GWは生憎、初日から雨空模様。
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あれだけの雨で濡れていても、鯉太郎は夜風にしっかり泳いでいた。
一日中降り続く予報に、マンションの鯉のぼりは堪えられるか心配だった。
雨は昨夜から降りだしたので、朝方見に行くと、一組の親子が鯉のぼりをバックに写真を撮っている。
「昨日と比べて二匹増えていますよねぇ、鯉のぼり」
「あっ、ホントだ」
自分が付け足したのだが、会話が白けるのでそれ以上は口を閉ざした。
雨なのにその母親は娘と鯉のぼりの写真を何枚も撮っていた。
全天候型鯉のぼり。
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ネットでは、鯉のぼりを夜はしまうもの、雨の日は吊るさないものと、書いてあったが、マンションではそういうわけにはいかないのだ。
誰が仕舞うのか、だれが吊るし出すのか。
総論は是でも、各論は否で、結局何も決まらず、事無かれで終わるのがマンションの合議制。
守るべきものは守り、変えるものは変える。
何もやらないのが一番いけない。
夜仕舞わなくとも、吊るしっぱなしでも、鯉のぼりはしっかりごどもの日を愛でるため泳がそう。
こども個人の名前は書けないが、皆で寄せ書きしたもんな。
一日中の雨をよく凌いでくれました。
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雨ニモマケズ泳いだ君を今日から「鯉太郎」と命名しよう。
具合が悪くなったら直ぐ助けに来るからな、鯉太郎。
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あれだけの雨で濡れていても、鯉太郎は夜風にしっかり泳いでいた。