汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

叙事詩

2020年05月18日 | 奇想の詩

この世界は 混沌

虚な響き 紛う 白髪の光

照らされて 托鉢の木々が揺れる

 

輝かしい 憂鬱なひと時は

揺籠の中で 拡がって行く

 

騒々しい 波風に煽られ

涼やかなる 湖畔の静寂

この手にすくう

白水の心地 涙に燻る 寂れた時間の綾

それは 永遠の夢路

 

かつての夢に

潰えた 風の旋律

愛猫に唆され その尾に導かれる

 

繰り返される

迷宮への路のり それは何処の風に

退廃の香り 一抹の不安に駆られ

この命 黄葉に散る

 

定めに抗えず 退廃への一途

再び訪れる 眠りの瞬間に

一抹の不安

 

鮮やかなる 色彩に

紅葉色めく伽藍は かつての静寂に

訪れし 夕闇に 優艶の湖

艶やかな 波に揺られ 湖沼は震える

 

夜闇の声音 微かにそよぐ平穏に

釣鐘は鳴り響く

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この手に引かれて

2020年05月16日 | 奇想の詩

海底の奥底へ

誘う この手に引かれて

 

陽明のちらつく

ここは未知なる 巣窟

あらゆる場所が 流転している

 

此処にあるわずかな小波さえもが

起承しながら 転結する

 

永遠の終わり

静寂の源は いつまでも

霧消と雲散を繰り返して

現れるものたちが 総て

まるでいたちごっこのような

夢と現

 

夢現

 

そう 走馬灯の街並みは

海底深くに沈んで 雲散霧消

 

起承転結の業を背負い

まるで生き急ぐ 

のれんに腕通しのような

静寂に総て溶けて行くように

 

夢現

 

夢と現が交差して

やがてすべてが消滅してしまうまで

斜交する陽明 ちろちろと

この手は

海底のさらに底へと誘う 

 

 

 

 

 

 

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飛翔の痕

2020年05月08日 | 愛の詩

約束していた

今宵もまた 夢の中へと落ちて行く

 

解るはずの無い 

別れ話は いつも突然に

 

笑い 麗かな陽に照らされ

廻る草花のきらめく 景色に彩られて

騒々しい感情に 心ときめく

 

果ての無い

感情の赴くまにまに

和やかなる ひと時は 魔性の微笑み

閃光の散る

鮮やかな 飛翔の痕は

あなたとの恋文に綴られた 筆跡に

 

約束していた

今宵もまた 夢の中へと 

 

焦がれるはずもない

恋つづみの 弾き爪弾く 可憐な瞳に

 

歌い 寄り添う

声音は 緑陽の中で 揺蕩う

射止めた その眼は

艶やかなる 静寂を厭う 花草の旋律

 

いくら待てど 決して触れ合えぬ

心に吹き抜ける間隙に 入れ紛う静寂は

いずれ訪れ来る 恋の終焉

 

約束していた

いずれ訪れる この時間の 終焉に

今宵もまた 夢の中へと 落ちて行く



 

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