あす中台窓口トップ会談 台湾野党10万人抗議
2009年12月21日 朝刊
20日、台中市で、中台窓口のトップ会談に抗議するデモ行進で気勢を上げる民進党の蔡英文主席(中)と謝長廷元行政院長(首相)(左)=栗田秀之撮影 |
【台中(台湾中部)=栗田秀之】台湾の野党民進党など在野勢力は二十日、台中市で二十二日に行われる中台窓口機関のトップ会談に抗議する大規模なデモ行進や集会を会談が予定されているホテル周辺で繰り広げた。
野党陣営は会談を「密室協議で台湾の将来を決定する」としており、中国の海峡両岸関係協会、陳雲林会長の台湾滞在中、断続的に抗議活動を続ける。
陳会長は二十一日に来台。トップ会談では、台湾の海峡交流基金会、江丙坤理事長との間で農産品の検査検疫協力など四項目の合意文書に調印。正式議題ではないが、中台間の自由貿易協定に当たる経済協力枠組み協定(ECFA)についても、来年早々の公式協議に向けて話し合い、二十五日に帰国する。
これに対し、民進党などは、とりわけECFAに関し「中国の統一戦略に巻き込まれる」として、締結の是非に関する住民投票の実施などを求めている。
抗議活動には主催者発表で十万人以上が参加し、「一辺一国(台湾と中国はそれぞれ別の国)」などと声を張り上げた。
民進党の蔡英文主席は、集結した民衆を前に「台湾の最大の問題は、台湾を中国との統一に導く馬英九総統だ」と訴えた。