汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 狂愛詩

2012年01月19日 | 初期中期の詩
遥か彼方から 舞い込む切なさが
雪の踊りに翻弄される
寒さに震えたこの身体が とても強張るから
あなたの温もりをください 命が消える前に

冷たい空は 漆黒の心
あなたは私の隣で 息を潜めている
泣き声を隠しながら

早まる鼓動は 雪の景色を憂鬱に
乱れる鼓動の 絶え間ない流れの中で
あなたと二人 夢の中へと行くの
降り止まぬ雪 時間の断絶の間に
愛は恍惚を迎える 時の早まる頃に
虚ろな瞳は あなたを捜しているの

どうにかして 心が早まる涙を 抑えられない
虚しいだけの愛をくれるだけの 優しさをください
無数の気泡が 浮かんでは消えて
孤独だけを残していくの
無情に流れるだけの人ごみ 景色は移り変わる
意味を無くした人形が 命を求めて彷徨っている
それでもあなたは 私の頬を撫でて
優しいキスをくれる 小さな愛を 絶えない欲望を
明日に咲く神話を
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みやすけの詩 安鬱詩

2012年01月18日 | 初期中期の詩
風が教えてくれるのは 寂しさの温度
雪の軽さが教えてくれるのは 微笑ましい笑顔の哀しさ
どれも全てが統一的で 色によって培養されている
形の無いものは生成され 心を空しくさせる
大人になる一歩手前で 花を見つけるときの儚さ
幽玄でいて 仄かな甘味のする現実に
ヒトは愛を求めて彷徨う 方向の判らない砂漠の上を
舵を取りながら進んでいく 儚い夢の跡地へと
赴くその姿は あの時の優しさのまま
あなたの背中を追ってここまで来た ありのままの姿を

果てしない夢の跡に 花は咲くだろう
繰り広げられる 生命の営みを 音も無く聴いている
彼は誰だろう この世界を支配する夕暮れか
果てを夢見る聖者の中に入って 安楽に入ろう
夢は途方もない空を想う 地球の涙を呑んだあなたに
祝福の言葉はかけられる 生命を駆ける馬よ
蒼空には無数の星が瞬いている 命の呼応に
さめざめと泣いているあなたは 小さな幸せを掴むだろう
星は涙を滴らせ 仄かな甘味の中で 明日を夢見ている
まるで赤子のような そんな原風景を 探している
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みやすけの詩 暗鬱詩

2012年01月14日 | 初期中期の詩
消えていく 消えていく
あの世は口を開けて 私を狂わせる
生命が騒ぐ 波が駆けていく 疾風のように
やがてそれは 一つの世界を呑み込む

愛するあなたを想うとき
熱が冷めるのを感じる 心の底からの「愛してる」
両手には咲き乱れる死の花が
蝋燭に火が灯るのを見て 嗤っている
声を立てて やがて大声になり 狂気と混ざり合う
熱いキスに 心が火照るように 視線は定まらないまま

追い打ちをかけるように 一つの命が爆発する
鮮血が輝き 身体中を妖艶に染める
抗い 競い ヒトは孤独を味わう
未知は背中を押して 私を崖から突き落とした
笑い声は絶え間ない風のよう 雨は降り続ける
古を想い 涙する 言葉を失わないように
あなたは私の手を離さない 淋しげな眼差しで
あなたは私の心を鷲掴みにする
助けて 助けて もがくたびに憎しみは 肉に食い込む
微笑むあなたの顔に そっと接吻を施した
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みやすけの詩 夜想詩

2012年01月04日 | 初期中期の詩
赤い月が照る 儚き唄を唄う兎
両目の潤いは果てしない海のように 孤独に満ちている
薄汚れた墓をあばいて 屍を掘り出す
骨をしゃぶる 肉を食い千切る メノウの星が瞬く
現身の この肉体を殺す 弱虫のくせに
この腕に掻き切る傷に滲む血が怖い

弱い者は叫ぶ うろ覚えの言葉 空蝉は鳴り響く
冷めやかな夜 普通の幸せを噛み締めたはずの今宵
大きく拡がる宇宙の波は この身体を透き通る
まるで忘れられたように 淋しい心が泣いている
太陽は語りかける 幸福の意味を 大河を流れる水の訳を

僅かな水の音 淑やかな音楽に揺られて
砂漠の波の果てに 夢を見た そこには暁がある
遠吠えの行く果てがある いつか枯れて行った生命がある
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