいた方がいいぞ。」
「ふぁい・・・明日は15日っすよね・・・?」
なんだかまた落胆してるように聞こえるのは気のせいだろうか?
「ああ、15日だ。そして山を降りる日だ。帰ったらゆっくり出来るからそれを楽しみにしような?」
元気付けようとそう声をかけたが、耳にしたのはまた覇気のない「ふぁい・・・」という返事だった。

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翌日、結局魔化魍を見つけることなく雪が舞い散り始めた山を後にし、雷神を走らせる戸田山と自分。
「あ、その先にコンビニがあるからちょっと停めてくれるか?」
「はい」

店に入るかと戸田山に尋ねたが’自分はいい’という返事だった。
うーん・・・やはり大分まいってるのかもしれない。
運転もここから代わってやろうなぁ。

コンビニで戸田山の好きそうなおにぎりや弁当、暖かい飲み物をかごに入れ、レジに向かった。
ふと、レジの前に’半額!!’と大きく書かれて並んでいるものに目が留まる。
へぇ、チョコレートかぁ。
何故か普段見ないようなおいしそうなチョコレートが、きれいに包装されて紙袋に入っている。
甘いものは血中糖度を直ぐ上げるからいいよなぁ。よしこれも買っていくか。
半額とはありがたいし。

「待たせたな。弁当こんなもんでいいか?」
「はい・・・」
「コーヒーやココアもあるが何がいい?好きなの選んでいいからな」
あいかわらず浮かない様子の戸田山。しょうがないなぁ。
子供に対するようでなんだが、ここは甘いものに活躍してもらおう。
「それからほら、これもな」
チョコレートの紙袋を差し出すと、急に戸田山の様子が変わった。
「えっ・・・?これ、俺にっすか??いいんっすか??」
「お前以外に誰がいるんだ?」
なんだか妙なリアクションにちょっと面倒になりながら答えると。
「うわー!!ありがとうございます!!俺めちゃくちゃうれしいっす!!」
途端に目を輝かせて大喜びする戸田山。

なんだ。こんなものでよかったのか。
チョコレートでこんなに喜ぶとは、まったく子供みたいだなぁ。
そういえば丁度甘いものを切らしていたものな。疲れてて甘いものが食べたかったのかな。
これからはもう少し飴やチョコも持って行くことにするか。

弁当を食べて運転を代わり雷神を走らせる。
助手席の戸田山は弁当2個とおにぎり3個を平らげ、チョコレートの紙袋を取り出すとまた随分とうれしそうに眺めている。
「食べないのか?」
「ええっだってなんかもったなくて・・・」
もったないってお前、戦時中のチョコレートが貴重品だった頃の子供じゃあるまいし。
つい「ギブミーチョコレート!」と進駐軍に叫ぶ戸田山を想像してしまい、ふきだしそうになるのをこらえて言った。
「チョコなんだから食べないほうがもったいなくないか?遠慮することないんだぞ??」
「そう言われるとそうっすね、それじゃあ・・・」
がさごそと包みを開けチョコをひとつ口にいれる戸田山。
「ああ~おいしいっす~!!!師匠ありがとうございます!!」
「そうか、よかったな。」
「あ、し、師匠も1つどうっすか?」
「いや、私はいいよ。お前にやったんだから全部食べていいぞ?」
「師匠~!!俺、おれ・・・ほんとうれしいっすよ~!!」
妙にうるうるした目で自分を見る戸田山。まったく感動体質な奴だなぁ。
チョコひとつでこんなに感激されるとはちょっと気恥ずかしいほどだが、昨日からどうにも気になってた元気のなさが解消されたんならまあいいか。全部食べてもっと元気出してくれよ。
ああ進駐軍もチョコを子供に渡したあとこんな気分だったのかなぁとまたばかなことを思い浮かべながら帰途を急いだ。

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たちばなの戸を開けると、香須実さんが迎えてくれた。
「あ、おかえりなさい。ちょっと待っててね戸田山くん。」
「え、俺っすか?」
一旦奥に引っ込むとなにやら持ってくる香須実さん。
「はい。一日遅れになっちゃったけど、これは女性一同からのチョコレート。」
「えええ~!あ、ありがとうございます!!!」
またまためちゃくちゃうれしそうに受け取る戸田山。

1日遅れ?
チョコレート?
自分、なにか忘れてるような気が・・・

「あ、サカキさんちょっとこっちへ・・・」
香須実さんに手招きされて奥に入ると、領収書を見せられた。
「今年の分はこれだけだったんで、人数割りして3千円ってことで。サカキさんいらっしゃらなかったから立て替えておいたんで、今払って頂いていいですか?」

あっ!
「ひょっとしてこれ、あの・・・」
「もう!バレンタインのチョコレート代ですよ!まさかまたすっかり忘れていたんじゃないでしょうね?」
ぎくぎくぎく!!
「え、あ、そんなことは・・・」
「あったみたいですね。でもまぁいつもそうなるから、って私達に頼んでるわけですからしょうがないですねぇサカキさんの場合?」
ちょっとため息混じりに言う香須実さん。
「はい、その通りです・・・毎年本当にありがとうございます」
ついついぺこぺこしながら3千円を払った。

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その頃、表では。
「あれ~戸田山くん、探索終わったの?」
「あ、みどりさん。はい、丁度今戻ったところなんっす。」
「寒くて大変だったね~。雪降らなかった?」
「降りそうなんで一旦戻ろう、って師匠が。」
「そうだったんだー。あ、そのチョコもらったんだね。」
「はい!女性一同ってことはみどりさんからもってことすよね?」
「うんまあね。」
「ありがとうございます!俺チョコレートもらえるなんて思ってなかったからうれしいっす!!」
「まったく鬼さん達はそんな人ばっかりなんだから~日菜佳ちゃんが『頑張ってる鬼さん達にせめてよろこんでもらいましょう!!』ってはじめたのよ、いいこよねー日菜佳ちゃん?」
「本当っすねぇ!!日菜佳さんにもお礼言わないと!!」
「あとはサカキさんにもね?」
「え?師匠も?」
「そりゃそうよ。まあね、サカキさんは鬼だから最初は入ってなかったんだけど、私達がチョコあげるようになったらどうも『サカキはチョコくれないのか?』とか言って困らせる人がいたみたいで。」
「ええっそんなことが?」
「うん。まぁ多分サバキさんとかエイキくんあたりじゃないかと思うけど。サカキさんはほら、そういうこと全くうといじゃない?かえって面白がってねだられちゃったんだと思うよ?」
「あーそうなんっすよ。なんでああうといのかと俺でも思うっす。・・・ああっい、今の師匠には絶対言っちゃだめっすよ!お願いします!!」
「言わないよ~。まあとにかくそんなこんなですっかり面倒になっちゃったサカキさんが、自分もあげる仲間に入れてくれって言ってきたわけ。だから、サカキさんにもね?」
「そうだったんっすか、わかったっす」

ちょっと考えた様子の戸田山は、みどりにおそるおそる尋ねた。
「あのう、ってことはチョコレートはみんなこれでOKってことにしてる、ってことっすよね?」
「うん。だってさ~面倒くさいじゃない?誰にはやったのに俺にはこない、とか言われちゃうとね~?だからもう鬼さん達にはこれだけで済ませてるのよ。」
「・・・師匠も?」
「サカキさんなんて、もともと誰かにチョコレートあげたりしてないでしょう?連名で渡すようになったらなおのこと誰にもなんにもしてないんじゃないかな?あげるとしたらよっぽど特別な人に、かもね~?」
「そそそそそ、そうなんっすかぁあ?」
「あれ~なんだか随分うれしそうね~?なにかあったの?」
「ええっ!いやそんなわけじゃないっすけど~ほんとうに!何でもないんっす!」
「なーんかあやしいな~?あっひょっとして!誰かに別にチョコもらったとか?」
「ああっそんなぁ!!ででもほらあの、ふ、深い意味なわけないっすよね?義理チョコっすよね??」
「やっぱりそうなんだー!!よかったねぇ~!誰にもらったの?って昨日一緒にいたのってサカキさんだけだよねぇ?まさかサカキさんがくれたの???」
「あっでも昨日じゃなかったんっすけど!!」
「えええっほんとにサカキさんにもらったの??うわーサカキさんでも誰かにチョコあげたりするんだー!!やっぱり可愛い弟子は特別なのかしらねぇ~??」
「ええっそ、そんな、そんなことは・・・そ、そうなんすっかねぇ??でも昨日は何にも言ってもくれなくて、今日急にくれたんっすけど・・・」
「だってそりゃあ今日まで山で探索だったんでしょう~?チョコ準備するの忘れたんでばつ悪くて黙ってたんじゃないの?サカキさんそういうとこ抜けてるというか、よくなんだか忘れてるし~ほら誕生日のときだって・・・」
「え?誕生日って誰の?」
「(しまったこれはナイショだった)・・・あ、うん、あのね・・・よく自分の誕生日忘れたりしてるなーって話!(これも本当だからいいや~)」
「あはは、師匠らしいっすー。そんなら俺、次の師匠の誕生日はなにか企画しちゃおうかな~?」
「あ、それいいね~。でもなんで祝われてるかわからなかったりして、サカキさん」
「あはははは、そこまでっすかぁ??いくら師匠でも言ったらわかると思いたいっすよー」
「そうよねぇ、ふふふふふ。でもさぁそのサカキさんがチョコあげるのを忘れなかったなんてびっくりだよ~~。例え1日遅れだってすごいことかも~?」
「や、やだなぁみどりさん、そんなことないっすよ、たまたま店でチョコみて思い出したって程度かもしれないじゃないっすか?」

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奥に行ったついでに報告も済ませて戻ってみると、戸田山とみどりさんが楽しそうにしゃべっていた。
「でもいいよねーチョコレートもらえるなんて。私ももらう側になりたいくらいよ~」
「みどりさんお菓子好きっすもんね。チョコも好きなんっすか?」
「だーいすき♪こう、仕事してるじゃない?ああなんかちょっと休みたいな~って思っても、チョコ1個食べたら平気になっちゃうもの~。」
「すごいっすねぇ!それであんな可愛いDAがいっぱい出来るわけっすね!!」
「そうなのよ~、あーんもう、いっそチョコでDA作っちゃおうかしら~」

「あ、師匠!!!」
自分に気がついて急に相好を崩して笑いかけてくる戸田山。
おお、昨日とはうって変わった表情じゃないか。
今のみどりさんの話どおり、チョコ1個でそんなに元気になるものなんだなぁ。すごいもんだなぁ。
「サカキさんお疲れ様~」
「みどりさんこんにちは。あ、そうだ。DAがちょっと調子悪いのがあったんでみてもらってもいいですか?」
「えっそうなの?寒さにやられちゃったかな??」
「かもしれません。なにしろ山は風も強くて結構過酷な稼動条件だったから。」
「そうなんだ、かわいそう・・・サカキさんと戸田山くんも大変だったね?」
「まあいつものことですから、大丈夫ですよ。」
そうだ、戸田山。元気そうにはなったけれど昨日あれだけ変だったんだから休ませてあげないとな。
「戸田山、報告も済んだからもう帰っていいぞ?今日はゆっくり休めよ?」
「あ、はい。じゃあお先に・・・」
帰りかけた戸田山だったが、急にまたこっちを向くと
「あの、師匠?」
「なんだ?」
妙にもじもじとしてどうしたんだろうと思っていると。
「あの、あの・・・今日は本当にありがとうございました!俺、こんなうれしいことなかったっす!!」
それだけ言って、そのまま逃げるように戸を開けて出て行った。

「・・・なんだあれ??変な奴だなぁいつもながら・・・」
「そ~お?すっごく可愛いじゃない~?サカキさんだってそう思ってるんでしょう~本当は~??」
みどりさんの言葉があまりに意外すぎてふきそうになる自分。
「な、なんですかそれ???一体なにを根拠にそんなことを???」
「とぼけちゃってぇ~。聞いちゃったんだから~」
いやににこにこするみどりさん。わけが分からない・・・
「聞いたって何をですか?」
「戸田山くん、うれしくってしょうがないみたいだったよ~?もう赤くなったりもじもじしたりで可愛すぎて笑うの我慢するの大変だったんだから私。でもサカキさんのこと見直しちゃったな~♪よく忘れずにあげたよね、チョコレート。」
「チョコレート?」
「うん。あげたんでしょ戸田山くんに?バレンタインのチ・ョ・コ!」
「はぁ???」

自分があまりに驚いた声を出したので、かえって不思議そうにするみどりさん。
「え、だってきれいに包装してあるのをもらったって戸田山くんものすごぉ~~~く照れながら言ってたよ?」
「包装?あああっ!!!」
あの半額チョコのことか!
「そりゃぁサカキさんにしてみればただの義理チョコだろうけど、そんなんでもよろこぶものなのよね~男の人達って。可愛いよね~?戸田山くんなんて素直だから尚更、なんじゃない?まあ遅くはなっちゃったにしたって、よく思い出せたな、って感心しちゃった~。」

すみません。
自分、今のいままでそんな行事があること忘れてました。
チョコはただのおやつのつもりでした。安かったもんで。

「ああやっぱりこの間誕生日きれいに忘れてたの反省して気をつけてあげてたんだね~・・・って思ったんだけど・・・違うの?」

はい。確かに、あの件は悪かったから気をつけようとは思ったんです。
でもこんなにすぐになにかしなくちゃならない行事があるなんて頭になかったんです。

ずっと黙っている自分を怪訝そうに見てみどりさんは言った。
「ねえ?まさかたまたま偶然チョコ買ってあげただけ、とか言うんじゃないよね?」
ぐさっ!!
「まさかね~板チョコとかならともかく、ちゃんと包装してあるソレらしいチョコをそんな間違いする人いないよね、この時期に。ギャグマンガじゃあるまいし~??」
ぐさぐさぐさ。
そのギャグマンガをやってる人間(いや鬼)が目の前にいるとは、とてもじゃないけれど言い出せなくなってしまい沈黙する自分。

「でもそういうことが他の人に知られちゃうとまた『俺にはないのか?』が始まって面倒だから、ちゃんとナイショにしておくからね~?戸田山くんにも口止めしといたから安心していいよ~?」
「戸田山にも?」
「うん。だってサカキさんが誰かに催促されずにチョコあげたなんて私が知ってる限りで初めてだもの。ああこれはやっぱり戸田山くんは可愛い弟子だから特別なんだな~って思って。でもそういうの他に知られるのも照れくさいものね?そうかだから隠したくてとぼけようとしたんでしょ~?も~サカキさん、今日はすっごく考えたじゃなーい、えらいなぁあ~!!」

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DAをメンテナンスしてもらいながらよく状況を思い起こした。
つまりは・・・自分は’可愛い弟子にだけ特別に今まで誰にもやらなかったチョコをあげた’って思われてるわけ???みどりさんと戸田山に???
それでやっと納得がいく戸田山の異常にうれしそうな態度。
・・・やってしまった。そりゃあ勿論自分だって戸田山を喜ばせて元気付けたくてしたことではあるけれど・・・まさかそんな日だったとは・・・・道理で効果がありすぎなわけだ・・・
ああああこれでまたきっと感激しまくった戸田山がまたもや懐きまくってくるんじゃなかろうか。

いっそ正直に戸田山に言おうか。
いやそんなことしたらあのよろこびようの裏返しでものすっごくがっかりすること間違いなしだ。
・・・うーんそれはいやだ・・・さすがにそんな姿はみたくない。
戸田山は無駄に元気で一生懸命なのがいいんだから!

黙っていよう。
また大失敗するところだったのが偶然救われた格好になったんだ。
戸田山が懐いてくるのはいつものことなんだから、我慢出来る。
昨日みたいに元気なくノリ悪くいられるほうが耐えられない!

ああそれにしても。
高々チョコ1個がそんなに気になってたものなのか??
昨日元気なかったのは、「バレンタインなのにチョコひとつもらえなかった」から???
考えてみれば戸田山、意外にそういうの気にするからなぁ。
これは本気でちゃんと気をつけてやらないと、いつか自分戸田山を傷つけてしまうかもしれない・・・
頑張れ自分。行事やイベント忘れるのはいつものことでしょうがないと思ってたが、ちょっと手帳に書いておけばいいことじゃないか。
仕事のことと一緒に書くようにしよう、これからは!!!

そう心に決めた2月15日であった。

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サカキ師匠、こんな奴だと思わなかった、という声が聞こえてきそうだ・・・
でもでも、彼女は実はこんな奴のつもりだったんです。
仕事熱心なんだけどそれ以外の俗事にはうといというかアバウトというかいい加減というか・・・困ったもんです。

ついでに子供の頃はどうやらおじいちゃんから戦争の頃の話をやたら聞かされて育ったんで、妙なこと知ってるみたいです。

・・・すみません、なんか久々なのにこんなんで・・・

<妄想>轟鬼くんのお年越し

2006-01-06 23:25:51 | <妄想>轟鬼くん育成
もうずううっと書いてなかったんで、誰も覚えてなさそうな
’<妄想>轟鬼くん育成ゲーム’

すんごく久しぶりにちょっとだけ書いてみました。
でも、サバキさん話の続きじゃないんです、すみません。
正月なんで、戸田山くんが弟子入りして最初のお正月を迎える話です。
でも、サバキさんも出てきます。

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忘年会も終わり、今日は仕事収めの日。
「まさか鬼の仕事に正月があるとは思わなかったっすよ~」
「まあ、そうだよなぁ。でもな、不思議なことに正月は魔化魍の活動は殆ど記録されてないんだ」
正月休みにはしゃぐ戸田山に答える自分。
「へぇー、魔化魍も里帰りでもするんっすかねぇ~?」
「・・・(それはそれでいやだぞ)」
「ところで師匠は家に帰ったりするんっすか?」
「いや・・・どうせ誰が待つわけでもないからな。戸田山お前は久しぶりに田舎にでも行くんだろう?」
「それが、まさか休みになるとは思わなかったんで何も言ってないんっすよ」
「別に今からでもなんとでもなるだろう?」
「そうっすね、でもいっそ今回は初めての東京での正月を迎えてみようかな、と・・・」
「ま、それもいいだろう。たちばなに行けば雑煮のひとつも食べさせてもらえるはずだしな。」
「師匠、いつも正月そうしてるんっすか?」
「いつも、って訳でもないが、まあ大抵の年は年始の挨拶には行ってるなぁ。それから初詣に出かけて」
「初詣っすかあ、いいっすねぇ!」
なんだか仔犬のような目で自分をみる戸田山。
いかん、ここは気がつかなかった振りをしないと・・・
「あ、でも今年はまだどうするかわからないなぁ」
「やだなー師匠、今年じゃなくて来年っすよ?」
「そ、そうだったな」

以前とは違い、戸田山といることもそう苦ではなくなってはいる。
むしろ気心も知れ、一緒にいやすいと言えばいやすい相手ではあるんだが。
しかし、正月っぱらから一緒に初詣にってのは・・・なんか違うような気がどうしてもするのだった。
(許せよ戸田山。大体お前も誰か彼女でも作って一緒に出かければいいのに・・・なんだって自分にばかりついてこようとするんだ、ちょっと情けないぞ・・・)

と、急に声をかけられた。
「いよぉ、サカキ!お弟子くんと新年の相談か?」
「あ、サバキさん。今年も色々お世話になりました」
「あーいいってことよ。ところでなんだ、お正月はたちばなから初詣に行くんだろ?よかったら俺が一緒に行ってやるぞぅ?」
「あ、いえ、それは・・・遠慮しておきます」
「なんだようー冷たいなぁ相変わらずー。大体いつも知らないうちに1人で出かけちゃって声かける暇もないじゃないか、ホントにもう」
「サバキさんと出かけるとたかられますから(ぼそ)」
「ん、何か言ったか?大体いっつも1人で初詣、って侘しくないのか?ご丁寧に着物まで着てくるくせにたった一人!浮きまくってるんじゃないか正月の街で!!」
「き、着物?師匠正月は着物着るんっすか?」
いきなり目を輝かせる戸田山。
「おうよ、サカキはなこう見えてちゃーんと自分で着付けしてくるんだぞ?なにせ実家は神社なんだからな、着物くらい楽勝だよなー?」
「サバキさん、それ全然関係な」
「うわぁー師匠さすがっすねー!!」
あああ感動体質な戸田山・・・なんなんだその喜びようは・・・

「それとも何か?今回は可愛いお弟子くんと初詣だから邪魔するなってことか?」
「別にそういう訳では・・・」
「師匠はまだ予定決まってないって言ってたっすもんね」
「なんだ、そうなの?じゃあ俺と初詣しようよたまには!」

なんだってこんな究極の選択を迫られなくちゃならないんだろう。
サバキさん、前にからかったことまだ根に持ってるんだろうか・・・一緒に出かけたら最後どれだけたかられるか分かったものじゃないぞ。
そのくらいならそのくらいなら。
・・・まだ戸田山の方がましかもしれない・・・

「じ、実は戸田山は今回東京での初正月を迎えるんですよ。師匠としてはたちばなでの正月のこととか色々教えてやろうかなーなんて思ってまして。だからサバキさんとは出かけられないんです!」
「え!ほんとっすか師匠!!」
「ああ、お前も1人じゃ勝手がわからないだろうからな!」
うわぁー滅茶苦茶うれしそうだよ戸田山~~~。
ちぎれんばかりに振られるシッポが見えるような気がして軽く目をこすりたくなった。

「ええー、まだ予定決まってないって・・・」
「い、いえ、まだ相談の途中だっただけで!なぁ戸田山!!」
そうだと言え!
戸田山に必死で目配せする。
「あ、え、ええっと・・・そう、まだ予定決まってないから、俺も1人なら一緒に行こうかって話してたんっすよね~」
いいぞ!
目が泳いでるけど上出来だ!!

ものすご~~~く不服そうに自分達を見るサバキさん。
「お前らさぁ、正月くらい他の予定ないわけ?いっつも師弟でひっついてたって人間関係に広がり出ないぞ?」
「別にいつもひっついてなんかいませんよ!」
「そうかぁ?大体なーんかあやしいぞ?ホントにそんな話してたのか?」
「さ、さ、サバキさん!俺、おれ、師匠と一緒に初詣行きたいなーって前からお願いしてたんっすよ!!で、予定はないからまぁいいだろう、ってことにやっとなりかかってたんっす!!すんません!!」
おお、戸田山フォローしようとしてくれてるぞ。頑張れ戸田山!!
「・・・まあお前の言い出しそうなことだなぁ・・・でいつもどおり冷たーいサカキは返事出し惜しんでたんだな?ああお前も苦労するなぁ、つれない師匠で!!」
「そそそ、そうなんっす!やっと一緒に行ってもらえそうだったんっすよ!!」
(なんだとう?)
「わかったわかった。このサバキ様、鬼であっても心は菩薩だ。師匠のことが大好きな可愛い弟子のたっての願いを打ち砕くような真似はせんさ。よかったなぁ戸田山。俺はきっぱりと身を引くから幸せな正月を迎えるんだぞ?」
(身を引く??)
一体なんだってそんな話になってるんだ???
訳がわからなくなってきた自分の隣で妙に感じ入ったような戸田山が応える。
「ありがとうございますサバキさん!俺きっと師匠と幸せに、じゃなかった一緒にいい正月を迎えるっすから!!」
「よしよし。この礼は後でばっちり期待してるからな!ではさらばだ!!」

去ってゆくサバキさんを見送りながら。
自分の身に起こったことをもう一度思い出して把握しようとしていると。
「し・しょ・う!!」
振り向けば満面に笑みをたたえたそりゃあもうこんなにうれしいことないって顔の戸田山。
「俺うれしいっす!師匠と一緒に初詣に行けるなんて!郷里に帰らなくってよかったっす!!」
ああああ。
やっぱり、やっぱりそうだよなぁ。
まさかサバキさんの誘いを断るためだけの方便だったとは・・・言っちゃいけない、よなぁ・・・
「そ、そうか。まぁ最初の正月くらいはな・・・」
「よかったっすー、一瞬俺と一緒じゃイヤなのかなーって心配してたっすよ」
ぎく。
「でも俺の取り越し苦労だったんっすね、師匠がそんな風に思うわけないっすもんね!」

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かくて。
正月早々から戸田山と二人で初詣に行く約束をしたことになってしまった自分。
一年の計は元旦にあり、と言うからには・・・来年もまた散々さんざんずうっとずううっと!戸田山と一緒に過ごす、ってことなんだろうか・・・うわわわわ。
確かに自分は戸田山の師匠ではあるが。
師匠ってのは果たしてこうも弟子と一緒にいなくてはいけないものなんだろうか???
これではサバキさんに言われたとおり「いつもひっついてる」みたいじゃないか!!

いかんいかん。
こんなことで平静を失うな、自分。
初詣終わったら用事があることにしてとにかく帰ろう。そうだ、約束したのは初詣だけじゃないか。
戸田山だって、もう少し余裕が出てくれば他に目を向けるようになってくれるだろう。
それこそ可愛い彼女を作ったりもして、再来年の正月には彼女と初詣に行ったりするかもしれない。
それまでの辛抱なんだ。それまではせいぜい師匠として戸田山にちょっとは優しくしてやったっていいじゃないか。
そういうことにしておこう・・・

そうやって自分に言い聞かせた年の瀬であった。

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と、結局正月まで辿り着かないまま終わりに(爆)。
トドロキくんはきっと初詣さぞうれしそう~に行ったんだろうな、ってことで。

本編が悲しいことになっちゃったんで、楽しい年越しバージョンがちょっと書いてみたかっただけです、すみません。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その5-1

2005-11-16 17:58:05 | <妄想>轟鬼くん育成
師匠の名前、やっと決めました。
somasomaさんにご提案頂いた「榊鬼(サカキ)」さんで。
somasomaさんありがとうございましたー!!

それから、今回の話にはサバキさんが出てきますが、サバキさん像は
ニャーチ様のブログ
のSSに準拠してるつもりですのでご了承下さい。

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オフ開けのたちばなの地下。
日菜佳さんと話したところ、すぐに探索が必要な場所は別になさそう。
では今週は新人研修といこうか。
日菜佳さんにもその旨伝える。
「そうですよねぇ、新人さん連れていきなり魔化魍退治よりはそれがいいかもしれませんねぇ。」
「もし別な急ぎの情報があるときは、そちらに回りますので連絡下さい」
「勿論そうさせて頂きます(笑)」

「おはようございます!」
戸田山がやってきた。
「おはよう。オフはゆっくり出来たか?」
「はい!部屋を随分片付けられたっす!お陰で結構のんびり出来る部屋になったっす!」
「それはよかったなぁ。今日からまたびしびしやるからな?」
「はい!師匠はオフはどうされたんですか?」
「ああ、まあ出かける用事も済ませたし、ゆっくりする時間もなんとかな?」
「よかったー!なんか忙しそうで気になってたっすよ」
「自分にはいつものことだからな。安心しろ」

「さて戸田山。少し資料を探してから出かけるぞ。」
「はい!でもどこへ行くんですか?」
「先週探索した山の裏側だ。今サバキさんが探索中なんでそこへ行く」
「サバキさん・・・って?」
「そうかまだ会ったことなかったか?では丁度いいな。」
棚から一冊の資料を取り出し、戸田山に渡す。
「関東支部の鬼のことがここに書いてある。これからなにかと世話になるだろうから目を通しておくのもいいだろう。」
「へえ・・・」
ページを繰るとそこには顔写真、コードネーム、名前、出身地などが書き連ねてあった。
「あ、その名前や出身地についてはよそに漏らしてはいけないぞ?・・・まあすべてよそに漏らしちゃ困るがなぁ?」
「はい」
「サバキさんはこの人だ」
「同じ弦の鬼なんですね。」
「そうだ、ベテランだし他の音撃武器も使いこなせる器用な人だぞ?きっと参考になると思うからよく見せてもらうといい」
「はい!」

(必殺技は’閻魔裁き’かぁ。どんな技なんだろうなぁ?師匠の音撃とどういう違いがあるんだろう??)
思いながら戸田山は資料の他のページを何とはなしにめくった。
(響鬼さんだ。そういえば俺、まだ鬼の姿って師匠しか知らないんだよなぁ。姿形ってどうなってるんだろう?この資料には載ってないのかな??)
更にパラパラとめくると。
(あ!)
見慣れた姿につい手が止まる。
(師匠だ!うーん写真映りもいいなぁ~。ちょ、ちょっと見ちゃおうっと。)
’榊鬼(サカキ)’
’本名:沢渡 咲夜(さわたり さくや)’
(師匠のホントの名前、初めて知ったっすよ。咲夜さんっていうんっすか~。きれいな名前っすね~。)

「戸田山?そろそろ出るがもういいか?」
「あっはい!」
慌てて手にした資料を棚に戻す戸田山。
「お前車の中で文字読むのは大丈夫か?」
「はい、車酔いはしない方なんで大丈夫っす」
「では車の中でこれに目を通しておけ」
バサッ、と十数枚程度のコピーを渡す。
「これは?」
「魔化魍についてのデータだ。先週探索していたあたりで生育するとしたらおそらくヤマアラシだろう、と日菜佳さんは分析している。まずはヤマアラシについて頭に入れておけ。弦の鬼が担当することになる他の魔化魍についてのデータも入れておいたからぼちぼち見ておくといい。」
「はい、了解っす!」

「今日裁鬼さんの現場にお邪魔するのは、お前に魔化魍と対峙したときの行動を覚えてもらうためだ。」
雷神を走らせ現場に向かいながら戸田山に言う。
「行動・・・?」
「お前、しばらくはまだ魔化魍に対しなにも出来なかろう?」
「!・・・」
言葉に詰まる戸田山。
「私が魔化魍と戦うときにお前をかばう余裕があるかどうかは分からない。だから常に自分の身の振り方を考えて欲しいんだ。分かるな?」
「・・・はい・・・」
黙ってうつむく戸田山。悔しいのか。でもそれでいい。
それが修行へと向かわせ、更に精進するバネとなるならば。
自分達はどんなときでも現実をきちんと把握し、適切に行動できなければならない。
でなければ待ってるのは・・・死、だ。自分達の仕事はそういうものだ。

------
「おおおっサカキちゃん!久しぶりだねぇ~元気だったぁ?」
「サバキさん、お久しぶりです」
先輩であるサバキさんに丁寧に頭を下げ挨拶する自分。
「でも’ちゃん’づけはやめて下さい、と何度もお願いしましたが?」
「あ~そうだったっけ?じゃあなんて呼べばいいかな~?サカキたん、とかサカキ姫とか?」
「・・・呼び捨てでいいですから・・・」
「えーそれ味気なくなぁい?俺、サカキちゃん昔から知ってるからどうもあの可愛かったイメージが抜けなくてさぁ?」
「・・・今は違うわけでしょう?だったらもう」
「いーやー?今だってサカキちゃん可愛いよ~?なあ石割?」
いきなり振られて答えにつまる石割さん。
「・・・可愛いというよりおきれいだとは思いますが・・・」
「そそそ、それもありだよな~呼び捨てになんかしちゃ罰あたっちゃうよな?」
「あたりませんよ!あたらないからどうかそう呼んで下さい・・・!」
「はーい。しょうがないなぁわがままなんだから(笑)。で、サカキ今日はどういう用件だ?」
「急にえらそうですよサバキさん?」
「石割だってサカキが急にこっちへ来るって連絡が来て驚いてたじゃないかぁ。なんだ先週の山の反対側探索に不備でもあったわけでもあるまいに?」
「それはないと思いますが。実はこの、戸田山の新人研修の一環でサバキさんの現場が見学出来れば、と思って伺ったんです。」

「おっそいつが噂のお弟子くんか!」
「噂?」
「やーサカキちゃんの現場見て一目惚れして押しかけ女房に来たっていうじゃないか?ん?押しかけ弟子、か?でも気持ちわかるな~あんなの見たら俺だってついふらふらとついて行きたくなるもんなぁ。なっそうだろ?お弟子くん?」
「え?え?俺っすか??」
目をぱちくりさせる戸田山。
「あ・・・そ、そうっすねもうついて行くしかないというかもう離れたくないというか」
「だろだろ!よかったよなぁ押しかけ成功して!!毎日まいにちサカキちゃんに手取り足取り色々教えてもらえちゃってるんだろ?」
「サバキさん!言い方が下品になってますよ?」
「なんだよカタイこと言うなよ石割ぃ。あーうらやましいなぁきれいな師匠と毎日毎日一緒に修行♪俺もきゃわゆい女の子の弟子が欲しいよ~石割ぃ~」
「そんなことより実生活でちゃんと恋人でも探したらどうですかサバキさん」
「ぐさっ!い、石割ぃなんてことを・・・」

「すみませんサカキさん。サバキさんも悪い人じゃないんですが、34歳にもなるとどうにもこうにも色々あって・・・」
「・・・まあそれは昔から慣れてますから自分も(汗)」
「ところで、ええと・・・お弟子さんのお名前は確か・・・」
「戸田山登巳蔵っす!よろしくお願いします!」
「戸田山さんですか。ボクはサバキさんのサポーターの石割といいます。よろしくお願いします。それであの今頭抱えて苦悩してる人が」
「S・A・B・A・K・I!サバキだ!!新人くん、俺のかっこいい閻魔裁きをみて惚れちゃいけないぜっ?俺は男を弟子に取る趣味ないからな?まっよろしくなっシュッ!!・・・うひゃー俺決まってる?なぁ石割??」
「・・・もう立ち直ったんですねサバキさん」
「おうよ!なにしろ俺はサバキ!どんな敵にも勇猛果敢に立ち向かい決して退かない鬼の中の鬼!!死ぬときはどぶの中でも前のめりになって死ぬ男だからなっ!!」

「つまりは俺様のスーバーかっこいい音撃姿を見学したいってわけだな?」
「はい。なにしろまだ修行を始めたばかりなので、一度魔化魍退治のプロセスを見学させておこうと思いまして。自分が退治に出るときでは教えられないこともありますし。」
「よろしくお願いします!!」
「よっしゃよっしゃ。このサバキ様にまっかせなさーい。君達に魔化魍退治の真髄を見せてあげよう!サカキ、手出しは無用だぞ?」
「言われなくても今回鬼になるつもりはありませんよ。着替えも持ってきませんでしたし。」
「!!サ、サカキちゃぁん・・・俺最近年のせいかちょおおっと危ないときあったりするんだよねぇ~?万が一に備えて鬼になっててくれませんかねぇ~??」
「!!サバキさんそんなことさせたらサカキさん後でお困りに・・・」
「なんだよ余計なこと言うんじゃない石割!大丈夫だよ~サカキちゃーん着替えなら俺のがあるからぁ~?シャツはちょっと大きいかもだけど、こうだぶっと着られるから全部かくれるって!ミニスカートみたいで可愛いよきっとぉ?」
「ふーん、それで下はなにを着ればいいんですか?」
「ええ~それ一枚でいいじゃん!大丈夫覗いたりしないからっねっねっ?」

さっきからおろおろ顔でこのやりとりを見ていた戸田山、いきなり何かに気がついたかのように叫んだ。
「ああっ師匠!車には着替えちゃんと乗せてきたんじゃなかったっすか?」
「え?」
「・・・あーあ、ばれちゃった。戸田山、ちゃんとこの場を収めてくれよ?」
「き、着替えあるの~??おいっ新人くん!お前どうしてそんな気の利かない真似するんだっそんなもんこっそり降ろしてこんかい!!」
「えええっ!!俺が乗せたわけじゃないっすよ??師匠が自分で・・・」
「問答無用だぁ!!てぇい!!」
「痛い!痛いっすよサバキさん!!ホントに俺のせいじゃないっすからー!!やめて下さいっす~(泣)」

「うーんサバキさんともすっかり仲良しになってよかったな戸田山♪」
「・・・サカキさん・・・ボクはサカキさんのことをなにか見落としてきていたようです・・・」
「?なにかってなにを?石割さん?」
「はぁまあ・・・人は見かけによらないというか・・・」
「まぁ日ごろお世話になってますからサバキさんには。軽くサービスしたつもりだったんですがまさか戸田山がからんでくれるとは。ちょっとこの対決には興味あったんですよ~?」
「はぁ・・・確かに面白そうな組み合わせではありますね・・・」

------------------------
なんかサバキさんが更に妙なことになってますか???
ううごめんなさいニャーチさん・・・
2年前だからまだ(え?)魔化魍バリバリ倒してるはず・・・なんですけど・・・(爆)。

さて次回そんな裁鬼さんの姿が無事見られることを期待しましょう~(?)。
↑書くのは自分じゃないのか?

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その4番外編

2005-11-04 23:55:55 | <妄想>轟鬼くん育成
番外編。戸田山くんの休日。
------------
今日はオフ。師匠は色々忙しいって言ってたから俺も色々やんなくちゃな~。
まずは。部屋を片付けようっと。
「リラックス出来る空間をつくるのも大切だからな?」
はいっ師匠!俺がんばるっすよ!!

さーて。掃除は大体終わったからあとは荷物をきちんと配置してっと。
でも警察の寮より今度の部屋は広くなったから、なんか殺風景っすねー。
リラックス、って感じじゃないなぁ。
よーし、ちょっと出かけて色々仕入れてこようっと。

結局なんだかんだと色々買って。かなりな大荷物を抱えて歩くことになった俺。
このくらい、鍛えてるから楽々っすよ?師匠に見せたいくらいっすよ。
あーでも師匠の部屋ってどんな感じにしてるのかな~。つい今日は師匠ならこんなのが好みかな?なんてこと考えて、普段買わないようなものまで買っちゃったっすよ。

-------
休日の街は大勢の人で賑わっている。
(こういう大勢の人を守る立場に、俺はこれからなるんだなぁ・・・)
警察の仕事は勿論やりがいがあった。しかし。鬼になることにはそれ以上のなにかを感じたのだ。
(きっと俺、立派な鬼になってみんなを守ってあげるっすからね。そのためには鍛えて鍛えて・・・この荷物運びだって修行だと思えば!)
運ぶ腕に思わず力が入る。
(あんな素晴らしい師匠について鬼の修行を始められたなんて、俺幸せっすよ。)
今でも忘れられない。初めてみた魔化魍と、それを倒す鬼の姿。
恐ろしげな異形と言われればそうだが、自分にはこの上ない美しい姿に見えた。
まるでそこだけ別な世界のようなすさまじい気。雷に打たれたような衝撃を受けた。
この異形に。ずっとついて行きたい。魂の底からの衝動が自分を襲ったのを覚えている。
(でもまさかそれがあんなきれいな女の人だったなんてなぁ・・・2重にびっくりだったっすよ)
変身を解いたその姿に再び心魅かれた。顔立ち体つきの美しさはさることながら、その醸し出す雰囲気に。人としての’気’の高潔さ。まさに鍛え抜いたものだけが持つそれが全身から感じられるようだった。
(その人の弟子になれたんだからなぁ・・・ほんと夢みたいっすよ。毎日毎日色々教えてもらって。ずっと傍にいられるなんて・・・)
今はそれだけで胸がいっぱいであった。
(いけないいけない。新しい生活になれることも大切、って事務局長に言われたんだから、ちゃんとそれもやるっすよ?)
まだ始まったばかりだ。そう自分に言い聞かせ気合を入れなおした。

(あれ?)
人波の向こうに見知った姿を見たような気がした。
近づこうとするが、大きな荷物が仇となりなかなか進めない。
それでもなんとか少しは近づいてみた。
(やっぱりヒビキさんだ。)
鍛えたがっしりした体は人ごみのなかでも一際目立っている。
(あー俺もずうっと鍛えたらあんな風になれるんっすかね~)
憧憬を感じながら声をかけようと更に近づこうとした。

ヒビキの隣には、薄水色のスーツに身を包んだ女性がいた。
(うはぁ・・・これはまた・・・)
きゅっとしまった足首。すらっと伸びた足。
スーツの上からでも見て取れるほどの均整のとれた体。
(し、師匠に負けず劣らずなボディラインっすね~。いやいや前からみないとわからないっすよね?師匠はそりゃあもう完璧っすから~でれでれ)
と、ヒビキはなにやらその女性に話しかけてる様子。
(えええ~ヒビキさんの知り合い?っていうか、ま、まさかデートとか?)
(ああーなんか挨拶して別れていっちゃったよ?ど、どうしよう?)
女性はそのまままっすぐ歩いて、地下鉄への階段を下りていった。
ヒビキはといえば、道を曲がろうとしている。
あ、見失う!
「す、スイマセーンちょっと通して下さーいっす!」
なんとか曲がり角まで辿り着き先を覗く。ヒビキさんの姿は??
「よっ?」
「うわわぁ!!」
突然肩を叩かれ、驚きのあまり荷物を取り落とす。
「ひひひひヒビキさん!!脅かさないでくださいよぅ~!!」
「ええっだってお前が俺をつけて来たんだろ?」
「気がついてたんっすか?」
「お前なあ。後ろであんなばか声すれば誰だってわかるよ?」
「でもこんな人ごみの中でわかったんすか?」
「戸田山ぁ、俺を誰だと思ってるんだ?修行が足りないなあまだまだまだ」

------
ヒビキは少し動揺していた。なんでここで戸田山に会わなくっちゃいけないんだ?
俺と師匠のこと、見てしまったのか?確認しなくては・・・
荷物を拾い集めた戸田山が言う。
「あっそういえばヒビキさん、今日は何されてたんっすか?」
「ん?ちょっとね?」
「またまた~お安くないっすねー。ひょっとしてデートだったり?」
ぎく。
「あれ?まさか見てたの?」
かまかけかもしれない。平静に答えておかねば。
「女性と一緒に歩いてるのを遠くから。って言っても後姿だけっすけどね~。やーヒビキさんも隅に置けないっすね~」
「あ?あそうなの?・・・ふーん・・・」
ほっ。相手が誰だかは分からなかったんだな。そーだよなーお前が普段見てる師匠じゃなかったもんな、今日は。ふっまだまだだな戸田山。
「もーどこでそんな人と知り合うんっすか?」
「ふっ・・・俺ほどになれば色々とな?」
「うわーすごいっすねー!さすがヒビキさんっす!!」
「でもな、戸田山。今日みたことは秘密だぞ?あの人とはまだビミョ~なとこなんだから、余分なこと言ったら・・・ひどいぞ?」
「あ、はい!言いませんよ絶対!」
「お前の大事な師匠にも言っちゃだめだぞ?分かってるな??」
「勿論っすよ!あ~でもさっきの人ちょっと師匠と体つきが似てたな~」
「そこまで見てたのか?」
げ。なんちゅう師匠センサーだ。もう少し近かったら危なかった・・・
「や、遠くだからなんとなーく、っすけどねー。ああ師匠、今頃何してるんすかね~」
「お前さ・・・そんなに四六時中師匠のこと考えてるわけ?」
「ええっやだな~そんなことないっすよ?ほんの時々っすよ?」
「と、時々・・・」
「今日は色々用事済ますって言ってたから、俺も色々用事済まそうと思って買い物にきたんっすよ!」
「・・・お前、休日予定まで師匠頼りなのかよ・・・」
「そんなことないっすよ!あ~俺もヒビキさんみたいにデートでもしたかったな~。よ~し次の休日はがんばるっすよ!!」
「誰とデートするんだよ一体」
「ええ~それは!」
妙に照れだす戸田山。
「・・・師匠、とかいうなよ?」
「うひゃあ~そ、そんな恐れ多い!でももしデートできたら、し、師匠と・・・うひゃひゃひゃひゃ、やだなぁーそんなあはははははは・・・」
だめだこりゃ・・・ヒビキは眩暈を感じた。
「お前、さぁ。師匠は大切な(鬼の)師匠なんじゃないの?そんな浮いた対象にしていいと思ってるわけ??」
「あっああああ!そ、そんな!そんなつもりじゃなくて!!そうっすよ!俺は!立派な鬼になるために!!師匠にずっとついていくんっすから!」
「ばか、そんな大きい声で言うな!」
「ああっ!すっすんませんっす!!」

まったくこいつは。どうもこいつといるといじりたい気持ちが出てしまうなぁ、とヒビキは思った。
○○さんもそうなんだろうなぁ・・・こんな面白いおもちゃ、めったにないよな。
にしても俺が今日師匠とデート(師匠はそう思ってくれてないけど)してたって知ったらこいつよっぽどパニくりそうだぞ。よかったばれなくて・・・
折角みつけた気がおけない相手なんだからまたこっそり誘いたいわけだし。
先のこと考えなくてよさそうなきれいな女の人なんて他にいないんだから、しばらく邪魔はさせないぞ戸田山。

戸田山と別れた後、おととい聞いた戸田山の師匠についての第一印象を思い出した。
雷に打たれたように、か。普通それって恋の表現だけどね。まぁ○○さん弦の鬼で属性雷だからってことにしておこうよ戸田山。
大体、あの○○さん相手に色恋がらみ入れたら・・・弟子として大変そうだぞ?
熱烈に尊敬する相手、にとどめておくんだなぁ。それだってよほど運命的なもの感じるがな。
俺にもいつかそんな出会いがあるんだろうか。あるといいなぁ。

と、弦師弟のことが妙に気になっているヒビキであった。

--------------
ヒビキさんと別れて家に帰ってきて。買い物荷物を振り分け。
あ~それにしてもヒビキさんもデートしたりするんだなぁ。たちばなにはきれいな人いっぱいだな~って思ってたけど、香須実さんやみどりさんじゃなさそうだったっすよね?秘密にしたいような人なんっすかねー結構本命だったりして?無理もないよなーあれだけ師匠に似た感じだったら俺だって・・・
あ、いけないいけない。ヒビキさんに言われたっすよね、師匠は大事な師匠。そんな色恋と一緒にしちゃ罰あたっちゃうっすよね。
俺、師匠のあの’気’とか心構えが尊敬できて好きなんだと思うし。絶対学び取って俺も立派な鬼になるっすよ?

夜。結構片付いた部屋を見回して満足。今日はよく頑張ったっすよね俺。師匠に話したら褒めてくれちゃったりするっすかね??
師匠は今日は休めたのかな~?なんか忙しそうだったから心配っすよ。今頃はもう家でリラックスしてるっすかねー。
明日からまた修行っすからね。師匠と一緒に一緒に一緒に。
あ~早く師匠に会いたいっす~。

こうして、明日の師匠との再会に思いを膨らませ戸田山は眠りにつくのだった。
「むにゃ・・・師匠・・・お久しぶりっす・・・」

------------------------
ちっとも戸田山くんがかけなかった反動でこんなものまで書いてしまいました。
にしても戸田山くん・・・なんだその師匠崇拝っぷりは。
戸田山くんの師匠印象は色眼鏡かかりまくりでかなり美化されてるものと思われますね(爆)。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その4-3

2005-11-04 15:44:13 | <妄想>轟鬼くん育成
4-1、4-2の続き。やっと最後です。

--------------------
「だからさ。俺、今回の弟子の話断ろうと思ってるんだ」
「えっ?どうしてですか??今それも先への道しるべ、って??」
「なんかさ、ぴんと来ないんだよ。」
「ぴん、と?」
「そう。戸田山くんが○○さんに出会ったみたいな’なにか’がないなって感じちゃって。」
「そんないい加減な感覚だけで、断るんですか?」
「だめかな?俺にしてみりゃ筋通ってるんだけど」
「別に自分は戸田山に会って特にどうこう、ってなかったですよ?そりゃ色々驚かされはしましたけど」
「ま、それはそれ。兎に角、○○さん見てて俺の今の状態とは違う、って感じたからもういいんだよ。それが分かってよかったから、○○さんと戸田山くんには感謝だなぁ」
「なんか釈然としません・・・そんなことでヒビキさんが弟子取らない決意されたとしたら申し訳ないようで」
「あ、ずっととらないって訳じゃないから安心して?きっと俺もいつかちゃんと出会うんだ、って思えたんだよ。俺の弟子に。」
「・・・どっかの山奥で、ですか?」
「ん?そうかもね。それいいなぁ。会えるように○○さんも祈っててくれる?」
「ホントにそんなことでいいんですか?くっついてきて離れないような弟子かもしれませんよ~~~?」
「そんなの戸田山くんくらいしかいないから、大丈夫だよ」
「・・・なんかそう言われると悲しくなるんですが・・・」
「○○さんにはそういう弟子がいいんだよ、きっと。だってさ、○○さんから関わろうとしなくったって勝手について来てくれるんだからさ?人付き合いどうとか考えなくて済んでるでしょ?ある意味??」
「そう言われれば・・・そうかもしれません」
「ちゃんとさ、必要なことがやってきてるんだよ?自分でそう信じていくしかないんじゃないかな?」
「・・・そうですね。あったことには感謝する、ですね。それを受け止めてこその自分の成長ですよね・・・」
頷くヒビキさん。

「でもその女の子、誰に弟子入りすることになるんでしょうね?」
「俺と、イブキとに話を持ちかけてるらしかったよ?俺が断ったら自動的にイブキの弟子じゃないかと。」
「・・・イブキさんがぴんと来なくても?」
「いじめないで下さいよ~。それもまた必然ですよきっと」
「なんか都合いい必然ですね(ちろり)」
「うっそんな目でボクを見ないで下さい師匠!」

「まあ、女性には接近戦の弦や太鼓はちょっぴりきついだろうから、管のイブキさんに弟子入りするのはいいかもしれませんね。」
「あれ~弦の鬼の○○さんがそうおっしゃる!?自分に出来るなら、っては思わないんだ?」
「それは人それぞれ、でしょうから。私は自ら望んで弦の鬼になったんですし。」
「そうでしたか、でも最初は色々あったんじゃないですか?」
「・・・・・」
「!ごめん、言いたくないことだったかな?」
うつむいて唇をかむ自分に慌てるヒビキさん。
「・・・いえ、もう昔のことですから・・・」

「や、俺が言いたかったのはさ、烈雷は音撃武器としては重量あるからさぞ鍛えたんだろうなーとかそんなことだからさ?」
「ああ・・・そうですね。自分が扱うには実は少々重すぎることは否めません。だからこそ日々鍛錬を重ねる励みにもなってますけれど。」
「そ、そうだろうね、うんうん」
まだ目が泳いでるヒビキさん。気にさせてしまったようだ・・・少し話題を変えよう。
「そう、だから戸田山の体格ならば楽に扱えるだろうな、とそれは楽しみだったりしてるんですよ?」
「おお、そんな楽しみが!よかったよかった」
「ただ、私の戦い方ばかり見ることになると、なかなか彼の体格に合った戦い方が身につかないんじゃないか、って点は心配なんです。だから先々もっとパワータイプな鬼のところに改めて修行に出す必要があるだろうと考えてるんです。その時には響鬼さんにお願いするかもしれませんから、よろしくお願いしますね?」
「太鼓の俺でもいいんですか?」
「その頃にはどうせ太鼓も知らないといけなくなってますよ」
「ま、そりゃそうだなぁ」

「さて、師匠はこの後ご予定があるそうだから、名残惜しいけれどそろそろ出ましょうか」
「そうですね・・・あの、ヒビキさん?」
「ん?」
立ち上がりかけたヒビキさん、もう一度腰を下ろす。
「・・今日はどうもありがとうございました」
心から頭を下げた。
「いーえー。あっ、ひょっとしてこれをきっかけに俺のこと見直しちゃってくれますか~?」
「そうですね、考えときますよ(笑)」
「えー考えるだけ~?もう今すぐ俺の胸に飛び込んできて泣いてもいいんだよ~?」
「・・・遠慮させて頂きます・・・」
「あーもー。やっぱり冷たいんだから○○さんはぁ」
「ヒビキさんこそ、そういうことはみどりさんとか香須実さんに言ってあげたほうがいいんじゃないですか?それとも私で練習してるんですか?(笑)」
「うっ痛いところを・・・」

ふざけていたはずが、急にちょっと真面目な顔になるヒビキさん。
「あのさ、○○さんもそうなんだと思うけど、俺、今は鬼であることが自分の軸なんだよね。それ以外のことにはあまり乗り切れないっていうか。大体さ、こういうそぶりしたら普通の相手はその先を期待するよね?でも、自分は今そこまで考えられないな、って思ったりしてるの。」
「その割には私には随分最近色々言ってきてるようですが?」
「まぁ俺だって男ですからね、きれいな女の人とお出かけしたりお話したい気持ちもあるのよ?だけど普通それだけ、って訳に行かなそうなのがね・・・。でもさ、○○さんは絶対勘違いしないじゃない?今日だって完全に俺がなんか聞きたいことあるから誘ったって思ってるでしょ?」
「だって・・・そうだったんでしょう?あ、私を心配して下さってたのもありますよね、感謝してます」
「ははは・・・やっぱりそうだよね?(小声で)それはそれでちょっと残念なんだけどな・・・俺でも」
「え?何か?」
「いやまあ、○○さんとは鬼としてのつっこんだ話もこうやって出来るし、その上素敵な女性とのデート気分も味わえるして、俺としては正直かなり楽しいわけで。」
「(笑)別にそんな見え透いたお世辞言わなくても話くらいなら付き合いますよ、同僚として」
「・・・ねえ師匠。師匠の家は鏡がないとかなの?」
「???ありますよ?それがどうかしましたか?」
「師匠、自分で自分のことをひょっとして鬼としか思ってないんじゃないですか?」
「他になにがあるんですか??」
「だぁ~・・・俺自分はそういう方面疎いって思ってたけど、ここまで上手がいるとはなぁ・・・戸田山くんも苦労するよなぁ・・・」
「????なんで戸田山が出てくるんですか??」
「あ、いやこっちの話。とにかくさ、今日は俺は楽しかった、ってのは覚えておいてくれる?」
「話したことで、弟子についての考えがまとまったんですか?」
「それもあるけど、もっと色々ね?」
「色々・・・??」
「だからさ、また・・・誘ってもいいかな?」
「師匠と弟子のその後の経過報告が必要、ですか(くすっ)?」
「・・・ほーんと、いけずなんだから師匠は・・・やっぱ俺嫌われてるの?」
「そんなことないですよ、自分も今日はとてもありがたかったです。少し心の整理が出来たようで。またお話出来ればうれしいですよ?」
「あっ本当に?よかったー」
随分うれしそうなヒビキさん。
鬼として尊敬できるヒビキさんと話が出来るのは、自分にとってもありがたいことなのは事実。
けれど・・・一体それ以上のなにをヒビキさんが自分に求めてるのか。
少しだけ気分が重かった。

店を出てヒビキさんと歩く。ガラス張りのショーウィンドウに映る自分とヒビキさん。
(鏡・・・)
そこに映るのは、完璧なまでの体躯を誇るヒビキさんと・・・姿形は女にしか見えない自分。
どんなに鍛えたって。男女のこの体格の差は超えることが出来ないのを思い知らされる。
それでも。自分は自分の鍛えを続けて’鬼’になるしかないのだ。
「・・・どうしたの?」
知らないうちに立ち止まってたらしい。ヒビキさんが不思議そうに声をかける。
「いいえ、さっき鏡がどうの、って言われたからつい見てただけで」
「あ~、気にしてくれたの?自分で見てどう?今日の師匠は素晴らしく素敵ですよ?」
「え?」
「なんていうかもったないんですよ師匠。普段はまあ仕事あるからあれだけど、休みくらいぱぁーっと!きれいな格好したらいいよなーって俺思っていたんですよ?女の人はそういうのあったっていいじゃないですか?」
「ヒビキさん・・・自分のこと、女性扱いしたかったんですか?」
「え?あ・・・」
「さっきヒビキさんに問われた通り、自分はあまりそういうこと考えてなくて。」
「うん、そうみたいだね。でもさ、それだって○○さんが持ってる事柄なんだから、もっとこう・・・大事にしてあげてもいいんじゃないですか?」
「・・・それは・・・難しいですね・・・・」
「・・・○○さん?」
だめだ、ヒビキさんに気取られては。
「まぁ、今日はちゃんとそうしたから、ヒビキさんとしてはご満足、ってところですか?それならよかったんですが?」
努めて明るく言いつくろう。
「うーん、そういうことじゃないんだけど・・・まあいいか・・・」
なんとなくばつが悪そうに口を噤むヒビキさん。

-----------------------
ヒビキさんと別れた後で少し買い物を済ませ、4時には家に着いた。
着替えて紅茶を淹れ、買ってきた本を広げたが、あまり集中できない。

女であること。鬼になって、いや、なる前からこれを厭わしく思ったことが何度あったことか。
それでも捨てることが出来ないまま、半ば無理やり忘れるようにと鍛えに励んだ。
鍛えることでマイナスファクターをカバーしてきたつもりだ。そしてそれは成功している。
烈雷を扱うには自分は役不足、と思いたくなかった。
使いこなして次世代に渡すのが自分の役目なのだと信じてきたのだから。

戸田山。お前には烈雷を託すことが出来る鬼になって欲しい。
やっと初めてそう思えた。自分はそのために弟子をとったのだと。
とった?いやきっと与えられたのだ、天から。
戸田山を育てて初めて自分は自分を全う出来るのかもしれない。
しかし烈雷を戸田山に譲った後に自分は何者になるのだろうか。

いや。もうやめよう。考えていてもきりがない。
自分はいつもどおり、鍛えて鬼であるしかないのだ。更なる進歩を目指して。
明日からの仕事に備えて、今はリラックスしよう・・・

-----
こうしてオフの一日は終わった。夜の自由時間で自分を取り戻すことも出来た気がする。
今日はヒビキさんには感謝しないと。かなり心持ちが変わったから。
そんなことを思いながら寝床についた。

戸田山。今頃なにをしてるかな。
昨日はちょっとかわいそうなことをしたな。
明日からまたよ~~く仕込んでやるからな。
それが今の自分のするべきことなのだ。迷う必要はない。

そう思いながらいつしか深い眠りに落ちた・・・

--------------------------------------------------
ぐわーやっと終わった。オフだけでこんなに長くてどうするんだよぅーー。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その4-2

2005-11-02 23:49:08 | <妄想>轟鬼くん育成
4-1の続きです。
-----------------
「不安?」
「あ・・・やっぱりこんなことヒビキさんに言うことじゃないですね、すみません、不安ってほどじゃないんですが・・・」
「○○さん・・・そんな言いかけてやめちゃわないで下さいよ?俺でよければ話しちゃえば?まああんまり関係ない俺に話したってなんにもならないかもしれないけれど?」
「なんにもならない、って言われちゃうとそれはそれで言わなくていいかなって感じですよ(くすっ)」
「あっそうかな?でもさ、ほら、人に話すことで考えまとまることもあるしね?」
「そうですね・・・ありがとうございます。」

「自分はなんというか、あまり深く人と関わるの苦手ってところがあって。鬼になってからは一般の人とはそれほど関わらなくて済むから返って楽なくらいだったりしてるんです。鬼として、自分を鍛えて鍛えぬくことを重点にしていられる状態が好きというか。」
「そうだね、鍛えるって自分との対話だからねえ。あんまり人様関係ないよね。」
「ヒビキさんならそう言ってくれると思ってました。自分と極限向かい合って鍛えてゆくことで、人を助けることに繋がるなら・・・対話や何かでは他人と上手く関われない自分でもなにか役立つことが出来る、って思ってたんです」
「○○さんが鬼になった理由、ってそれなの?」
「うーん、そういうわけでは・・どっちかというとなってからの理屈、ですね」
「それで、その状態と、弟子を持つってこととは・・・?」
「戸田山がやってきて弟子にして欲しい、ってときに勿論考えたんです。自分に出来るかって。さすがにもう自分も鬼になってそれなり長いですから、いつだって自分を鍛えることは出来る自分にはなってるだろう、と。それは弟子がいてもいなくても変わらないだろう、とは思えました。」
「そうだね、鍛えてゆくことはもう俺達鬼の本能みたいなもん、だからね」
「そうです。鍛えずには鬼でいられないわけですし。その上で、後継者を育てることだって大事な仕事なわけですから、いつかはやってゆかねばならないことなんだ、と思ったんです。」
「鬼の数が減っちゃうと困るわけだしねぇ」
「はい。なにしろ戸田山は自分でないといやだというし、ここはもう覚悟を決めるしかなさそうだぞ、と。」

「うん。なんかなんにも問題なさそうに聞こえますが、やってみたらなにかあったの?」
「・・・なんていうか・・・戸田山みればわかると思いますが・・・」
「師匠のこと大好きだよねぇ?」
「・・・その気持ちが・・・重いんです・・・こんなこと言っちゃ可哀想だとは思うんだけど・・・」
「?好かれてることが??」
「・・・不本意だけど・・・はい・・・」
「それって、人と深く関わるの苦手って話と繋がってる?」
「あ・・・そうですね・・・そうなのかもしれません・・・なんで自分なんかにこんなにって思ったり・・・こんなに好かれても自分はなにもしてあげられないぞ、って思ったり・・・」
「なにかしてあげないといけない、って感じるの?」
「はい。だからせめて、鬼として立派に独り立ちできるようきちんと教えてやろうと思うんですが・・・」
「思うけど、なにか別に問題あったの?」
「・・・最近、自分を調整するのにいつもより時間がかかるんです。これは師匠やってることで狂いが大きくなってるんだな、って感じちゃって。でもこれは自分が不甲斐ないだけの話だからもっと鍛えていけばいいこと、ですよね?」
「だけど気になっちゃったんだ?」
「・・・」
うつむいて言葉が出なくなった自分にヒビキさんが言う。
「安心したよ、○○さんでもそんな、自分を律するのに苦労するときがあるって分かって。」
「え?」
「俺なんて結構些細なことで調整に時間かかったりしてるもん。ほらっナイーブだからさ?」
「・・・私が無神経だとでも?」
「ええっ、そんなこと言ってないじゃないですか~」
「ふふふ、遠まわしに言ってるのと一緒だと思いますよ?」
「え~そんな深読みしないで下さいよ~、単純に俺の話をしただけだよ?」
「本当ですか?そうは聞こえなかったけれど?あはははははは」

「よかった、やっと笑った」
「?」
「なんかさ。おととい会ったときから気になってたんだ。笑えてないんじゃないかなーって。まあ元々そんなに大笑いしてくれる○○さんじゃないけどさ」
「ヒビキさん・・・まさかそれで今日自分に声かけて下さったんですか?」
「うんまあ、それもあるかな。あっでもね。ちょっと聞いて欲しいこともあってさ。」
「?なんですか?」

「俺にも吉野から打診があったんだ。弟子をとらないかって。」
「あ・・・ひょっとして。」
「そう。○○さんにもしばらく前に話だけあったんでしょ?中学生の女の子のこと。」
「はい。女の子だからどうか、って。でもそのすぐ後で戸田山が押しかけてきたもんで結局その話はなくなってしまいましたが。」
「そう。吉野では大方○○さんに、って考えてたみたいで。それが戸田山くんのお陰で予定狂っちゃったんだろうねぇ。」
「・・・なんだか申し訳ないことになってますね、戸田山のせいで」
「で、俺にも話が来たわけよ。」
「どうするつもりなんですか?ヒビキさんとしては?」
「んー・・・そこなんだよねぇ」
黙り込むヒビキさん。
やっぱり、そういう話があったから自分の話を聞きにきたのか。
だとするとさっきのような話はするべきではなかっただろうか。

「ところでさ○○さん、この話来た時に初めて弟子取ることって考えさせられたんじゃない?」
「そういえばそうでしたね。自分が弟子とれるかどうか、その時から考えましたね。そこに戸田山が突然、って感じでした。」
「考えてみれば、戸田山くんって運がいいよね?もし彼があんなにすぐに警察辞めずに、もう少し考えてから、なーんてやってたら、○○さんもうあの女の子を弟子にすること決まってたかもしれないよねぇ?」
「・・・そうかもしれませんね。そうしたらもう戸田山を弟子にするわけにはいかなかったでしょうね」
「逆に彼がもう少し早く○○さんに出会ってしまって、弟子のことなんて考えたこともない時に突然やってきてしまってたら?」
「・・・あ~。あまりに寝耳に水でとにかく断ろうとしたかもしれないですね・・・いくら鬼のなり手が少ないからといっても、すぐ自分で弟子を、とは思わなかったかも・・・」
「やっぱりそうだよねぇ。俺もあんまり自分が弟子を、って考えてなくてさ。○○さんと一緒で、自分が鍛えて鍛えて鬼でいることが好きすぎるのかもしれないなぁ。」
「ヒビキさん、私が言ったことはあまり真に受けないで下さいよ?ヒビキさんほどの人が弟子とらないのって、皆不思議がってることなんですから。私と同列なわけないんですからね?」
「いや、○○さんと俺は似てると思うよ?鬼であることについての考え方がね。だから話したかったんだもの。」
「それは光栄ですが・・・」
「まあいいや。でさ、俺思ってるんだけど。世の中に起こることって偶然のように見えて必然だったりするよね?」
「?」
「戸田山くんはさ、どう考えてもここしかない!ってタイミングで○○さんのとこに現れてるじゃない?それってやっぱり出会うべくして出会ったんじゃないかな、ってなんとなく感じたのよ。」
「戸田山は私の弟子になる運命だったと?」
「そう。それってきっと○○さんにとっても意味があることなんじゃないかな、って思ったわけ。もう○○さんは鬼として上等すぎるほどだから、もう少しなにか、があってもいいぞ、って神様がくれたチャンスなんじゃないかな?ひょっとすると」
「ほめて頂いたのはうれしいですが、それならヒビキさんの方にこそチャンス来そうなものですよね・・・?」
「俺?そうだなぁ、そういうのは人それぞれ時期があるものなんじゃないかな?○○さんはたまたま今で、俺はまだ来てないだけ、って感じ?」
「戸田山がそんなものには今とても思えないけれど・・・」
「それはそれでいいと思うよ?でもきっと、彼が現れたことには意味があるから、それを感じ取るのが更に先へ進む道しるべなのかもしれない、って思えばうれしくならないかな?」
「・・・ヒビキさん、確かに私と考え方似てますね。私も常に先へ、更に進歩したいって気持ちが強いの知ってのことですか?」
「やっぱりね。それは感じ取れるよ。鍛えるのにこれまで、ってのはないものね?」
「はい。だからこそ毎日鍛錬してるんですから。」

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ひい長いぞ。まだ先があるんで一旦載せちゃいました。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その4-1

2005-11-02 15:15:54 | <妄想>轟鬼くん育成
このところ全然書けずもう皆さん忘れてるかもしれないけど、続きです。
今日はオフの師匠。でもなぜかヒビキさんと会う約束をさせられてしまい・・・
って話でした。

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・日曜日はお休みだから、好きな人とデートだぜ!(しなくてもいいけど)

(・仲良くなると、向こうからお誘いがあります(真顔))←重要ポイント(笑)

オフの一日は朝の走り込みから始まる。
いやオフでなくてもやってるので、ただの日課か。
公園で体をほぐし、ジョギング。
休みの日のありがちな光景ゆえ別になんの問題もなく出来るのはありがたい。

少し、体にキレの悪さが残ってる・・・慣れない師匠業で疲労したか。
体のリズムを取り戻すべく集中。ベストの状態に調整してゆく。
走り終わってからまだ気になる場所があればまとめて修正にかける。
自分が意図する動きがいつでも出来るように。

やはり今日は普段より手間がかかる調整になった。
こんなことで崩れるのか自分。修行が足らないな、と自嘲。
弟子がいようといまいと、自分が鬼であることに変わりはないのだ。
どうしてこんなにペースを乱される必要があろうか?

自分は鬼だ。鬼であることに拠り所を持つしかない。
充全な働きが出来るようにすべてを調整するのだ。心も体も。

一通りのメニューを終え、家へ。
軽いシャワーを浴び、手帳を広げる。
ああ、今日は11時に約束したんだった。それまでになにをしようか書き込む。
何時に戻れるだろうか。とにかく夜は
自由時間
と大きく書いた。

--------------------
「おおっ○○さん・・・なかなかいいですねえ~」
11時。待ち合わせたヒビキさんは相好を崩した。
どうしてヒビキさんは自分にこういう格好をさせたがるのだろう。
「はいはい、ヒビキさんが泣いて頼むから仕方なくね」
「ええ~だってそりゃそうですよ、○○さんほっとくとそりゃあ色気なーい格好してきそうで。折角で・え・となんだからおめかしして来て欲しい、って思ったっていいじゃないですか~?」
「・・・別にデートじゃないでしょう?それでヒビキさん、自分に聞きたいことは何なんですか?」
「あちゃあ、ばれてましたか。まぁ聞きたいことがあるのは事実だけど、俺だってたまにはちょっとは浮いた気分も味わいたいんですよ。相変わらずつれないんだからもう。」
「ヒビキさんならそんなお相手には不自由しないでしょう?『いい男』なんだし(ニヤ)」
「お、そんなこと言ってくれちゃうんですか師匠。さすが、男がつくと違いますね~♪」
「そういう誤解招く言い方、やめてくれませんか?」

------
「へえ・・・随分素敵なところですねぇ?」
こじんまりしたきれいな和食処の小さな一室に通された自分は、少し意外な感じさえしていた。
「そりゃあもう、○○さんと二人っきりでお話出来るんだからい~とこ探しましたよ」
「ま、話が話だから他の人いるとこじゃ出来ないですもんねぇ」
「(がくっ)ま、まあそれもあるっていえばあるけれど、さぁ。」

「それで?ヒビキさんの聞きたいことってなんですか?」
「あ~の~ね~・・・まあそうなんだけど、も~ちょっとおしゃべり楽しもうよ?それじゃ尋問ですよ師匠。」
「でも時間もあまりないんじゃないですか?」
「俺はいつまででもOKですよ?○○さんはこの後ご予定でも?」
「あるといえば・・・あるような」
「お?なんかお安くないですね~ひょっとして戸田山くんと夜デートとか?」
「!!仕事と同じ顔は嫌だって言ってたじゃないですか?!大体なんで戸田山が出てくるんですか相手に?」
「ごめんごめん、でもなにもそんなにムキになんなくたっていいじゃないですか。戸田山くんが聞いたらショック受けちゃいますよ~?あ~んなに師匠にゾッコンなのに??」
「(ため息)・・・あれは鬼として、ですよ?それ以外にないじゃないですか?」

「戸田山くんって警察官だったんだよね。元々人助けしたい気持ち強いみたいだね?」
「そうですね。正義感強いというか、まっすぐというか。でも警察官ってのもそれなり制約あるみたいで、理不尽に思うときもあったりした様子ですね。」
「そんなときに鬼の存在を知っちゃった、と。」
「そんな感じですね。たまたま偶然、自分に出くわしてしまったわけで・・・まあ魔化魍に遭っちゃった、ってところからですかねぇ。戸田山にしてみれば、人間に害なす化け物の存在もショックだったろうし、反面それを倒すことの重要さ明瞭さに心を惹かれたんじゃないかと思いますね。不透明なところなさそうですものねこれって。」
「師匠は?戸田山くんに初めて会ったときどう思ったんですか?」
「え?・・・鬼の姿めったに人に見られないようにしてたのにしまったなぁと・・・しかも、魔化魍倒したらすぐに駆け寄ってきたんですよ?この異形の鬼に??なんだこいつーって思いましたよ?」
「感極まった戸田山くんに手でも握られちゃいましたか(くすくす)?」
「??なんで知ってるんですか??『ありがとうございます!!ありがとうございます!!』ってそりゃあうれしそうな顔で痛いほど手を握ってきて。そうやって散々ぶんぶん振り回された後で『ところであなたは一体?』だって。もう調子そがれちゃってどうしたらいいかわからなかったんですよ?」
「ひゃーそりゃすごい。○○さんの調子そげるなんて!戸田山くん見かけによらずやりますねぇ」
「ちゃかさないで下さいよ。もう黙って立ち去るわけにも行かず仕方なく・・・話するしかなくなっちゃって・・・ああ今思えば魔化魍倒してそのまま走って逃げればよかったのかも・・・」
「(笑)それって全然○○さんらしくもないご意見ですねぇ。何?戸田山くんに話しちゃったこと後悔してるの?それで彼が弟子になりにきちゃったことを?」
「後悔・・・う~ん・・・してないと言えばうそかもしれないです。戸田山だってそうすれば今も普通の生活続けていられたかもしれないし・・・」
「それだけ、ですか○○さん?」
いつになく真剣に自分を見つめるヒビキさん。話していいんだろうか、ヒビキさんに。
「・・・本当のことを言えば。自分に師匠なんて務まるのかと・・・ちょっと不安もあって・・・」

-------------
えらく長くなりそうなんで一旦切ります。
ああこのペースじゃちっとも育たないようトドロキくん(泣)。

ところで、その3書いた後決めたんですが師匠は女性の鬼さんです。
武鬼妖さんのブログに出てた女性鬼さんがかっこよかったんで、そういうイメージでいきたいなぁと。
今まで性別不明なまま書いててかなり文章に無理があったんですが、これでちょっとは楽になるかな。
これであとは名前さえ決まってくれれば・・・ネーミングセンスがなくて挫折してます。
なにかいい名前あったら是非「こんなのどうですか?」ってコメントお願いします~。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その3

2005-10-22 21:01:22 | <妄想>轟鬼くん育成
はあやっと週末まで話が辿り着いたらしいぞ。
はやくイベントでも起こってくれればいいのになぁこのゲーム。
妄想はどうも長くなっていかんなぁ。

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・毎週土曜日は、吉野に修行状況を報告だ!

報告書は早めに作っちゃったけれど、「たちばな」へ修行状況報告へ。
その前に銀行に行かないと。夕べの支払いはちょっと痛かったからな。

<修行状況・戸田山登巳蔵について>
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概要:元・警察官のスキルを生かせるポイント多し。直情・素直ゆえ教えたことをそのまま実行する能力も高い。

体力・体術:人並み以上。但しスポーツ剣道の型が身に付きすぎてるので、音撃武器を扱うためにはそこを崩してゆく必要あり。他柔術など一通りのたしなみあり。

探索地への移動:運転技術は並。但し体力があるため疲れにくく、長距離移動も苦にならない様子。

野営:まだ難点あり。随時要指導。
   (特記)食料の増配を要する。理由は追記にて。

地図読み取り:ほぼ及第点。但し山岳部の傾斜を読み取るのは不得手な様子。今後の課題とする。

DAの操作:起動方法はすぐ理解。展開、探索に至る一連の動作もほぼ習得。未熟さゆえDA1基あたりの捜索範囲は小規模となるが、物量を投入出来れば短期間捜索が可能。大量に導入しても混乱なくチェック出来る能力は評価に値する。
このため、今回の探索は予定より1日早く終了した。
DAの読み取りにはまだ課題を残すが、初回に比べ格段の進歩あり。

探索などの計画性:まだ「言われたことをこなす」段階ゆえ保留。但し、計画が必要であることはおぼろげに理解した様子。

報告書の作成:書式を教え、試しに作成させた。PC扱いは初心者。タイピングもおぼつかない。時間が許せば練習したいとのこと。

総評:覚えねばならないことが多いため、それに追われまだ「らしさ」を発揮するには至らない印象。基本事項を習得した後に評価されるべきことについてはまだ保留したいところ。
師匠や先輩に体育会系的従順を示す傾向あり。新人のうちはこの特質を生かした指導をすることも一手と考えられる。

追記:大食の傾向あり。探索の効率化および長期化のおそれを考え合わせると現状の倍の食料確保が必要と考えられる。考慮願う。

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「○○さぁ~ん・・・」
ひゃあ。いきなり後ろから声をかけられてしまった。
「あ、これはヒビキさん昨日はお疲れ様です」
「あ~も~疲れましたとも~~~あの後カワイイ戸田山くんと色々話までしちゃってさぁ~」
「えっ、自分が帰ったあとにですか?」
「そうなんですよ師匠。やーちょっとなんか聞きゃ『師匠がこういった』『師匠がああした』『師匠が』『師匠は』!!俺はもう師匠という単語を一生分聞いた気がしますよ師匠。」
「・・・・うつってますよ『師匠』が」
「ああ、無意識に言ってしまうほどになってしまったか俺!どーしよーか!!」
「(はぁまたこの人は・・・)どうするつもりなんですか?」
「これはもう次のオフにゆっくり休んでいいもの食べたり飲んだりしないとだめかなぁと~」
「へぇーそりゃいいじゃないですか、是非そうして下さいよ?」
「でもねぇ、オフが合う人がいないし先立つものも・・・ああ可哀想な俺!」
「(どうしても聞いてやんないといけないのか)で、オフはいつなんですか?」
「明日!明日なんっすよ師匠!」
うっ、自分と一緒だ。なにを狙ってるんだヒビキさん。
「じゃあ香須実さんでも誘ったらどうですか(サポーターはオフ一緒だよな)」
「あーそんな、仕事のときと同じ顔見るのはいやなの!」
「なんか気持ちは分かりますよ、自分も仕事と一緒の顔今は見たくないです、なんとなく。」
「でしょでしょお!!そんで困ってるのよぅ~」
「じゃあ戸田山派遣しましょうか(ニヤニヤ)?で自分は香須実さんお誘いしちゃおうかなー」
「師匠・・・師匠はひょっとしてボクのこと、きらってるんですか?(棒読み)」

わかってきたぞ、ヒビキさんはどうやら、「弟子をとったばかりの状態」に興味持ってるんだな。それで昨日からからんでくるのか。
まあ、ヒビキさんもいつ弟子取ったっておかしくない、というか取らないのが不思議な状態だからなぁ。
(でもうちの弟子と自分が参考になるとは到底思えないがなぁ。)
「(ため息)自分、明日オフで昼間の予定は空いてま」
「ええっ師匠もっ!奇遇ですね~これはなにかのお導きとしか思えませんよ!」
「(自分で誘導したくせに)へえそうですか、でも戸田山がついてくるかもしれませんけどね~」
「いやん、今仕事と同じ顔いや、っておっしゃったくせに!」
「はいはい。話は明日聞きますから時間と場所決めて下さいね(ああ面倒)」
「なんか怒ってませんか師匠」
「そんなことないですよ、明日は誰かとデートでもって考えてたのがフイになっちゃっただけで(言うだけ言ったれ)」
「あれぇ、こんないい男とデート出来るのになにが不満なんですか師匠」
「・・・ご自分で考えて下さいよ・・・」

「ところでそれ、戸田山くんについての報告?見てもいい??」
「ヒビキさんそんなに戸田山気になるんですか?」
「や、ほら、色々話聞いちゃったからさ、ちょっとね」
「どうぞ。読んで理解したらいっそ師匠代わって差しあげますよ(笑)」
「いえ謹んで遠慮申し上げます。っていうか戸田山くん○○さん以外の人になんかつく気ないんでしょ?」
「(ため息)」
「○○さんもあれだねー、って、まあ話は明日しましょうか」

「お、ヒビキくんに○○くん、もう来てたのか」
「あ、事務局長、戸田山についての報告をまとめたのでお話に参りました。」
「ヒビキくんは?」
「今週の活動状況報告に。あとは新人君の様子見に、なーんちゃって」
「じゃあまず○○くん、報告書読ませてね」
・・・・
「どうですか戸田山くんは」
「体力もあるし、素材としては結構いいと思います。人の話もよく聞いてその通りにしようとするんで、教える苦労も少ないですし。」
「ん?この追記。そんなに食べるんですか彼」
「あーもーそうなんですよ!あれはもう曲芸の域ですよ!!」
横から口出すヒビキさん。
「んん?ヒビキくんも知ってるようなことなの?」
「そりゃあもう!お陰で俺はきの」
「3人前どころか6人前くらい食べそうな勢いなんです。野営のときはまぁそんなに準備しないので多少我慢してたみたいですが、きちんと修行する上では空腹では困るのでなんとかして頂きたいところなんです。」
「それはやむを得ないねえ。食料は多めに持ってゆけるように手配しましょう。」
「ありがとうございます」
「ところでその戸田山くんは?」
「少し後から来るように言ってありますので、そろそろ現れるかと」
そうだ、その前に。
「食料の件は戸田山にはなにも言わずにお願いします。戸田山の性格だと気にしてあまり食べないようにしよう、とか余計な気を回してしまいかねないので。」
「はい、了解」

----------
ヒビキさんが週間報告していると
「こんにちはっす!今日はよろしくお願いしますっ!!」
戸田山が元気よく入って来た。
「おぉ戸田山くん、ちょっとそっちで待っててね」
「はいっす。あ、師匠♪昨日はありがとうございました!!」
「・・・俺には?俺には??」
「ヒビキさんもありがとうございました!!勿論っすよ!!でも今お話中だからって思ったんっす、後にしちゃってすんませんっす!」
「まあそれが君の心の優先順位なんだろうけどね(ぼそ)」
「ん?ヒビキくんなにか言った?」
「いえなんでもありません、事務局長」

「修行始めてみてどうだね?戸田山くん」
「はいっ毎日新しいことが色々で目が回りそうっすが、師匠に言われたことを信じてやってゆくつもりっす!」
「君は体術やヤットウは得意なんだってね?」
「はい!やったのは警察学校からなんすが、性分に合うみたいっす。体動かすのは元々好きなんっすよ」
「野営やDA使うのは初めてで大変だったでしょ?」
「そうっすねぇ、なかなか出来なくて師匠には迷惑かけちゃったみたいで・・・」
「まあ、焦らずやってゆけばいいからね、そのための修行であり、師匠なんだからね」
「はいっ!俺がんばるっす!!」
「○○くんとはどう?上手くやってゆけそう?」
「勿論っす!!俺、いい師匠につけて幸せっす!!これからも師匠からいろいろ学んでいきたいっす!!」

「(ねえ昨日泣かされたりしたことはどうでもいいわけ?彼)」
ヒビキさんナイス疑問です。
「(食ったから忘れたんじゃないかと・・・こそこそ)」

「いやあ、○○くん。随分信頼されたもんだねえ君も。」
「あ、はい。自分の分不相応なんじゃないかってほどで・・・」
「そんなことないっす!師匠がいるから俺安心して修行に励めるんっすよ!!」
「はははは、戸田山くんは本当に師匠が好きなんだねぇ~」
「勿論っすよ!当たり前っす!」
うはぁそんなに大きな声で堂々と言うことなのかそれが。
なんだか赤面しそうだぞこっちは。なんとかしてくれよぅ。
ああヒビキさんがにやにや笑いながら見てるよ。
明日気が重いなあ・・・

「それじゃあこの報告、吉野にも回しておいてね」
「はい」
「戸田山くん、明日はオフだからゆっくり休んで下さいね。新しい生活に慣れるためにはそれも大事なことですよ」
「ありがとうございます!事務局長!!」

------------------
「あ~緊張したっす~!」
へぇそうだったのか戸田山。
「でも、事務局長って思ったより優しげっすよね~。俺ちょっと安心したっすよ。」
「ほー、どんな鬼みたいな人だと思ってたんだい?」
「えっ・・・やだなー師匠そこまで思ってませんよ鬼だなんて」
「まっ俺たちはその’鬼’なわけだけどな?」
まだいたんですかヒビキさん。
「あ、そうかぁそしたら師匠も鬼っすよね~。あはははは。それに比べたらいけないっすね~」
どういう意味だ戸田山。後でようく聞いてやるからな。
とヒビキさん、いきなり真剣な顔で戸田山ににじりよる。
「でもな、戸田山。事務局長を甘くみたら痛い目に遭うよ?」
「えぇえっそっそうなんっすか??き、気をつけるっす~」
「ヒビキさん戸田山をからかわないで下さいよ」
「へーい。カワイイ弟子をいじめると師匠の目がこわくってもう。まったく鬼なんだからぶつぶつぶつ」
「鬼だよ」
「えっそうだったんだ!実は俺もね、鬼なの。俺達気が合いそうだね♪」
「・・・もうこの冗談やめませんか?」

----------------
「あ~明日はオフっすねぇ。師匠に会えないと思うとなんか変な気がするな~?」
「まあ鬼師匠(こだわってるか自分?)がいないところでゆっくり羽でも伸ばしてくるといいぞ?」
「えぇ~俺そんなこと思ってないっすよ!鬼だなんて!!あ、鬼なのか師匠は?あれ??」
「いやまあその冗談はもういいから(汗)」
「でもそうっすねぇ、なにしようかな。まだ警察の寮から引っ越してきたのが片付かないからそれもやんないとなぁ」
「そうだな。生活環境を快適にするのも大切だな。リラックス出来る空間を創るとかな」
「師匠はそういうところあるんっすか?」
「うーんまあ、自分の部屋で音楽聴いたり、本読んだり、かな」
「師匠って理知的なんっすねぇ~。俺だと本読むと眠くなっちゃうかも」
「(汗)・・・まあそれもある意味リラックスかもな・・・」
「え?そうっすかねぇ?じゃあ俺も師匠みたいにやってみようかなぁ♪」
「・・・好きにすればいいさ(冗談にならなかったのか、困ったもんだ)」

「明日は師匠はどうするんっすか?」
「え?ああまあ、野暮用済ませたり、家で本読んだりかな、さっきのとおり」
「そうっすかぁ。・・・・あのぅ」
「あっ明日は夜もちょっと用事があったな。うーんオフだというのに大忙しだっ」
「ええっそれで休めるんっすか??」
「ま、まあなんとかなるさっ。じゃあな戸田山、またあさって、な?」
「・・・はい、また来週もよろしくお願いします。・・・」
うわぁそんな捨てられた子犬な目で自分を見るなっ戸田山ぁ。
自分だって自分だって・・・
たまにはお前のいないところで休みたいんだよっ!
すまんっ戸田山!!

こうして逃げるように戸田山の傍から去ってしまった自分を、戸田山はいつまでも見送ってたらしい。はぁ。

あぁでも明日は昼間ヒビキさんによりによって戸田山の話をしなくちゃいけなさそうな感じ。
夜こそ、夜こそ。平穏な時間にする。絶対するんだ。
来週あたりおそらく出動がかかりそうだから。
きちんと休んで体調管理してこその鬼なんだから自分は。

-----------------------------------------------------
師匠、相当お疲れの様子ですな。
まあいきなり戸田山くんとずっと一緒なんですからねぇ。
私としては本当はデートしたいのは戸田山くんだけどっ。
こういうじらしも時には必要よねっ?


それにしてもヒビキさんがどんどんしゃべってしまって・・・どうしよう。

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その2

2005-10-21 00:54:02 | <妄想>轟鬼くん育成
脳タスクの一部でいつもランしてるような妄想になってしまい大変困ってます。
ああトドロキくんの「師匠♪」がやめられません。中毒になりそうです。

----------------------
■修行メニュー[報告書の作成]
「たちばな」地下のPCに作成した報告書を入力しよう!

「お早いお帰りでしたねぇ、○○さん」
「ああ、まぁ色々あってね。」
「ところで・・・」
日菜佳さんに袖を引かれ、奥に連れて行かれる。
「(小さな声で)新人君、なんだか随分沈んでませんか?
なにかあったんですかねぇ??」
「ああ(笑)、まあね。でも心配はいらないよ?」
「そうですかねぇ・・・?」
「なに?気になるの?」
「えっ。いえっ別にそういうわけでもないですが、見たところちょっとね、アハハハハ」
不自然な笑いの日菜佳さん。

「あ、そうだ日菜佳さんにお願いがあったんだ」
「はい?なんでしょうか?」
「あのね・・・(声をひそめて)悪いんだけど、次から出動時の食料配給、倍に増やして貰えないかな?」
「へ?今回新人君が入ったから倍にしたはずですよね?」
「そうなんだけどさ・・・足りなかったんだよね・・・」
「はあぁ?」
「しぃっ!声がでかいよ、戸田山に聞こえるっ」
「・・・新人君がなにかした、ってことですか?」
「なんというか、食べるんだよあいつ。それで食料足りなくなったんで予定より早く帰ってきたんだよっ」
「へぇえ~そんなことで○○さん帰ってきちゃったんですか??」
「勿論予定の探索は終わらせたさ。なにも見つからなかったが、山の反対側を探索すべきかとは思う」
「怪しいんですか?」
「なんともいえない感じだなぁ。まだ特に被害が出てないとはいえ、空気感が・・・」
「わっかりました、引き続き裁鬼さんに探索続行してもらいましょう」
「よろしくお願いします。で、食料のことは・・・」
「う~~~ん、どうでしょうねえ、父上に相談しないことには・・・」
「報告書もその旨出しますが、こっちも切実なとこなんでなんとか対処願いますよ」

「戸田山待たせたな、地下で報告書を作るから一緒にこい」
「ふぁい・・・」
「ん?なんだその手帳は?」
「あっ!!なんでもないっす!!」
後ろ手に隠す戸田山。

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「ここで、作成した報告書ファイルをコピーしてこっちのファイルに入れる。すると吉野のデータベースにもデータが転送されるわけだ。」
「はい。ところで報告書自体はどう作るっすか?」
「そうだな、書き方も覚えておいたほうがいいな。」
カシャカシャカシャ。
「これが報告書の書式だ。ものは試しだから、今回の探索について書いてみるか?」
「はいっす。」

さてその間に食料費増額あるいは食料配給増加願いでも書くか。気は進まないがやむをえん。
カシャン・・・カシャン・・・
・・・?
振り向くとそこには
雨だれ式でキーボードを叩く戸田山の姿があった
「戸田山。おまえひょっとしてPC使ったことあまりないのか?」
「・・・・実はそうなんっす」
絶句。
別になにも無理にPCで打てと言ったつもりこそなかったが。
「報告書は紙に書いてもいいんだぞ?そうするか?」
「えっ??そうなんっすか??」
いきなり顔が明るくなった戸田山。
「初めからそう言えよな。今時の奴はPCのがいいのかと思ったじゃないか」
あれ、戸田山また考えこんでる様子。
「うーん・・・でも師匠、ひょっとして俺PC使えたほうがいいんじゃないっすか?」
「え?」
「いやあの。必要だからPCで書いてみるよう言われたんだと思ったっす。」
「まあデータとしてはすぐ使えるから報告書ファイルにした方が良いがな、紙に一度書くよりは」
「じゃあ俺、やっぱりPCでやってみるっす」

戸田山、落ち込んでたからどうするかと思ったらそうきたか。
まず自分がなにを覚えるべきかを考えたんだな。
なかなかどうして偉い奴じゃないか。

「それにしてもその打ち込み方じゃ時間がかかりすぎるな」
「そ、そうっすか?でもこれってどうすればいいんすかねぇ??」
「まあ、タイピング練習でもしてみたらいいかもしれないなぁ(笑)。
色々ソフトもあるだろうし」
「わかったっす。早速探して練習してみるっす!」
「まあ今日のところは紙に書いてみてもいいからな?」
「はいっす!」

その時。
「あれえ、○○さん?まだ今日は戻らない予定じゃなかったんですか?」
「ああ、ヒビキさん。まあちょっと色々あって予定を繰り上げたんですよ」
「へぇ~。なにかアクシデントでも?」
途端に下を向いてしまう戸田山。
「!あ、俺なんか悪いこと言っちゃいましたか?」
「いや気にしないでく」
「俺が!俺がディスクアニマルを際限なく使っちゃったから!それで探索が続けられなくなっちゃったんです!」
いきなり叫んだのは戸田山だった。
罪悪感を隠し切れない奴なんだなぁこいつは。
「え?そうなの○○さん??じゃあ探索しきれてないのあのポイント??」
「いや、探索は終わったよ」
「はぁ?」
しかしもっと驚いてしまったのは戸田山だった。
「えぇえぇぇぇえ~~!!終わってないのに仕方なく帰って来ちゃったんじゃなかったんですかぁ~~~???」
「自分は『探索は終わりだ、帰るぞ』とちゃんと言ったぞ?」
「だって、だって!!移動したポイントでディスクアニマル展開するように言ったじゃないですか俺に!それでバッテリー切れしてて、それでそれで&%で$&*#!!!」
「○○さぁん・・・どうなってるんですかぁ新人君てんぱってますよぉ?」
「こいつがバンバンディスク展開してくれたお陰で、探索はかどってね。予定より早く終わったんだけど、余裕あればまあ探索してみようか、ってポイントに念のため行っただけだよ」
「師匠!そうだったんっすか!!なんで俺にそう言ってくれなかったんですか~~~!!」
「だからちゃんと『終わった』って言ったじゃないか」
「そんな、そんな!俺自分のせいだと思ってものすごく気になって!!申し訳なくてしょうがなかったのに!!」
「探索が終わらなかったために魔化魍の被害が出たら大変なんだぞ、そんなことさせるわけないだろう?」
「○○さん・・・相変わらずですねえ・・・」
ヒビキさんがくすり、と笑った。
「まあ早く帰ってきたのはお前のせいといえばお前のせいだから、ちょっと考えて欲しいところではあったんだがな?」
「それってまさかディスク展開しまくって頑張った、ってこと?」とちゃちゃを入れるヒビキさん。
「それもあるがな。それ以上は戸田山がよーく考えることだな」
「なんっすかそれ、なんっすか??わかんないっすよ~!もうっ!!」
ガンッゴンッガンッ!!
半泣きの戸田山、いきなり頭を机にぶつけはじめた。
「ああっなにするんだ!!」
大急ぎで駆け寄って戸田山を取り押さえる自分、そしてヒビキさん。
「そ、そんなことしたら頭が悪くなるじゃないか!落ち着け戸田山!!」
「ふええええ、ふええ」

・・・まさかこんなにてんぱり体質だったとは、戸田山。
ちょっとからかいすぎてしまったか。
ふと下を見ると、手帳が落ちている。
何気なく拾い上げるとそこには
”ディスクアニマルの数÷探索日数=その日に使うおよその数”
”↑ご利用は計画的に!”

ははは、ちゃんとわかってるじゃないか戸田山。
ついにやついてしまう自分。
「・・・戸田山、悪かったな?ちゃんと言えばよかったよ。すまんなぁ?」
「うええ、うええ、師匠・・・ひどいっすよぅ~~!!」
「そうそう、お前の師匠はそりゃあひどーい奴なんだぞ、運が悪かったな新人君。
俺だって今まで散々ひどい目に遭わされてきたんだからまああきらめるんだなっ」
「!ヒビキさん、自分はそんなことしてませんよっ!」
言いかけた横から
「師匠はそんなひどい人じゃないっす!!立派な人っすよ!!」
いきなり自分をかばいはじめた戸田山の姿に、ヒビキさん大笑い。
「ははははは、そんなに師匠が好きなのか、よかったなあ○○さんいい弟子出来て!」

それにしても一体こいつはなんだって自分のことをこんなに信用してるんだろう。
ずしっと胸が重くなるのを感じた。
あまり自分を頭から信用してくれるな、戸田山。
お前は鬼になるための修行さえちゃんとしてくれればいいんだ。
そうだ、自分のことなんて・・・それこそ利用するくらいでも構わないんだ。

-----この時の自分は気がついてなかった。
自分が期待に応えられないことを恐怖してるということに。
そして、その感情が後にどう変化させられてゆくかということなど欠片も思い及ばぬことだったのだ-------

------------------------------------------------------------
「さて、可哀想な新人君をこのままにするような○○さんじゃないですよね~♪」
たきつけるヒビキさん。
「わかってますよ・・戸田山、今日は自分がおごってやる。なにかうまいものでも食べに行こう」
「やったーそうこなくっちゃ!!」
「・・・ヒビキさんには関係ありませんよ」
「えぇーそんなぁ○○さん!俺だってこんなに心配してあげたのに!」
「(ため息)分かりましたよ、一緒に行きましょう。その代わり勘定は折半でお願いしますよ、同じ鬼の先輩としてね」
「ええっきっついなぁ、でもりょうーかい!」
(まったく自分が一緒に食べにいける相手探してただけだなヒビキさんは。来て驚くなよ・・・)

「ねえ、あいつなんなの?本気なわけあれ??」
その夜の食事。ヒビキさん、顔色悪いぞ。
「そうだなぁ、まぁちょっとは遠慮してるかなあの様子だと・・・」
「えええぇ~!!それであれなの?」
「まあね。だから野営のときも食料すぐなくなっちゃってさ。それで探索早めに打ち切らざるを得なかったんですよ本当のこと言えば」
「○○さぁ~ん・・・折半じゃなくて7:3でどう?ほらっ師匠なんだしっ」
「ついてきたがったのはヒビキさんですよ(ニヤ)」
「あああ~そうだったぁ!やっぱり○○さんにはひどい目に遭わせられるんだぁ!!」
「うそですよ、可哀想だから6:4で許してあげますよ。」
「ええーそれでもそんなに!」
「なに?半々がいいんですか?」
「いえっそんなことありませんです師匠!6:4で了解です」
「師匠はやめて下さいよ気持ち悪い・・・」
「あ♪ひょっとして戸田山くんにしかそう呼ばせたくないとか?も~実は○○さんもまんざらじゃないんですね~♪」
「・・・殴られたいんですか?」

そんな会話をよそに、いつものペースで山ほど食べ続ける戸田山の姿がそこにはあった。
「もふもふ。あっおかわりもう一杯いいっすかねえ?」

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なんかゲームというより小話みたいになってきたぞ。
まあ妄想だからなんでもありっすよね?

<妄想>轟鬼くん育成ゲーム・その1?

2005-10-18 20:06:57 | <妄想>轟鬼くん育成
山村 幸さんブログで人気絶好調中”【響鬼】育成ゲーム(妄想です)”!
わ~いやるやる~もう初回限定版ですよ、写真集ですよ!!

注)念押ししておきますが、これはすべて妄想ですから!
妄想のゲームを妄想でプレイしてるんですから!!
お間違いなきよう・・・


・鬼の師匠となって、弟子を(自分好みに)育てよう!
なんと師匠ですよ自分。こ、好みに育てていいんすか~うきうき。
さあレッツプレイ!

・お好きな弟子を選んで、レッツ鬼の修行!
当然弟子はト、ト、トドロキくんっすよね!
ああ指先が震えるぜぃ、いけっ私!!
ぽちっとな。

以下、ゲーム中の「自分(師匠)」心理中心で行きます。
プレイヤーとしての「私」心理は黄色文字で。
師匠としてのコンセプトは
「妙に自分を慕う弟子に対し多少の面倒くささを感じつつも次第に心を開いてゆく」
ですよ。
さあトドロキくん、その可愛さで師匠の心を無事溶かしてみたまえ~!
(なにかゲームの目的がすりかわってませんかどうですか)

<イントロ・どこかの山奥>
警察官・戸田山登巳蔵くんはとある事件を追っているうちになぜか魔化魍に遭遇。
「うわあぁあ~!!」
危うし戸田山!
キラーン!!
「音撃斬!」戸田山の目の前でみごと魔化魍を退治する自分。

振り向けばそこには尊敬のまなざし全開の戸田山。
「す、すごいっす・・・あなたは一体??」
ごまかしようない事態で話をせざるを得ない自分。
(ううん!いいの!!これでトドロキくんを弟子に出来るんなら!!)
「師匠!!俺を弟子に、鬼の弟子にして下さいっす!!」
な、なんて熱っぽい瞳で自分を見てるんだ、こいつは・・・
(よっしゃあ掴みはおっけぃ~。
日ごろから烈雷を可愛がってる(←?)成果は上々だぜぃ。)



<修行開始>
「師匠、よろしくお願いしますっす!!」
なんと警察を即効辞めてたちばなに現れた戸田山。
「へぇ~○○さん(ゲーム中の自分の名)に助けられて鬼になる決心を!○○さん、責任重大ですね~」
日菜佳さん軽く言わないで下さいよ。自分だってまさかこんなにすぐやってくるとは・・・
「○○さんも弟子をとる潮時、ってことですよ。自分で拾ってきたんだからちゃんと面倒みて下さいよね。」
か、香須実さん。別に拾ってきたつもりはないですよこんな大きな犬。

犬・・・犬・・・ああそうか、こいつの目は昔飼ってたトミーを思い出させるんだ。
期待に満ちわくわくと自分を見つめる目。
・・・やめてくれ。自分はそんな期待に応えられるような人間じゃないんだ・・・
訪れる一瞬の心の闇を振り払う自分。いけない。過去に囚われては。

とはいえ、自分は弟子をとるのは初めてなわけで。
さてこれからどうしたものか。

・困った時は、「たちばな」にいる香須美さんや日菜佳ちゃん、みどりさんに相談しよう。
おお、そんな説明があったな。

香須実さんから鬼修行メニューの説明を受け、日菜佳ちゃんからはデータ管理方法を教わった。
みどりさんからはアイテムの説明を。
「他に、鬼修行の熟練度によっては特殊アイテムが出現することもあるのよ、頑張ってね?」
は~いわかりました~。
みどりさんのしゃべりはいつ聞いても心なごむなぁ。

さあ修行だ。
■修行メニュー[体力増強・体術会得]
戸田山は元警察官だけあって基礎体力あり。体術もかなり会得している。
これは仕込みがいあるか?
「なかなかいいぞ、戸田山」
「えっほんとっすか?(満面の笑顔で)うれしいっす!!俺がんばるっす!!」
・・・こんなに嬉々とされてもなぁ。これから先こんなでいられるのかこいつ?
(あ~も~トドロキくんのその笑顔が見られるだけでしあわせよぅっ)

■修行メニュー[探索地点への移動と野営]
ミニゲーム’目的探索地へのドライブ’
上手にナビゲーションしながら弟子に運転させよう!
短時間で到着するほど弟子の運転技術と師匠への信頼度UP。
(ゲームの簡単化のため、失敗しても減点はさほどなし)

「戸田山、お前なら野営地点をどこにする?」
「はいっ。・・・まずテントが張れるくらいの広さがあって、水場が近くにあって、それからええっと・・・」
戸田山は言いながら河原を選んだ。
「ここはどうっすか?」
「ふうむそこか。ところで、天気はどうかな?」
「え?ええ??」
「山の天候は変わりやすい。上流で急な大雨になることだってあるよなぁ。」
「大雨・・・大雨・・・あっ!ここじゃだめっすね!!」
お、戸田山思ったより利口か?
「雨よけになるよう、大きな木のある森の中のほうがいいっすよね!なるほど~さすが師匠っすね♪」
がくっ。
あのな、河原じゃ急な増水があったら流される危険があるだろうがっ。
昔それで大事故あったこと知らんのか、警察官だったくせに。
ああ、こんなボーイスカウトみたいなことから教えにゃならんのか、ううむ・・・
(仔犬ちゃんはやっぱり手がかかりますねーう~んラブリィ♪)

■修行メニュー[ディスクアニマルの起動と取り扱い]
ディスクアニマルを実際に起動し、使ってみる。
使用後のメンテナンスも忘れずに。

「うわぁ、いっぱいあるんっすねぇ~」
「ああ、探索が広範囲だったり、何日にもわたるときもあるからな」
「これ1つ1つ区別つくんっすか?」
「識別番号によって区別はされている。が、まあ使うときはあまり考えないがな」
ディスクアニマルを戸田山に起動させてみる。
起動はそれなりに上手くゆくようだが、戻ってきたディスクを聞き取るのはさすがに難しいらしい。
「ええと、これは・・・あ、アタリっすか?」
「いや、それは単なるノイズだ」
「・・・そうっすか・・・」
「気にするな。これは結構コツがいるんだ。徐々に分かるようになればいいからな」
その夜。
ふと目が覚めた自分は妙な声を聞いた。
「これが12番くん、これが14番くん・・・」
戸田山?なにやってんだあいつ??
「今日はみんなご苦労っす~。今きれいにしてあげるっすからねっ」
げ。なんだか必死こいてディスク磨いてるぞ。
勿論メンテナンスは必要だが、なんでこんな時間に??

朝。戸田山に昨晩のことを尋ねる。
「ええぇえ~~~!!し、師匠見てたんっすか?」
なんだよその驚きっぷりは。まったくオーバーなやっちゃな。
「ああ。・・・どういうことか、話してくれるか?」
「・・・いえ、別に大したことじゃないんっす・・・」
しばし沈黙が流れる。耐えかねたように口を開く戸田山。
「いや、そのぉ・・・俺、ディスクの扱いどうも上手くいかなくて。なんとか出来るようになりたいって思ったらなんか眠れなくなっちゃったんっす。それで・・・せめてディスクの区別がつけば、と思って眺めてたらなんとなく・・・きれいにすれば心も通じるかな、なんて・・・」
戸田山。ディスクアニマルに心はないぞ。
だがそんなに早く扱えるようになりたかったのか?
「俺、体使うことは得意なんっすけど、なんというか細かさにかけるっていうか・・・もう何日もやってるのに、ちっともわからなくて師匠に申し訳なくて・・・」
な、なに泣きそうな声出してるんだ、お前は。
「・・・あのな戸田山。人に対して申し訳ないかどうかって問題じゃないんだぞ。そのうち出来るようになるための経験を今は積んでいるんだから、そう焦ることでももないんだ。大体、お前の師匠である自分がそれでいいと言ってるのに、なんでそんなに心配になる必要があるんだ、ああ?それとも何かお前は師匠を信じてないのか?」
「えっ!!そ、そんなぁ・・・!!そんなことないっす、絶対ないっす!」
泣きそうな表情から一変、真剣なまなざしでものすごい勢いで否定する戸田山。
「俺、大丈夫っす!毎日ちゃんとディスク操作して、毎日聞いて・・・絶対覚えるっす!!」
「そうだな。大丈夫だ、きっと出来るようになるからな。信じてるぞ。」
「!!し、師匠・・・俺・・・出来るっすよねきっと・・・!!」
その言葉に力ずく頷いてやる。
なにかを吹っ切ったような晴れ晴れとした顔になった戸田山は、ちょっと照れくさそうに
「俺・・・早速ディスク展開してくるっす!!」と言うなり駆け出して行った。

すまん戸田山。自分はお前の、自分に対する尊敬や憧れを利用してるかもしれない。
しかし、覚えねばならないことは山ほどある。師匠としてはそれをどう教えてゆくかの方が今は大切なんだ。許せよ、戸田山・・・。
(うひゃあトドロキくんが私の言葉の1つひとつに一喜一憂しちゃうなんて、もうどうしましょう本当に~くらくら・・・)

■修行メニュー[地図読み取りと探索計画]
魔化魍探索には地図読みおよびディスク捜索箇所の限定と確認、チェックは基本中の基本だ。
まずは師匠として手本を見せねばならない。
ミニゲーム’ディスクアニマルを駆使して魔化魍を探索せよ!’
別に失敗してもそれほどマイナスにはならないが、高得点を出せば弟子からの尊敬度UP!
弟子に教えながらの探索モードもあり、これにより弟子の地図読み取り技術がUP。

「と、戸田山・・・なんだってお前こんなに沢山ディスク起動してるんだ??」
「え?捜索が広範囲だから必要だと思って・・・」
「・・・そうか・・・(ちょっと放置してみるか、ニヤ)」
次の日。
「昨日の分ではアタリはなかったっす」
「よし。では少し移動して今日の捜索をするぞ」
移動後。さ~てと、お楽しみの始まりだ。
「それでは、今日の分のディスクアニマルを準備してみろ」
「はい!・・・・え?あれ??俺昨日全部使っちゃったからみんなバッテリー切れっす!どどどどうしよう!!」
「そうか、みんなバッテリー切れか」
「し、師匠!俺・・・俺・・・すみませんっす!!すみませんっす!!」
おたおた謝りまくる戸田山。黙ってる自分。
これでいい。これでこいつも探索予定日数とディスク使いの配分とを考えることが出来るようになるなら、安いものだ。
(ああ~自分のしたことを悔いて謝りまくるダメダメトドロキくん!萌えもえ~)

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ひええまだ修行の途中までだというのにこんなに妄想してしまった。
本題の(え?)「好きな人とデート」や「弟子の起こすいろんなイベント」まで全然辿り着かなかったぞ。
大変妄想が止まらなかったとはいえ、これはないだろっ私。
これ・・・まさか・・続く、・・・んだろうか・・・??