映画でお喋り♪猫とひなたぼっこ

もと映画少女の”猫”のお喋りです♪

『 泣きながら生きて 』

2010年01月12日 | 映画感想(ドキュメンタリー)
3年前に フジテレビで放映された番組を
” もう一度観たい ” と 現役大学生が企画し
映画館での上映となった作品。

ひとつの家族を 15年余り追う・・
というドキュメンタリーは TVだからこそ できた企画なのだろう。
民放で このような企画が通り 上映されたことを 嬉しく思う。
また そのドキュメンタリーに感動し、
観損ねたひと、もう一度観たい人たちの為に
映画館上映を企画してくれた 若者たちに 感謝。



とにかく 泣けました。
台所で ビニール袋を お風呂代わりにしている と何のてらいもなく説明される姿や
不法滞在だから 医者にも行けない為か
だんだん すいてきた 前歯をみて・・・
ただただ 娘の事を願って
当たり前のように 淡々と働く 丁さんの姿に。

丁さんは 勿論のこと
丁さんの奥さんの 明るさ・強さも 立派だった。
いくら 娘のためとはいえ
異国の地にいる 夫を頼ることもできず 
じっと耐え
また そのことを 丁さんが十分承知していて
” 妻にすまない ” と言う 
二人の夫婦愛に 心打たれた。

丁さんの 迷いのない 志( こころざし ) 潔さ ( いさぎよさ )に
背筋が伸びた。
母国の国策で 
自分たちが まともな教育を受けて来なかったから 子供には ちゃんとした教育をうけさせたい
という弁は
物のない時代を経験した 昭和ヒトケタ生まれの わたしの父母の思いと重なった。

こんな清らかな 
  ” 親は子供を きちんと育てるべきものだ ” 
という気持ちで 自分の 子供たちを育てて来ただろうか? と 
我が身を振り返り
反省した。


重いバトンを手渡されたであろう 娘さんが 
産婦人科医になり
両親から 受けた恩を
” 苦労をかけた両親に 恩返しをしたい、楽させてあげたい ” ではなく
” 譲り受けたバトンを 未来の子供たちに つなぎたい ”
と コメントしたことが とても 快かった。
無心で働き 自分を育てたくれた親の気持ちを 
娘さんが 真っ直ぐに受け止めている事を嬉しく思った。


ちょっと間違うと すごくベタな お涙頂戴物語になるであろう話なのだが
そうならなかったのは
丁さん夫婦の人間性と 娘さんのグローバルな視点によるものだと思った。


とかく 噂されがちな 中国だけれど
国で 人を 判断するのではなく
人は ひと なのだ
と 改めて 思った。
今年の映画初めの作品として よい作品に出会えたことに 感謝。


  2010.01.02  「泣きながら生きて」  伏見ミリオン座にて鑑賞  ★★★★




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2 コメント

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何故に (冴子)
2010-01-15 17:37:21
丁さんが不法入国しか方法がなかったのか、と言うのがまず。
今は単純労働でも労働ビザを取って入国し、働いている人は結構います。
でも確かに1990年代と言うことで、単純労働目的ではビザが下りなかったのか?

中国ならではの事情、都市と農村の人の間に明らかな差別があり、農村の人が都市に住むことさえ認められないのなら、国外へ働きに行くことはなおさら認められないから、不法入国という方法しか取れなかったのか?

昨年NHKで放送された中国残留孤児の男性で、日中国交正常化の前に初めて帰国を果たした人のストーリー(実話)でも、農村に住んでいたがために、ちょっと都会に出て住むことも難しく、ましてや日本人と分かっているのに、帰国を認めてもらえず、何年も当局と交渉してやっと、と言う事情がありました。

私は2007年にTVで見たのをDVDに録画してるので、改めて見直してみようと思います。

でもこんな地味なストーリーですが、見て感動した若者たちが映画上映運動をしてくれたことが嬉しいです。
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不法滞在 ()
2010-01-16 12:20:56
確か、最初は 「日本語学校」に来る(学生ビザ)という名目で 入国されたんでしたよね?
その後、北海道では就労できず
(なんにも無いところでしたもんね)
もともと 日本語を習得して 日本でちゃんとした仕事に就くのが 目的だったのだけど
それが かなわなかったから 
滞在期間が切れても そのまま 日本に残ったので 不法滞在になったわけだと思います。

法的なことは よくわかりませんが
あの時代は 
そういう人は たくさんいたと思います。
10年くらいに前には
職場に よく警察から
工場などで 不法滞在をしている外国人を雇ってないか?というチラシがまわってきましたもん。
その後、中国人は
「研修生」という名目で 受けいれできるようになり
たくさんの中国人が日本に働きにみえたと思います。
それも・・その後 いろいろな問題
(日本人が「研修生」という名目で低賃金で働かせたり・・)
が 出てきていますよね。
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