GreeneryPark日記

-おとなし おっと@管理人の日々のつれづれ-

観劇『砦』

2018-03-28 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『砦』(トム・プロジェクトプロデュース公演)を観た。

〇あらすじ
1953年、九州を襲った集中豪雨により筑後平野で大洪水が起きた。
九州地方建設局は今後の対策のために筑後川上流に治水ダムを計画したが、
計画段階で地元住民の了解が得られないまま強行に実行しようとした。
地元住民はダム反対のため、地主である学のある室原氏(村井國夫)を中心とし、
ダム建設予定地に大きな砦を築き、「蜂の巣城」と名付けて立てこもった。
長きにわたる反対運動をすることになる室原氏とその妻(藤田弓子)の物語。

〇感想
何年か前にドキュメンタリー番組で、
この蜂の巣城と室原氏の演説を観たことがあった。
たぶん廃坑やダム建設などのデモの歴史をまとめたものだったのだろうと思う。
観ようと思っていた番組というわけではなく、
たまたまチャンネルを変える時に観たのだけれど、
その砦が斜面を覆いつくす見事な構造物で、
チャンネルを変える手が思わず止まったのだった。
室原氏の演説も小気味良いものだったように思う。
その後、番組の話題が変わってしまったため、
その砦の場所やその後のことがさっぱりわからないまま忘れていたのだけど、
劇を観ていて「あれはここだったんだ!」と突然思い出して声を上げそうになった。

観劇『三婆』

2018-01-18 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『三婆』(文化座公演)を観た。

〇あらすじ
戦後の東京。
会社の社長である夫を亡くした本妻(佐々木愛)と妾(阿部敦子)と社長妹(有賀ひろみ)。
後継者のない会社に債権者が押し寄せて、社長名義の妹宅は担保として取られ、
元々貸家だった妾宅は1か月後に契約切れとなった。
行き場を亡くした社長妹と妾は本妻宅に上がりこんで住み着いてしまった。

〇感想
文化座のこのお三方の出てくる劇、いつも地味だけど楽しい気がする。
お妾さんはすぐに出るといいつつ居座るし、社長妹は堅苦しいわりに手癖が悪いし、
本妻さんが振り回されてちょっと気の毒になった。
喧嘩しつつも楽しそうではあるけど、最後、老人ホーム状態で大丈夫なのかなと思った。

観劇『青空の休暇』

2017-11-08 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『青空の休暇』(イッツフォーリーズ公演)を観た。

〇あらすじ
第二次大戦時、真珠湾攻撃に出撃したパイロット達。
戦争を共に生き抜き、今でも時折連絡を取り合っていた3人は、
50年ぶりに一緒にハワイを訪れることになった。
そこで、現地の日系人が戦時中に不時着した攻撃機を隠していたことを知る。
もう一度空を飛びたいと3人は動き出す。

〇感想
時代設定は戦後50年とのことなので1995年位かな?
仕事を引退して家には居場所のない老人たちが、
だんだん元気になっていった。
実際に演じているのはもっと若い人たちなんだろうけど、
遠目からだと本当に70歳位の老人のように見えた。
ガイドさんが白人系の方だったのもよかった。
日本人が白人の役をやっていたら不自然になるだろうから。
(劇だとよくある。遠目からでも違和感バリバリになる。
顔の彫りの深さ、頭身、足の長さ、肩幅と頭の大きさ等)

観劇『吾輩はウツである』

2017-09-20 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『吾輩はウツである』(劇団朋友公演)を観た。

〇あらすじ
帝大に講師として赴任した夏目金之助(芦田昌太郎)。
前任の小泉八雲の辞任に不満を募らせていた学生たちは反抗的で敵意をむき出しにしてくる。
不満と苛立ちを抱えた金之助の家へ、一匹の野良猫(黒猫)がやって来た。
なんとその黒猫が言葉を話し出す。
だが、その言葉は妻や周りの人たちには聞こえないのだった。

〇感想
夏目漱石として小説を書き始める頃の話。
猫を人間が演じているので、心の中で「あれは猫、あれは猫」と言い聞かせていた。
猫に焼きもちを焼く奥さんがちょっとかわいかった。
観劇後、友人のレイさんが「漱石の神経症って治ったっけ?」と言った。
一時小康状態って所じゃないかと。


観劇『みすてられた島』

2017-07-09 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『みすてられた島』(青年劇場公演)を観た。

〇あらすじ
20XX年、大陸との戦争に敗れた日本と同盟国。
ある島は申請を忘れたとのことで、急に本土からの独立を言い渡される。
人口8千人の小さな島で一体何ができるのか。
本土から来た人々はどうするのか、本土へ勉強や仕事へ行く人はどうなるのか。
島長のもとに議員や漁協の人々が集まり、新しい憲法の作成を始める。

〇感想
第二次大戦後、伊豆大島で起きた独立騒動を基に、舞台を未来にした作品。
初め未来ということを知らなかったため、
登場人物たちが携帯電話を取り出した時に頭の中が「???」となった。

皆頑張ってるけど、観光と農業と漁業だけで正直大丈夫かなあと思った。
小規模なIT企業の人が入ってきているみたいなので、
そういう場所を問わない系統の企業誘致がもっとできないと厳しそう。

後、漁協の人が不倫をしていた件は、
既婚者であることを隠していた男性の方が断然悪いと思う。
身内可愛さに被害者とも言える女性(既婚者と分かり身を引いた)を責めるのはお門違いだ。
島長の奥さん、そこはびしっと男性を叱って態度を改めてほしかった。

観劇『からまる法則』

2017-05-18 | 演劇鑑賞
『からまる法則』(劇団朋友公演)を観た。

〇あらすじ
元教師の男性は自宅をホームレス支援のために開放していた。
一部のホームレスの住居や炊き出しの中心となっている。
同僚の女教師に頼まれてのことだが、自分の役割を楽しんでいた。
だが、自分の入退院や近隣住民との摩擦などにより、
ホームレスの支援活動をやめたいと思うようになっていた。

〇感想
代表が大学生のボランティアって、その団体まず過ぎるだろう。
熱意があるのは確かだけど、ホームレス以外の他人の迷惑や不安を全く受け入れない子だった。
この子は弁護士を目指していて、将来、熱血弁護士にはなりそうではある。
依頼人以上に燃え上がって空回りしそうだけど。
他に元教師の娘である弁護士(企業専門としては有能、父親とは不仲)と
団体の弁護士(ボランティア、娘の元恋人)とが出てくるのだけど、
正直、どの人にも仕事を頼みたくないと思ってしまった。

観劇『七人の墓友』

2017-03-10 | 演劇鑑賞
『七人の墓友』(劇団俳優座公演)を観た。

〇あらすじ
主婦の邦子はひとりよがりな夫・義男への不満を爆発させて、
「同じお墓に入りたくない」と口走った。
知り合いに誘われてファミレスである老人たちと出会う。
その仲間は墓友。
家族を持たない、あるいは、家族から逃れて、
同じお墓に入りたいと願う老人たちの集まりだった。

〇感想
邦子さんの娘、ライターにしては異様に頭が固くて墓友の存在を真っ向から否定、
その割には妻子ある編集長と不倫していて自分には甘々なので終始イライラした。

観劇『桜色 オカンの嫁入り』

2017-01-26 | 演劇鑑賞
『桜色 オカンの嫁入り』(シーエイティプロデュース公演)を観た。

〇あらすじ
大阪の下町に住む母娘。
娘はある事件により外出恐怖症となっていた。
ある夜中、酔っぱらった母親(熊谷真美)が若い男(佐藤アツヒロ)を連れて帰ってきた。
2人は結婚すると宣言する。

〇感想
かなり名前を知っている俳優さんたちが多くて、楽しみにしていた舞台。
犬役兼ナレーション役の溝口くんが背の高い青年になったとは。
あの子、犬種は何だろう?
ポスターイラストだとコリーと日本犬のミックスっぽかったけど、
劇中だとプードルかブービエ・デ・フランダースみたいなふわふわした髪だった。
オッターハウンドなんかもふわふわ長毛の大型犬でいいかもしれない。
連れてきた若い男に対する娘の反応は、まあ、突然連れてこられたら、誰であろうとも嫌だよね。
母親は自分がしっかりしているうちに娘に立ち直って欲しかったんだろうなあ。
最後はホロリとさせられたお芝居だった。


若い男   :佐藤アツヒロ
オカン   :熊谷真美
オカンの娘 :荘田由紀
ペットの犬 :溝口琢矢
男の故祖父 :島田順司
母娘の大家 :庄司花江

観劇『松井須磨子』

2016-11-27 | 演劇鑑賞
○あらすじ
劇団エイコーン公演『松井須磨子』を観た。
栗原小巻さんの一人芝居。
松井須磨子が女優になって、演出家である島村抱月と出会い、
抱月の死後に命を絶つまでの心情を独白していく。

○感想
20代に見えるスタイルと動作と歌声を維持しているのがすごいなあと思って観ていた。
一幕ものということもあり、あっという間に終わった感じがした。
松井須磨子の一生をwebで検索して見ていたので、
ここはあの辺りの話なのかなと考えていたのだが、途中からよくわからなくなった。
場面がよく飛ぶし、1人芝居だと状況説明が難しいんだろうな。
(満腹状態で観たため睡魔との戦いになったせいもある。)
でも、自殺するまでの心の葛藤として、
走馬灯のように人生をとりとめもなく思い出しているという演出としては有りなのかもしれない。
論理的に考える人が恋人(既婚者)の後を追って自殺するとは思えないから。


観劇『八百屋のお告げ』

2016-09-17 | 演劇鑑賞
『八百屋のお告げ』(グループる・ばる公演)を観た。

○あらすじ
多佳子(松金よね子)は子供たちの独立後に熟年離婚し、実家で一人暮らしていた。
ある日、親友の真知子(田岡美也子)や邦江(岡本麗)が用事があって訪れると、
多佳子の様子がおかしい。
事情を聴きだすと、予言が当たると噂の近所の八百屋に、
「今夜の夜中の12時までにあなたは死にます」と言われたという。
そんなことがあるわけないと、親友たちは多佳子の気分を盛り上げつつ、
たまたまやってきた男性陣も巻き込んで、鍋パーティーがはじまった。
皆は夜の12時を一緒に迎えようとするのだった。


○感想
面白かった。
気の持ちようで活力が盛り返すんだなというのをまざまざと観た気がした。
加わる男性陣、元からの知り合いではなくて、
たまたま家に来たセールスの人、宅配業者、初恋の君の息子(この人のみ呼び出した)、
という初対面のメンバー。
その積極性はすごいなと。
自分ならちょっと怖くてできない。
ちなみに、八百屋さんは予言した後、海外旅行へ行ったらしく全く出てこなかった。