GreeneryPark日記

-おとなし おっと@管理人の日々のつれづれ-

観劇『真夜中の太陽』

2016-01-25 | 演劇鑑賞
劇団民藝公演の『真夜中の太陽』を観た。

○あらすじ
戦時中、教室の中、若い女学生たちに交じって一人のお婆さんハツエ(日色ともゑ)がいる。
軍国主義の教育に疑問を感じて怒られたり、
学徒動員のために教室でミシンを踏んだり。
教師の厳しい監視の中、ハツエと女学生たちは歌を作る。
歌詞は英語教師(軍に連れていかれた)が以前教えてくれた詩を翻訳したもの。
その歌が「真夜中の太陽」。
実はハツエは、この後、空襲で1人生き残ってしまい、
今は過去を追体験してる状態。
皆が防空壕へと避難していく中、「入っちゃ駄目!」と必死に叫ぶ。


○感想
80代のハツエさんが繰り返し見る夢……なのかな。
「一人だけ生き残ってごめんなさい」とハツエさんが泣くと、
「何故謝るの?」「結婚したの?」と色々聞いてくる友達。
生き残ったことに罪悪感を持っていたハツエさんを癒していく友達や、
初恋だったのであろう英語教師がせつなくも優しい。

曲が谷山浩子さんの「真夜中の太陽」なので、
合唱すると綺麗だけど、戦時中の曲にしては新しすぎないかとちょっと気になった。

観劇『王女メディア』

2015-11-11 | 演劇鑑賞
『王女メディア』(幹の会+リリック公演)を観た。


○あらすじ
かつて、コルキスの王女メディアは、
夫イアソンのために魔法を使い人(自分の弟やイアソンのおじ)を殺した。
結果、メディアは民に恐れられてしまい、2人は国にはいられなくなってしまった。

コリントスへ流れてきたイアソンは、コリントスの王の娘と結婚することになった。
コリントス王の命により、メディアとその子供たちは国外追放されることに。
イアソンは「自分が家族を養おうと努力しての結婚なるのに、
お前が恨み言をいうばかりで王女を脅かすからこうなるのだ」と言う。
怒り狂ったメディアは一旦おとなしくなったようにみせかけて、
毒をしこんだ着物と冠をコリントスの王女に贈るのだった。


○感想
王女メディアが平幹二郎。
結構体のしっかりした男の人が女の役をやったら、周りから浮くのではと思っていたが、
劇に出てくる女性陣全員、男の人だった。(男役も当然男。)
衣装は女形みたいで、声は男そのままって感じだった。
最初は「え?」と思ったが、次第に気にならなくなった。
むしろ、周りの女性役たちに比べたら、
メディアは色っぽい美人なんじゃないかと思えてくる不思議。

メディアはかなり過激で手段を択ばない怖い人だけど、
最後、こんなひどいことになったのは、
今まで尽くしてきてくれた妻や子供たちを、
ひどい捨て方で捨てようとした夫が悪いと思った。
かつての所業のせいで故郷には戻れないのに、身一つでどこに追い出すんだよ。
イアソンには浮気する甲斐性なんて本来なかったんだ。

少し前に観ていた『Fate/stay night』(過去から英霊を召還して戦うアニメ)の
魔術師メディアはこの人だったのかと、
家に帰ってきてから気が付いて、アニメでの言動にやっと得心がいった。

観劇『芝浜の皮財布』

2015-09-17 | 演劇鑑賞
演劇鑑賞会で『芝浜の皮財布』(前進座公演)を観た。

○あらすじ
魚屋の熊五郎は酒が大好きで貧乏暮らし。
親戚のおじさんにお金を借りに行くことが数回あり、
とうとう昨晩、女房のお春に誓いの証文を書かされていた。
「今後酒は飲まない。夫婦で真面目に働く。朝早く起きる。」
早朝、熊五郎は浜へ魚の仕入れに出かけた。
だが、お春が間違えて一時早く起こしたため、辺りには誰もいない。
ぼーっと歩いていた熊五郎の足に財布のひもが引っ掛かった。
中にはたくさんの小判が入っていた。
海からの贈り物とばかりにお宝を持って家に帰る熊五郎。
昨晩の誓いのことなど忘れて、飲み仲間を集めて宴会を始めた。
次の朝、熊五郎が起きると、お春は宴会に使ったお金はどうするのかと問う。
お宝があるだろうと言うと、何を言っているのかと不思議な顔のお春。
お春によると、誓いの証文を書く→朝、起きる→飲み仲間を集めて宴会→酔って寝る→友達帰る→夕方起きる(今ここ)。
財布を拾ったのは夢だったのに本当だと思い込んで宴会をしてしまったのかと、
自分の情けなさに落ち込む熊五郎。
誓いの証文通り真面目に働くと誓うのだった。

○感想
最初に「歌舞伎ことはじめ」という歌舞伎の幕や音や見得の説明があった。
しゃべりがわかりやすくて面白かった。

『芝浜の皮財布』を観てしばらくして、「あ、私この話聞いたことがある」と思い出した。
確か飛行機の中で落語の放送(イヤホンで聞く)があって、
それまで古典落語を聞いたことがなかったのに、
話に引き込まれて夢中になって聞いた記憶がある。
いくつか聞いたのだけど、最後に聞いた『千早振る』しか思い出せなくて、
他は何だったかなと思っていた。

劇も面白かった。
上の落語を思い出すまで、財布の落とし主は、
宴会に呼ばれた浪人(泣き上戸)とかいう落ちかと思っていた。
浪人は主人の財布を落として、首になったのかなとか。
荒療治だけど、熊五郎とお春の二人にとってはいい方向に転がって良かったなあ。

観劇『朗読劇 月光の夏』

2015-07-19 | 演劇鑑賞
演劇鑑賞会で劇団東演の『朗読劇 月光の夏』を観た。

○あらすじ
佐賀の小学校に古い壊れかけたグランドピアノがあり処分されるのを待っていた。
そこへ、かつて小学校の教師だったという女性から処分しないでほしいという投書が新聞に寄せられた。
ピアノは地元の人々の寄付によって購入されたもので、
戦時中は、校長命令により、燃えないように水の入ったバケツを周りにおいて、
その女教師は常に(夜も)見張っていたのだそうだ。
ある時、若い兵隊が2人あらわれ、ピアノを弾かせて欲しいといった。
1人はピアニスト志望の学生、もう1人は音楽教師志望。
2人は、神風特攻隊の出撃前に最後に一度だけでもピアノが弾きたいがために、
かなり離れた基地から走ってきたという。
ピアニスト志望の青年は、女教師から楽譜を借り、ベートーヴェンの「月光」を弾き始めた。

○感想
実は10年以上前に、朗読ではなくて普通の劇で『月光の夏』を観たことがある。
話は知っているし、重い内容なので、正直、あまり気乗りがしなかった。
戦争ものは元々あまり好きではないので、
一度は見ておくべきだと思うけど、二度は観たくないという感じ。
しかし、普通のお芝居よりも朗読の方が、
人物説明や状況説明があってがわかりやすいというか、
想像が膨らむ分、良かったような気がする。
開始5分で泣いたのは初めてだったかもしれない。
ピアノは今でも保存されているそうだ。

観劇『十二人の怒れる男たち』

2015-05-13 | 演劇鑑賞
俳優座劇場プロデュースの『十二人の怒れる男たち』を観た。
原作はレジナルド・ローズで、過去にテレビドラマ『十二人の怒れる男』や
映画として作られている作品。

○あらすじ
おそらく1950年代頃のアメリカのある裁判所。
12人の裁判員たちが集まって最終の評決をしようとしていた。
スラム街の少年が父親をナイフで刺し殺したという事件。
少年は否認しているが、状況証拠は揃っている。
有罪か無罪か。
有罪なら少年は電気椅子に送られることになる。

○感想
司会進行すら、一般から集められた裁判員が行っているとか、
裁判員が野球の試合を見るために帰りたいから話し合いもせずに終わらせたがるとか、
有罪だと死刑になるとか、いろいろ怖かった。
アメリカの昔の裁判員裁判の制度なので、今のアメリカの制度とも少し違うだろうし、
当然、日本の制度とも違っているのはわかっているけど。
1人が疑問を呈して、1つずつ疑問点を上げていったら、
決定的な証拠と思われていたものがひっくりかえされて行って面白かった。
本当の犯人はいったい誰なんだ?

後から聞いたのだが、色々な劇団から俳優さんたちが集まっていたため、
かなりいつもと違って刺激的だったらしい。
裁判員の半数が後ろを向いている演出なため、
私の見た会場では声が聞こえにくくなってしまったのがちょっと残念。
(劇専用のホールではないので、舞台装置の形や素材によって、
 後ろ向きの人の声が吸収されやすいらしい。)
オリジナルとなるドラマや映画(1950年代)を観てみたいなーと思った。
1997年にリメイクで作られたものなら見つかるだろうか。

観劇『うかうか三十、ちょろちょろ四十』

2015-03-11 | 演劇鑑賞
人形劇団プークの現代版イソップ「約束」と「うかうか三十、ちょろちょろ四十」を観た。


○あらすじ

「約束」
オオカミはなかなか餌を捕まえることができなくて、いつもお腹を空かせている。
折角捕まえた年老いた羊に「草を食べて太るから明日まで待って」と言われて逃がしてしまったり、
若いキツネにクマの持っている鮭をだまし取ろうと言われて組んだはいいが、
自分だけクマにひどい目にあったり。

「うかうか三十、ちょろちょろ四十」
お城の若い殿様はお付きのじいやと一緒に、花見に出かけ、
一本の大きな桜の下で綺麗な村娘を見かけた。
村娘に惚れた殿様は身分を隠して娘に話しかける。
だが、村娘は既に結婚が決まっていて、告白前にあえなくふられてしまう。
帰り道、激しい雷雨にあった殿様は、寝込んでしまった。
十年ほどして、殿様が再び桜の下にやってきた。
だが、殿様は十年前の記憶がなく、医者に扮して遊びまわるバカ殿になっていた。
結婚したかつての村娘と再会すると、村娘の亭主は病にふせっており、
生活に困窮していた。
大工だった亭主は荒れてしまい、村娘とその娘を蔑ろにしていた。
殿様は医者に扮して村娘に近づき、亭主の病はすぐに治ると芝居をした。
喜ぶ亭主や村娘を見て、いいことをしたと城に帰っていく殿様だったが……。


○感想

「約束」
オオカミが気の毒で気の毒で。
イソップ童話はオオカミがひどい目にあっているのが多いよなあ。
何か恨みでもあるのかな。

「うかうか三十、ちょろちょろ四十」
殿様、記憶を失って二十年バカ殿状態になっていた。
二十年ぶりに記憶を取り戻したら、その間の記憶はなくなってしまっていて、
自分がひどいことをしたと知らず、村娘一家がその後どうなったかも知らず、
年だけとってしまったという。
全てを知った殿様の後悔と失った歳月。
色々切なかった。

追記:
6月半ばに、TVで「モヤモヤさまぁ〜ず」をたまたま見たら(普段全く見ない)、
人形劇場が出てきて、「あれ?この間来ていた劇団かな?」と思って調べたら、
本当にそうだった。

観劇『流星ワゴン』

2015-02-15 | 演劇鑑賞
最近ドラマでやっているようだけど知らなくて、
題名もわからずに中途半端な回(再放送だった)を見始めた途端、
「あれ? 私、これ劇で見たような?」と思い出した。
過去の日記を観たら、何故かピンポイントで感想を書いていなかった。



2010年7月に劇団銅鑼公演『流星ワゴン』を観た時の記憶。


○あらすじ
妻からは離婚を切り出され、息子は私立中学の受験に落ちて荒れ、
会社からはリストラされた一雄。
元々仲の悪い父親はガンで余命いくばくもない。
疲れた一雄は見知らぬ車に乗りこんだ。
その車で一年前に戻り、何があって家庭が壊れてしまったのか、
同世代となった父親の生霊と、
5年前に交通事故で死んだ親子の幽霊と一緒に見ていくことになる。


○感想
ボタンの掛け違いで大きく崩れていったんだなという印象が残っている。
息子に「お父さんは忙しくて忘れてしまうかもしれないけど、
お前のことは大切に思っているということは覚えていてくれ。
何かあったら引っ越そうと言ってくれ」
というようなことを言っていたような。
実際には本来の一雄には会話した記憶はないし、息子側の記憶も消えるか曖昧になるから。
最後を思い出せないけど、息子にとってはこれからいい方向に向かうかなって終わり方だった気がする。

奥さんの依存症は、ドラマでは緩和されてギャンブル依存症になっていた。
お芝居では原作通りなのかどうかわからないけど、出会い系にはまっていたような。
性的にだらしがないとかいうレベルじゃなく、
別人格になってしまうというレベルの病気だったと思う。


他にも2003年以前の観劇の感想がないので、
そのうちパンフレットをかき集めて書いてみようかな。
いや、でも、かなりうろ覚えだなー。

観劇『をんな善哉』

2015-01-20 | 演劇鑑賞
劇団青年座公演『をんな善哉』を観た。


○あらすじ
諒子(高畑淳子)は下町の和菓子の老舗「笹本」の女将。
両親から店を継いだが、和菓子の売れ行きは悪く、
昔からの職人シゲさんと2人で細々とやっている。
バブル時代は店を継ぐ前で、広告代理店のキャリアウーマンとして仕事も恋も謳歌していた。
女としてもくすぶっていると昔の同期で親友でもある澄江に愚痴を漏らす。
ある日、昔の恋人である田村と再会する。
澄江の恋人の朝倉からも会社への就職を持ち掛けられ、心が揺れる。


○感想
面白かった。
最初はくたびれたおばさん然としていた諒子が、
かつての恋人の出現でどんどん若々しくおしゃれになっていってびっくりした。
店を閉めるかどうかという選択、結局そのまま続行することになったけれど、
シゲさんがまた倒れたらどうなるんだろう?
ドルフィン(バーのマスター)がその時までに職人として使えるようになるんだろうか?
酒屋の直美さんのちょっとオタクな恋人(趣味フィギュア)の言っていること、
ほぼわかってしまって、あー、私もオタクだなと思ってしまった。

観劇『OH!マイママ』

2014-11-23 | 演劇鑑賞
劇団NLT公演『OH!マイママ』を観た。

○あらすじ
フランスの国会議員のアルベールの妻マリイは、25年前に失踪している。
一人息子のルイはアルベールとマリイの幼馴染であるマチルドが面倒を見てきた。
ルイの結婚が決まったある日、アメリカの陸軍大佐フランクがアルベールを訪ねてきた。
フランクはどこか様子がおかしく、アルベールにある秘密を打ち明ける。


○感想
ネタバレすると面白くなくなってしまうので詳しくは書けないのだけど、まさかの展開だった。
タイトルとあらすじ一行目からわかってしまうかもしれないけど。
ルイに本当のことを教えなくていいのかな。
へたれっぽいけど本当のことを言っても若くて柔軟な分、
父親よりも素直に受け入れるんじゃないかと思う。
フランスのコメディらしい、面白いけどもやっと感が残る感じがした。

観劇『女たちのジハード』

2014-09-26 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で劇団朋友公演『女たちのジハード』を観た。


○あらすじ
康子(加藤忍)は保険会社のOL。
同期のみどりのように妻であり母でありバリバリのキャリアウーマンという風にはなれず、
恋人と別れ独身のまま地味に日々を送っている。
後輩は、男性からの好感度ナンバーワンの沙織、
勝ち気で翻訳家を目指すリサ、仕事はできないが保護意欲を誘う紀子。
ある日、康子は一念発起してマイホームとしてマンションを買うことに。
今までにこつこつと3千万貯めたはずだったが、
証券会社によって溶かされほぼ半分になってしまっていた。
後輩のリサに教えられて格安の差し押さえ物件を観に行くと、
物件を転がそうとしているヤクザが現れた。
康子は後輩たちとともにヤクザを追い払いマンションを手に入れた。


○感想
みどりは出世競争の結果、遠方へ転勤になるも新たな企画を作り、
沙織は医者と結婚してチベットへ、リサはアメリカへ語学留学してパイロットに、
紀子は結婚→離婚→再婚して弁当屋のおかみさんに、
康子は田舎で農業をしている恋人ができて、
恋人の作ったトマトを元に新たなビジネスを始めた。
それぞれに躓きつつも逞しく成長していった。
すがすがしく爽快なラストだった。