汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 過去

2010年02月26日 | 初期中期の詩
吹き過ぎる風は
悠久の都の幽かな微動を感じ取り
あけすけに遠のいて行く木霊は
その重い足取りに戸惑っている旅人に
一抹の不安の感情を起させる

屈辱の情緒が、更なる不幸の連続へと
道楽者を導いて行くのだろう
錆び付いた鉄棒に映える影の黒さは
その粗暴な現実に色濃い絶望の犇きを反映している
少女の眼に映る狂々としたあらゆる
感情は、その刃を喉元に押し当てるように
尖鋭な痛みが全身を駆け巡って行く

湿潤した時計の針を見つめては
過ぎ行く憤怒の感情の行き着く先に
あなたが帰るのを、老婆はひたすら待っている

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犇めき→ひしめき
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みやすけの詩 視界

2010年02月25日 | 初期中期の詩
混沌とした色彩に彩られて
帰り付いた家の明かりは何時になく滑稽な
寂しさを醸し出している

母親の温かな眼差しに揺られて
慈しみは廃れた悲しみの傷口を労わるように愛撫する
痛みが心地良く噴き出していくのを感じる
連日吹き荒れる風に精神は廃れ咽びながら
渇いた鼓動に見え隠れする憤怒の感情は
どうする事の出来ない宿命に抗う聖者のように
その出口を見失い彷徨い疲れている

悠久が恋しい
光溢れる庭園のリンゴの木は
その熟したうららかな赤い実を一つ地上に落とすだろう
その光の中で揺り籠に揺られている
憎しみの煮えたぎる煩悶に答えを知らない赤子は
その清らかな眼で何を見つめているのだろう
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みやすけの詩 世界の終わり

2010年02月21日 | 初期中期の詩
当たり障りのない触れ合いに求めた愛情を
胎動に始まったこの世の儚さに変える
虚しき重低音が秋風に吹かれて響いて行く
徒然とした旅の行き着いた場所は
今も変わらない世界の潮流に流される
混沌とした周期を伴った時間の偽り

動揺がここまで人間を駆逐させた
うろたえた眼差しで見つめる少女に
憶する事なく浴びせられる鞭の嵐
寄り添えば覆る事を信じて
解き放たれた門にすがる死人の魂
虚しさが産んだ偽りの世界の鼓動は
厭な協奏曲の旋律にも似て
倒木に群がる白アリの邪悪な眼差しは
歓びに餓えたハイエナの嗅覚以上に勝る

しかしその不幸のどれもが美しく
ぎこちない壮麗さで、私の眼を楽しませてくれるのだ
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みやすけの詩 軋轢の世界

2010年02月18日 | 初期中期の詩
息つく間もなく繰り返される情愛
全てが朧に霞んで、消えていく現実の温かさ
ただひたすら追い求めていた愛を信じ
真摯に贈り続けた言葉の無情な響きは
何一つとしてやり切れない
その意味の中で煩悶する純心なガラス細工のように繊細だ

繊細なスケッチを描くように
誰かに呼び掛けていた夕闇の刹那
幽かに浮かび上がる混沌とした軋轢のひしめきに感じた
何もかもが幻影で、哀しみが込み上げてくる暗闇の世界

滞る時の流れに戸惑いを見せてきた
季節の移ろいの狭間

吹く風はしんみりとした寂しさに揺られて
まるで秋風のように温かみを失った人形の憂鬱
そして、拉がれている少女はその白い手に握られた
僅かな希望を、夕空へと投げ出した


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軋轢→あつれき
拉がれている→ひしがれている
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みやすけの詩 おお、ボードレールよ! その2

2010年02月17日 | 初期中期の詩
おお、ボードレールよ!
おまえはこの狂気の中で
己の運命に酔いしれ、孤独の中で悶え
迸る言霊の閃光に、
私の脳髄は快楽の中で焼き裂かれてしまった

おお、忌わしい悪戯の夢想!
悪魔に脅かされた腺病質な筆の中に宿る魂よ!
おまえはこの炎に包まれた罪の紋章を
緊縛された身体に永遠に刻印され
もがき苦しむその無様な様子を
光を失った民衆によって足蹴にされるのだ!

ああ、何という浅ましい悦びであろう
おまえの言葉に記されるあらゆる苦悶は
これからも偶像のように崇拝され
誰からも恐れられる畏怖の存在に堕ちてしまう
おお、何という悲劇、何という世の破廉恥さよ!

おまえはこれからも永久に、湿り切った
牢獄に幽閉される哀れな闘士だ
おまえはこの呪縛からもう逃れる事は出来ない
運命はおまえの存在に唾を吐き捨てたのだ
言葉に出来ない憤りを唾棄するように
世界の淀んだ潮流に絶望するかのように

そして私は瞳を伏せてはおまえを罵ってやる
なぜおまえはこの世に生まれてきたのだと
なぜおまえはこんなにも
美しい詩情を綴ろうとしたのかと…


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みやすけの散文詩 紅の世界

2010年02月15日 | 初期中期の詩
溶鉱炉のメルトダウンは、浅はかな心地の中で、軽やかな淋しさに寄り添うように、恍惚としている朝日の湿潤、唐突な暑さに身を焦がれる太陽の昇る午後の際限ない時間の豊潤。春の憩いの様なけたたましい逡巡を越えて、人里に暴れ回る鬼の哀愁を感じて、癇癪を起すのは、少女のいたいけな眼差しが送る憮然とした涙の雫。煉獄に苦しめられる人民よ、お前の喉元に流れる血潮は、ただの豊潤とした哀しみに過ぎない、お前が望む未来の展望、過去に経験してきたあらゆる元凶の元は、この世界を支配している愚鈍共の御手先で踊る人形の空想に過ぎないのだ。いいか、これが真実だ。この忌まわしい、奇天烈で、強固な妄想に満ちた地獄のような世界の流動は、古に呼び覚まされた悪魔のいびきに過ぎないという事を。薔薇の花は可憐に彩る才女の様な香りを醸し出す。例えそれが嘘なのだとしても、その乱流に、ほんの僅かな幸福を見出したのだとしても、それはただの真実として、あの神聖な後光に照らされた御身に掛けられた小便のように美しい。この世界の流動、法則は私の脳髄を、どうにかしてしまったらしい。幻想が煌びやかに、私の首筋を愛撫する。妖艶な計らいに戸惑う処女のように清純で、穢れのない身体に戒めの接吻を施す。甘美な夢心地にたゆたう俊敏な思考の戯れも、少女に寄り添う事で得られる安らぎの感情に引き付けられて、よりつく魔物の哀願とした表情に唆されて、私は永遠の真理を手に入れる事が出来るだろう。真実は常に裏の表層に張り付いているものだ。それは、絶えず逡巡の迷宮に老婆を連れ込み、手を結び合う愉しみは、絵画に描かれた写実主義の尖鋭たちによって偶像化されている。可愛い人よ。愛しい私の恋人よ。あなたの面影を見つめて、私は溜息を吐く芋虫のように、何もすることが出来ないでいる。そして今はただ、冬の景色に彩られる白雪のように心が辛辣だ。悦びは何処にある。悲しみは何処にある。あなたの茫漠とした影の合間を縫って、私は何処までも朽ちていく蝋人形のように哀れな存在だ。何が滑稽にした。何が私の心に灯を灯すのだ。心の中で脈打つ遠い昨日の歓びは、いつともない歴然とした信念によって開かれるのだ。ああ、無情。赤裸々に語り明かした会話の行いは、深い深淵に潜っていくかのような快楽をもたらすのだ。あなたは綺麗だ。私はその幻影に、無残にも酔い痴れている。災厄は何時になったら私の情緒に地獄の焔を浴びせ掛けるのだろうか。苦しみがほしい。悶え苦しむような苦痛がほしい。あなたに蔑まれる歓びを、私に接吻を施す様に、差し向けてほしい。そして私は眼を閉じる。永遠に。そして永遠に…
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歌詞翻訳 ERIC CLAPTON - change the world

2010年02月14日 | 歌詞翻訳

change the world

もしあの星に手が届くのなら
君のために採って来てあげよう
その明かりが、僕の気持ちを照らしているから
君は、真実の姿を知る事が出来たんだ
その時の想いの全てを、知った気になって居たけど
でも今にして思えば、それも僕の思い込みだったんだね  

この世界を変えられたなら
僕は、君の宇宙を照らす光になろう
僕の想いは本物だったんだと、君は思えただろうね
ああ、この世界を変えられたらな…

僕がある日、王様になれたら
君を王妃として、迎え入れよう
それから僕たちの想いで、この国での約束を育んで行こう
この願いが叶うまでは、僕ももぬけの殻さ

この世界を変えられたなら
僕は、君の宇宙を照らす光になろう
僕の想いは本物だったんだと、君は思えただろうね
ああ、この世界を変えられたらな…
ああ、この世界を変えられたらな…
僕は、君の宇宙を照らす光になろう
僕の想いは本物だったんだと、君は思えただろうね

ああ、この世界を変えられたらな…
ああ、この世界を変えられたらな…
ああ、この世界を変えられたらな…

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みやすけの詩 雨の日

2010年02月11日 | 初期中期の詩
雨だれに透き通る憂鬱を思い出して
水が滴るような淡い情緒の黄昏を
感じながら、揺れ動く言霊の旋律を
思い描いて、私は再び涙に暮れる

寒さが妙に心の奥底を這いつくばりながら
虚しさ溢れる風の音を聴いて
疲れ果てた鼓動のためらった息遣いは
湿潤した地の底を這うような憤りに満ちている

素朴な魅力は、猛々しい現実の抑止力に
あなたを導いて行くだろう
そして、壊れた玩具でもてあそぶように
雨の降る今日という一日を、魅力の失った
老婆を慈しみながら、
再び過ごしていくのだろう
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みやすけの詩 命の計らい

2010年02月09日 | 初期中期の詩
取り繕う事は恥ずかしい事じゃない
哀しみは幾度となく繰り返された
純情に猛々しい魔の手が差しかかり
そのいたいけな幼女の首元を
妖艶と艶やかな白い手で静かに絞め殺すのだ

其処には恥じらいの快楽が犇いていて
事後の虚脱に身体の力は永遠に奪われてしまう

そして、その亡骸に惜しむ様に平伏しては
打ち付けられた憎しみ、憎悪の混乱を
諌める様に、その少女の膨らみかけた乳房を
狂気の渦に引き裂かれながら吸うのだ

荒唐無稽な計らいなどいらない
ただ真実として浮遊するのは
命の尊さを弁える事のない、永遠の地獄なのだ
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みやすけの詩 混迷

2010年02月06日 | 初期中期の詩
夕暮れが惑うこ惑の源へ
切磋琢磨と紡いでいく性別を超えた
イニシアチブに浸されたおぞましい哀しみ
幾憶千にも輝いている嘘の塊たちは
劣悪な環境で叫び嘆いている娼婦の様に
次元を超えた更なる混乱を招き入れるのである

幻想はあからさまな常軌を嫌う
入れ墨に託されたのは人の心が想う、
冷徹な心境の変化に、散々に蹴散らされた屍の腐臭
言論に秘められた秘密を探して
彷徨う人の表情はいつもにやけていて

気持ち悪い

ああ、気持ち悪い…

助け起こされた拍子に転げ落ちたのは
自分の忘れていた、過去に犯した女の憎悪
静寂なんて馬鹿らしい
憩いなんてあの世の憂いの様だ
殺伐とした今世紀の狂気に踊らされて
混迷し、情緒の乱れた聖者の行進は、
今夜も果てしなく真実へと赴いて行くのだろう
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