『 ブリッジ 』

ドキュメンタリー映画に対して
しかも　こんな内容の映画に対して
あまり　面白くなかった。　と言うのは　少し　不謹慎かもしれない。

まぁ
新聞などの前評判で　期待しすぎたのが　今回の低評価の大きな理由だと思うのだが・・・
ドキュメンタリーの出来・不出来　というのは
主に　構成にかかっていると思う。
この映画は　それが　うまくなかった、　と私は思う。


その前に
一体全体
人が落ちていく様を
どうやってカメラが捉えたのか？？？
橋の　欄干（と呼ぶかどうかは　？　ですが）
に焦点を合わせて　カメラが設置されていた・・ということは　理解できるけれど
落ちていく人を　捉えるカメラが　なぜ必要なのか？
そんな　カメラを設置する以前に
自力で　橋を乗り越えられないよう　何とかしなさいよ！！！
・・・・というのが
一番の感想でした。


もっとも　７年程前　グランド・キャニオンに行った際
　　　”　ここ　グランド・キャニオンでは　毎年何人かが
　　　　　誤って　谷底に落ちていきます　”
・・・というのに　　柵も何もなく
　　　”　アメリカは　自己責任の国なんです　”
　　　　　と　ガイドさん。

　　　確かに　こういう場所は
　　　何か設置をすると　自然が　壊れてしまうので　それもアリかな？
　　　と　理解したのだけれど

ここ　サンフランシスコ　ゴールドゲート・ブリッジは
「　人工　建造物　」でしょ？？？？？
何かを作ることで　自然をいじることになる場所と
自殺の　名所となる　人造物とでは
意味が違うでしょ？？？　怒

　　　ということは　まぁ　おいておきましょう・・・
　　　（　多分　これらの疑問は　パンフレットを購入して読めば
　　　　　スッキリ　わかるのかも？？？　）


でも　そんな疑問ありのまま
この映画を撮った　監督の気持を　いろいろ考えてみた。
飛び降りた　若者のほとんどは
うつ病のように　精神を患っている
ゆえに
自殺者の周りの人へのインタビューがあっても
飛び降りた人のことを
こんなに思っている人がいるんだよ・・という
自殺を防止することには　あまり　ならないと思うし・・
（　基本的に　うつ病だから　自殺しやすくなっている
　　＝　自殺は　病気のせい　だと思うし　）　
　　
飛び降りる直前を観た人にも　インタビューしてるけど
それに　何の意味があるのか？
単なる　野次馬根性　週刊誌的なものじゃないの？　と感じるし・・


何より　一番イヤだったのは
何度も何度も　周りの人に話されている
黒づくめの彼　の　投身シーンを
もったいぶって　最後の最後に　持ってきたことだ。
まるで　クライマックスのように・・・・　

　　　この構成からは　彼への尊厳を感じられなかった。



今　公式ＨＰで確認しました。
監督は　
このコールデンゲート・ブリッジの　自殺防止策を設置する運動にも参加しているそうです。
一刻も早い
橋への対策を　望みます。


　　２００７．０７．１６　　「ブリッジ」　　シルバー劇場にて鑑賞　　★★★