吹奏楽の人気強豪校・精華女子高(福岡市)吹奏楽部のデビューCDが2日、第29回日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。過去に指揮者小澤征爾や世界的チェロ奏者のヨーヨー・マらも受賞した賞を女子高生バンドが手にした。

 クラシック部門で年間トップの売り上げを記録したアルバムに贈られるこの賞を受けたのは、昨年2月に発売された「熱血!ブラバン少女」(ソニー・ミュージック)。高校の吹奏楽部が受賞したのは初めてだ。

 同高吹奏楽部は、超絶技巧の曲も楽々と吹きこなす高校生離れした技術と女子離れした迫力あるサウンドで知られ、全日本吹奏楽コンクールで10回、全日本マーチングコンテストで16回金賞を獲得している。

 「熱血!ブラバン少女」はこれまでに2万7千枚超の売り上げを記録。クラシックCDとしては大ヒットとなった。昨年12月には第二弾「挑戦!ブラバン少女」も発売された。

 「熱血!」の収録には、152人の部員全員が参加。当時1年生だった細川遥菜部長(16)は「まさか受賞できると思わなかった。みんな全国大会の金賞よりも驚いていた」と話す。

 精華女子高は3日が卒業式。3年生には思いがけない卒業プレゼントとなった。昨年度の部長を務めた佐々木彩さん(18)は「精華でなければできない体験をさせてもらった。このCDは宝物。聞くたびにみんなのことを思い出します」と話した。

 顧問の藤重佳久教諭は「吹奏楽が認められたということが本当にうれしい。子どもたちにとっても自信になります」と話していた。