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汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 女の感情

2011年02月17日 | 初期中期の詩
命が戯れる 静寂の中
雨は予測できない未来を 願い続けている
冷たい流動の嵐が 背中に流れる水を凍らせる
山の頂きになびいている 白いハンカチは
空の果てに 一つの希望を夢見ている

遠ざかって行く人
想い出に縛られて 身動きの出来ない女
皆が狭い檻の中で泣いている
夕日は雨の気配に怯え
鳥は懐かしさに心を奪われている

這い蹲って 雨水の味を確かめている
女の哀しさは 何時とも知れない
甘い情緒が揺らめいている
それは一種の過ち
その白い手で 男の肩に触れる
温かだった彼の背中には 今は
一滴の血でさえ通う事も忘れている

女は途を行く 所々に散在している
赤子の死骸を横目で見ながら
それでも女からは血が吹き出し
大地を潤す

女は泣いている 女の感情には
幾重にも折り重なった死の情動が蠢いている
慈しむ心は闇に呑まれた
それでも女は赤子を産み落とす

この世界に於ける 混乱を避ける為に
この世界が欲望に呑まれる その時を見る為に
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