メガリス

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実在の坂本龍馬と、空想上の坂本”竜”馬は全く違う

2008年10月29日 23時27分00秒 | 幕末維新

 坂本龍馬が一番人気なのだそうだ。司馬遼太郎が空想歴史小説『竜馬がゆく』で描き出した架空の坂本“竜”馬の印象が強いのだろう。

 歴史的実在の坂本“龍”馬の人物像は、司馬による“竜”馬とは大きくかけ離れている。だからこそ司馬は自分の創作物の主人公の名前を歴史的事実とは異なる“竜”馬にしたのだとも言われる。(坂本龍馬本人は、自分の名を「竜馬」と表記したことは無いらしい。)

 坂本のことを「平和主義者」だとか古い考えにとらわれない「大胆な改革論者」だとか思っている人が多いようだが、フィクションに基づく幻想に過ぎない。
 「平和主義者」はピストルなど持ち歩かないし、其れを使って、捕縛を逃れる為とはいえ、捕り方を2名も射殺したりしない。(「刀でも、ひどく丈夫に結わえて、決して抜けないようにしてあった」勝海舟が「平和主義者」と呼ばれるならまだ判る。)
 「大胆な改革論者」は、徳川氏・諸侯ら旧来の支配層を維持したままの政治体制など提唱しない。(徳川氏やその周辺権力者の経済力・軍事力・政治力を徹底的に削ぎ、彼らによる支配体制を完全に終わらせるという変革を考え実行したのは“実質倒幕派”の西郷隆盛・大久保利通たちだ。彼らのおかげで、明治維新の最重要イベントであり日本の在り方を根底から変える大改革「版籍奉還」「廃藩置県」が大した抵抗や混乱もなく実行されたわけだ。)

 史実の坂本“龍”馬本人は、おかしな持ち上げられ方をされて、さぞや迷惑しているだろう。


 以下、iZaより引用。

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 【集う】シンポジウム 君に伝えたい、日本。

10/26 04:23更新
 米留学時代、困窮を極めながら、「貧乏を理由にカネはもらえぬ。私は武士の子だ」と援助を断った池田成彬(元蔵相)。明治末期に沈没事故を起こした潜水艇で、艇長以下全乗組員が最期まで持ち場を離れず、従容として死んでいった佐久間艇の話…。

   凛(りん)として、何者にもおもねることなく生きた日本人の姿を描いて好評を得た産経新聞オピニオン面のリレーエッセー(8~10月)。会場には、執筆者 のジャーナリスト、櫻井よしこ、評論家の日下公人、京都産業大学教授のロマーノ・ヴルピッタ、文芸評論家・慶大教授の福田和也、脳科学者の茂木健一郎の各 氏が顔をそろえた。

  誇り高く、高潔無私、徳を重んじ、和を尊ぶ。日本人には、世界に誇れる価値観がある。だが、近年の世界は、「グローバリズム」の名のもとに平準化が進み、日本もその波から逃れるのは難しい。そして今、アメリカ発の金融危機が世界中を揺るがしている。

   櫻井さんは、「そんなときだからこそ、(本来の)日本人の姿に戻り、日本の価値観を思いだすことが大事だ。そうすれば自信を取り戻すことができるし、かな りの懸案が解決できると思う」。茂木さんも、「“日本の知恵や美意識”は世界でもっと普遍的に語られてもいい。『われわれ(日本人)にはわれわれの基準が あるんだ』と本気で訴えてゆくことだ」と語り、会場から大きな拍手を集めた。

   参加者を対象にした「あなたの好きな日本人は?」のアンケートでは、多くの世代で「坂本龍馬」が1位。「聖徳太子」「吉田松陰」「西郷隆盛」らが続く。軍 人としては評価が分かれる「乃木希典(まれすけ)」も、若い世代と高齢者の人気を集めた。福田さんは、「有能無能の才ではなく、日本人は、乃木の『徳』を 評価したのだ」という。

  「われわれの先人には、美しい日本をつくった凛々(りり)しい日本人がいた」。2000人が詰めかけた満員の会場には、満ち足りた空気が流れていた。(喜多由浩)

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