2nd Stageトラバース

50代で転職し、第二の人生スタート。
もがいて、笑って頑張るおやじをお届けします。

冬の五郎兵衛新田

2019-12-31 19:00:07 | お米語り
令和元年最終日に関東は記録的な
小春日和だったが、夕方に信州に
入ると例年通り頭が痛くなる程の
寒さだった。


秋晴れの下、はぜ掛けでにぎわって
いた五郎兵衛新田は忘れ去られたような静かさで生命反応全くなし。

田んぼの土は稲刈りの後、掘り起こ
され次の春まで鋭気を養う。


掘り起こされるのは土の中の虫を
寒さで追い出すためだ。



追い出された虫を雀の群れが
ついばんでいる。


五郎兵衛米の舞台裏も
色々な発見があるものだ。



大活躍したはぜ掛けの道具


裏方あっての表舞台。


想いが馳せる信濃路

2019-12-30 16:57:17 | 日記
信州に向け出発予定だったが年末年始は大雪らしい。


長野県の入り口、釜めしで有名な碓氷峠は天候によって車のノーマルタイヤは通行禁止。


信州は近くなったというが、冬は自然の厳しさを思い知らされる地だ。
碓氷峠は今も昔も通行の難所で
あることに変わりはない。



碓氷峠の横川駅近くにある
鉄道文化村はお気に入りのスポットだが、特に好きなのがそこに保存された
電機機関車EF58だ。
子供の頃、東海道線の踏み切りで
この機関車が牽引するブルートレイン
を飽きずにずっと待ち続けた。
その時観ていた東海道カラー。



新型の電機機関車よりこちらの方が
余程好きだった。



異様な程に多い車輪。
素人の子供でもその存在感は
他とは違うと十分わかるものだった。


令和になって初めての正月。


いくつもの年号を経たが
雪などものともせず、EF58はその威風を放っているだろう。



年末、都会の寒空に、足止めをした
悪天候を罵った。


碓氷峠

いいもの探すなら最小単位で

2019-12-29 18:04:48 | 日記
ご飯好きなら美味しい漬物も探します。

買い物ついでに漬物専門店があったものだから
「掘り出しモンのいい漬物に出会えるか」と、タダでご利益を得よう
とする、浅ましい性根でその店の敷居を跨いだ。

べったら漬けや、奈良漬けやら、美味そうに並んでいるが
もう少し珍しいものはないだろか、とあちこち目移りしながら
店内散策していると、「早く買えよ」と言わんばかりに
「これ美味しいいよ!」とか「珍しく入って来たから食べてって!」
とプレッシャーの声をかける店員さん。


うんざりしたので店を出ようとしたら「ネギの浅漬け」のような
珍しい漬物に出くわした。

一瞬立ち止まったのが運の尽き。
「食べてって、食べてって」
このチャンスを見逃さなかった若い店員さんは
親指ぐらいの小枝のようなネギを皿に盛って差し出して来る。

「こんな太いネギ、味見出来ないでしょう」
「食べて、食べて!」
売ろうとする気がはやるのか、楊枝がネギに刺さりません。

「もういいから。刺さんないじゃんつま楊枝。この漬物、ご飯に合うの」
「合います。お酒にも合います。焼いて食べても美味しいですよ」
「・・・。はぁ、何か見たことないな。」


別の夫婦もどうやらネギ好きなようで、このやり取りをずっと見ていた。


「ご飯に合うんだね」
「合いますよ。美味いです」
「それじゃ、100gで」
「えっ、100g・・・。」

「はい、220円」


あの楊枝の仕草からして、どうも胡散臭い。


「それじゃ家は400g。家はネギ好きなんです」
あの別夫婦は見たこともない丸太ネギの浅漬けに一発投資
してしまった。




「辛っ! 何だこれ」
鼻がジンジンしてきた。
追い打ちをかけるように、食いちぎった丸太ネギにしみ込んだ
辛汁が、どんどんご飯に染込んで行く。

「ご飯がべちゃべちゃになっちゃたじゃないか。
辛汁茶漬けだ! ダメだこりゃ」



最小単位買いだけは正解だった。


美味いものに出会うには下調べが必要で
物珍しさで買うのなら、恥ずかしくても最小単位で。


おい、兄ちゃん、「美味いですよ」と言うのなら、少なくとも
自分が食べてから言ってくれ。


あの別夫婦も今頃、悶え苦しんでいるだろう。


はぜ掛け米が美味しい理由

2019-12-28 21:00:00 | お米語り
はぜ掛けは美味しいよ。

何のことだかよく知らなかったが
お米の乾燥方法だった。

刈り取ったお米を天日干しにする
昔ながらの作業工程。

遠目に見てその風景が、いかにも
日本の田園風景といった感じだが
近くでみたらすごい迫力。


藁着た集団に凄まれて、
自分が何者かを見透かされ
嘲笑われている感じ。




「機械乾燥より時間をかける
から旨味が増す」
「稲の葉や茎の栄養分が米に
移るから」



色々な理由が書かれているが
やっぱり農家の想いやこだわりが、
美味いお米にさせるんじゃないか。
米作りの一事が万事、
こだわっているから美味しくなる。



新米時期になってもはぜ掛け米は
出荷できない。
3週間は裕に出遅れ、新米ブーム
が終わった頃にやっと市場に
出回っても、時既に遅しの感がある。



今年の台風19号のは、はぜ掛けを全部
なぎ倒した。



あのはぜ掛けを全部
立てなおすのか!




それでもはぜ掛け米は
ガッツで街にやって来た。



「お米大丈夫でしたか」
「うん、いいお米ができたよ」



微塵の暗さも感じさせない
弾んだ声が返って来た!


惹きつけられる農家さん

2019-12-28 08:47:48 | お米語り
美味しいお米に限らずいい野菜、いい商品の生産者を
どうやって選択するのか。

やっぱりいい生産者と出会いたいのが消費者の希望です。

その人が、いい方なのか、お付き合いして充実感を味わえる方なのか。



ある日、ラジオで大手銀行を退職し会社を立ち上げたやり手社長の
対談番組があった。

銀行時代のエピソード
「融資先と決めるとき、その会社の社長のどこを視ているのですか」

その会社の財務諸表やカタログを見るのかと思っていたが
3つの簡単な要素だった。

1.「がさつ」でない人
 例えば書類になぶり書きをするような人はダメ。字は汚くてもいいです。
 しっかり丁寧に書く人は仕事も丁寧です。

2.嘘をつかない人
 自己資金がほとんどないのに、「3、000万円位はある」と
 平気で言う人はダメ。

3.見栄を張る人
 聞いてもいないのに「あの〇〇社長とは長年の付き合いだ」と、
 平気でいう人はダメ。


人がよければいい仕事をする、信頼に値するものを作る。
基本は変わらぬものなんだ。




五郎兵衛新田のあぜ道で、その農家さんに聞いてみた。
「五郎兵衛米って美味しいでしょ」


「美味しいよ、でも米作りは個性が出るものだから。 うん。」

自身の技術をひけらかさず、人の評価は一言も言わない。



数日後、FAXで送られて来たお米代の振り込み口座は
手書きであったが意表を突く見事な字だった。


(五郎兵衛新田バックは蓼科)