小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

記事 「寝ても覚めても:(WBCへの)建前と本音=冨重圭以子」

2008年11月30日 | スポーツ
 中日の落合博満監督という人は、建前嫌いの人だ、とつくづく感じた。「球界は一枚岩じゃない。争っているんだから」と語ったそうだ。そりゃそうだな、と思うが、本音を口に出すところがすごい。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表候補選手に挙げられていた中日の5選手が、全員辞退し、事情を聴きにいった報道陣の前で話した。辞退はあくまで選手の意思で、球団も監督も指示したわけではない、とも説明したという。

 ただ、5人が偶然に同じ考えに至ったとは、考えにくい。指示した、とまでは言わないが、「やめておいたらどうか」といった示唆があったか、あるいは監督の考えを選手が察した、と見る方が自然だろう。

 だとしても、私は落合監督を批判する気にならない。本音で言えば、チームの主力を出場させたくない、と考える監督はほかにもいる、と思うのだ。

 オーナー会議でも実行委員会でも、建前では、12球団はWBCへの“全面協力”で一致していた。しかし本音は違う。前回のWBCでも“全面協力”のはずだったが、コーチを務めた大島康徳さんはブログで「直接的ではないにしろ、暗に『チームとして協力しない』という姿勢を取っている球団だって、1球団だけではありませんでした」と書いている。

 同じく“全面協力”の北京五輪では、出場選手のうち何人かは故障を悪化させた。ペナントの行方にも明らかに響いた。今度はさらに時期が悪い。開幕直前の3月の開催では、故障したときのダメージがより大きい。

 国際大会は盛り上がる。野球の発展のためには、必要なイベントだ。五輪からも除外されたからなおさらだ。そう思うが、落合監督の「選手にも生活権がある」という言葉にも、いまの状況では、うなずかざるをえない。

 長い道のりだが、WBCがサッカーのワールドカップのように、選手が目標とする大会、建前ではなく本音でも出たい大会にするしかないのではないか。そのためには、少なくとも3月開催の見直しと、大リーグ中心の運営の改善は、早急の課題だろう。

 前回監督の王貞治さんが「今度の(加藤良三)コミッショナーは、アメリカと話ができる。言いなりにはならない」と話したことがある。前駐米大使のコミッショナーが、得意の外交手腕を発揮して、期待に応えてくれることを望むばかりだ。(専門編集委員)

毎日新聞 2008年11月28日 東京夕刊

 去年のWBC後の故障者はどうだったのだろう。WBC優勝の陰で目立たなかったのでないのだろうか。北京オリンピック後の阪神新井、ソフトバンク川崎の故障は目立ったな。惨敗がおまけについてきた。WBCが、サッカーのワールドカップほどの歴史も権威もないからか。この中日の全員辞退で星野氏の苦言も出ていたな。何かケチがつき始めるとWBC連覇でもしない限りケチはとまらない気がする。

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3 コメント

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前回故障者 (野球大好き)
2008-11-30 03:44:55
東京ヤクルトスワローズの石井投手は、左肩痛で途中で帰国し、そのまま故障者として今年も復帰できていません。

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どうだろうね (wood)
2008-11-30 09:39:17
中日の5選手は来年ペナンとレースが始まったら球場で罵声が浴びせられるでしょね

サッカーワールドカップのように歴史はないがWBCの歴史を作ろうとしてるのではないだろうか?
職業野球人である事は分かります故障したら生活にも響きますからね!

でもメンバー発表後に即辞退とはWBC自体を拒否してますね
何のスポーツでも目指すところは世界一でしょ
その為に血を吐くような練習も耐えてきたのでは…
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コメント有難う (小父さん)
2008-11-30 15:56:17
野球大好きさんへ

 そうですか。やはりそういう選手もいるんですね。北京でも今はっきりは思い出せませんが、相当体調をくずした選手がいたように思います。


woodさんへ

 そうですね。ヤジは多いでしょうね。反対に北京から戻った選手が、試合と途中でコールされると大声援でしたね。

 WBCの拒否ですね。反対にMLBは北京オリンピックを無視したようですね。なかなか新しいことをやろうとするといろんなハードルがあるようです。

毎日新聞記事の冨重圭以子さんの結び、前駐米大使のコミッショナー得意の外交手腕を発揮してというくだりは、期待するほうが無理だとは思います。 
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