されど鹿児島

日々の生活の中で見聞したことをメモと画像で綴るブログ

禁煙

2005年11月13日 | その他
人間ドックの肺活量検査項目の一つに一秒率の検査がある。
平成6年だったと記憶しているが,大きな筒状の器具を口にくわえ,一気に息を吐き出すのだがうまくいかず何回も繰り返しさせられた。最後は息を吐くのが苦しくなり,検査結果もよくなかった。
 当時,タバコを一日に50本ほど吸っていたので,これはタバコのせいだと思い,医者からは何も言われなかったが,その日にタバコを止めた。ポケットのタバコをその場で捨て,禁煙宣言をしようと思ったが,これまで何回も禁煙に失敗しており,ふと思い出したのが古い話だが徳川無声氏が唱えていた禁煙方法だった。
 それは,煙草を手元に残し,いつでも吸えるぞという安心感を持って禁煙し,そのことを誰にも言わないことだった。箱に残っているタバコとライターを職場のデスクの中のすぐ見えるところに仕舞い,「俺は,また,いつでもタバコは吸えるのだ」という安心感のために手元に残した。そして禁煙することは誰にも言わないで実行した。吸いたい衝動にかられた悪魔がやってきたら,あえて引出しを開け,「ああここにあるある何時でも吸えるから今は止めておこう」と眺め,心を安心させていた。
 一年近くが経った頃,転勤を命ぜられ,机の整理のときにあの時のタバコ5本とライターに感謝を込めてお別れし,今日に至っている。あれから10年以上経ったので肺は綺麗になっていると思うが,実に高級乗用車一台分を煙にした勘定になっていた。
 その昔,私がヘビースモーカーだったことは今は誰も知らない。