「何敗目だ?」
「五敗」
「かぁ~、懲りないねお前も」
「装備は揃えたんだ、捕獲用の道具も作ったし」
「腕だよ、腕」
訓練所のオヤジは、右腕に大きな力こぶを作って自慢している。
「訓練を疎かにするからだ」
「俺だってしたさ」
「訓練で勝てない奴が、実戦で勝てるわけないだろうが」
「俺は実戦派なんだよ」
一気に煽ったジョッキを、テーブルに叩きつけた。
分厚い木のテーブルが、ギシギシと軋んだ音をたてる。
「なーにが実戦派だ、下手くそなんだよ、お前は」
ジョッキをテーブルに置くと、素早く右のストレートを打ってきた。
とっさに顔を庇ったが、大きな衝撃と共に左肩が弾かれた。
「ガードも避けもなっちゃいない。
大きな敵からの攻撃は、どこにだろうが当たっただけでダメージがデカイ」
テーブルを越えて前のめりになった身体を起こし、椅子の背に無造作にもたれ掛かる。
「逃げろ、避けろ。相手の行動パターンを読んで隙をつけ」
「解ってるよ」
「ババコンガも倒せないようじゃ、イャンクックも火竜も夢のまた夢よ」
「火竜?」
「ああ、ギルドに新しい仕事が入ってた。
なんでも珍しく火竜が近くで暴れているそうだ。
サイズは小さいらしいが、今のお前じゃ到底無理だ」
俺は立ち上がり外へ急いだ。
「どうした?」
「訓練だよ、火竜がいるうちに強くならなきゃ」
オヤジは左の眉を大きく上げた後、ニヤリと笑った。
「いいねぇ~っ!」
「五敗」
「かぁ~、懲りないねお前も」
「装備は揃えたんだ、捕獲用の道具も作ったし」
「腕だよ、腕」
訓練所のオヤジは、右腕に大きな力こぶを作って自慢している。
「訓練を疎かにするからだ」
「俺だってしたさ」
「訓練で勝てない奴が、実戦で勝てるわけないだろうが」
「俺は実戦派なんだよ」
一気に煽ったジョッキを、テーブルに叩きつけた。
分厚い木のテーブルが、ギシギシと軋んだ音をたてる。
「なーにが実戦派だ、下手くそなんだよ、お前は」
ジョッキをテーブルに置くと、素早く右のストレートを打ってきた。
とっさに顔を庇ったが、大きな衝撃と共に左肩が弾かれた。
「ガードも避けもなっちゃいない。
大きな敵からの攻撃は、どこにだろうが当たっただけでダメージがデカイ」
テーブルを越えて前のめりになった身体を起こし、椅子の背に無造作にもたれ掛かる。
「逃げろ、避けろ。相手の行動パターンを読んで隙をつけ」
「解ってるよ」
「ババコンガも倒せないようじゃ、イャンクックも火竜も夢のまた夢よ」
「火竜?」
「ああ、ギルドに新しい仕事が入ってた。
なんでも珍しく火竜が近くで暴れているそうだ。
サイズは小さいらしいが、今のお前じゃ到底無理だ」
俺は立ち上がり外へ急いだ。
「どうした?」
「訓練だよ、火竜がいるうちに強くならなきゃ」
オヤジは左の眉を大きく上げた後、ニヤリと笑った。
「いいねぇ~っ!」