汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

陶酔した群衆

2015年03月08日 | 奇想の詩
寂れた街の景色 風は吹き
おぼろに霞む木々が音を立てる

風下に通じる その道の向こう
微睡みながら 流れる
枯れ葉が 音も無く 沈んで行く
おぼろに霞む木々は しなり
幻の走馬灯に 陶酔した群衆が
幾つも 重なり 潰える

恍惚の表情が 舞う 枯れ葉のリズムに揺れる
寂れた街の景色は 季節を失い
その眼には 干上がった身体の像が霞む
それは幾つも 重なり おびただしく膨れ上がる

寂れた街が 空虚に呑み込まれて
膨れ上がった 身体が 叫びの声を挙げる
ざわついた 木々はしなり
形の歪み行く 太陽が嗤っている

その眼に映る 街の後景が 形を見失い
鮮やかな枯れ葉のリズムが 遠く 谺している
コメント

恋煩い

2015年03月08日 | 妖艶の詩
吹き抜ける 風の向こう
時の流れる 朝焼けの 空虚さに
入り込む 寂しさ

鮮やかなる 振り袖が 揺れる
その柔手のしなる 指先の蠱惑に
舞う枯れ葉が 紅く微睡む

見つめる瞳の優しさに 霞む面影
赤く染まる月の始まりは
恋煩う想いの表象
その柔手の伝える温もりと
掛け合う言葉の綾に
身体は 優しく火照り
微笑む 恥じらいの表情を 交わし合う

求めていた形の 想いの陰が過る
見つめ合い 交わす言葉の綾に 心は震え
何処までも沈んで行く 相対する感情の源へと
流れる時の 空隙に 差し込む
恋煩う涙の 覚束ない約束
コメント

人形達の泣き声

2015年03月08日 | 妖艶の詩

静寂の中で 揺れている 影
壊さぬように 手を掛けた
息の根を 締め付ける 胡乱な瞳の誘惑

首元の綺麗な 筋に沿って 流れる血液
その冷たい表情に 映える幻惑の色は
呼応する 退廃の彩り

死臭の漂う 欲望の波に 心は乱される
見えない その手の鳴る方へ 導かれ
やがて我を見失う

動乱する鼓動に 意識は乱される
悲しみを詠った瞳の輝きは
形の失った人形達の 泣き声
蠢く無数の手は 魂の鼓動が干乾びるまで
この身体を掴んで離さない

微笑む顔に 切り刻まれる 傷は
血に飢えた 闇の妖艶なる 唇
艶かしい赤い血は 罪を繰り返す
生気を失い 眼を見開いたままで
コメント

瓦礫の中で 息絶える

2015年03月08日 | 奇想の詩
その手を引き 駆け抜ける
凍る闇の中で 悲壮に暮れ 泣き叫ぶ

雨脚に 絡め取られる感情
声のする方へと伸ばした手が
無情の炎に引き裂かれる

この眼に映る 燃える街の影に
人の群れが 踊る
焦げ行く 身体
幻想の街が 燦めき 淀み行く

涙の流れた痕に 救いを求めた
無数の手の跡が こびり付く

離さない この手の温もりが
頭上の闇の中を 引き裂く
永遠を夢見ながら その涙を見つめた
燦めく幻想の街が 壊れて行く
全ては 瓦礫の中で 息絶える運命
声に満ちる 最愛を 噛み締めた

コメント