照明散歩

照明デザインのワークログ

舞台の灯り

2010-12-20 17:23:50 | “あかり”の四方山話
私のバックグランドは舞台照明だが、
このところ殆ど舞台の照明に携わっていない。

舞台で灯りを学んだ私は
時々舞台照明に触れていないと
自分の灯りに対する感覚が麻痺してくる。

建築の照明は施工に対しては神経質だが
灯りの現象については割合と大雑把に感じる。
一度取りつけてしまうと変更すると大騒ぎなので
器具自体も網羅性の高い器具が多い。
計算通りの現象が出なかったとしてもまあそれなりに見える。

舞台照明の場合は設置の位置と明るさは
割合と設置や調整に自由度があるので
現象を細かく調整することができるだけに
短時間で調整するには灯り屋の力量が試される。

現場での舞台照明の仕事は試験調整がすべてだが
建築照明では設置してしまうと試験調整は殆どしない。
私の場合、建築でも試験調整に時間をかけるほうだが
舞台照明のような自由度がないだけにストレスを感じる時もままある。
建築照明では照明設計段階のすり合わせで結構決まってしまう。

月に1度程度
舞台の仕事を時々やるようにして
その現象の記憶を呼び戻すことと
お客さんの生の反応を見ることで
灯りの計算が予定通りかを確認している。


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