照明散歩

照明デザインのワークログ

CLUB PIXY

2007-05-17 20:59:31 | “あかり”は引渡された
中学生の時担任が、これからは中国語がしゃべれないと生きていけない、と声を大にして言っていた。その口車に乗って、「中国語クラブ」なるクラブで中国語会話を学んでみた。その時は中国語が話せないとおいてきぼりになると本気で思っていて、人の迷惑省みず、脅迫されているかのように必死になって大きな声で発声していた。あれから30年、中国や台湾の取引先は多いが、ほとんどの人が英語を使っているので、なかなか使うことはない。挨拶をマンダリンでするだけで喜んでもらえるのでそれだけでも収穫があったと自分を慰めている。

さてお話しかわって、錦糸町に大人のクラブを創るプロジェクトに参加した。東京の錦糸町は昔から場外馬券場もあり、下町の歓楽街だ。この頃は垢ぬけたお店も次々とオープンしているが、つい最近までは人情味あふれる店舗が軒を連ねていたエリアだ。当然大人のクラブもたくさんあり激戦地のひとつに数えられる。

灯り屋としては反射率が低い内装にカラーライトをスペックするのに抵抗があったが、従来よりも照度が強いカラーライトを用いてなんとかバランスをとってみた。私たちは通常白っぽい素材にカラーライトを反射させて色を構築していくが、黒の素材にカラーライトを当てると色彩の見え方が予想外の結果になることがしばしばある。今回は全てPC上で色彩を調整できるので、現場で補正をかけることができたが、大変いい勉強をさせてもらった。

今回のこの物件は灯りのプランから内装デザインを積み上げていったあまりない例だ。通常は灯りのプランはどうしても最後になってしまい、私たちが図面をいただく時にはその内装を生かす方向でプランする。照明器具を設置できる場所も限られてくる。それはそれで灯りは裏方であるのでそういう限られた条件の中でいいものを創るのが私たちの仕事だと思っているので、このように灯りをフューチャリングされると気恥ずかしくなる。

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