くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

吉村芳生 回顧展。

2023-08-25 | 日記

7月から県立美術館で『吉村芳生  回顧展』をやっており 行った人が皆
感動したと言いますので 行ってみました。

 

山口県出身の吉村芳生氏(1950-2013年) は 63年の短い生涯のなかで
どう見ても 写真でしょ?  にしか見えない 緻密な鉛筆画を残しました。

氏は花の写真を撮り 写真をもとに 鉛筆だけで大作を仕上げていきます。
 

展示作品のうち写真撮影OKには 2011年東日本大震災の鎮魂として描かれた
『無数の輝く命に捧ぐ』 がありました。
 
 

花びらの1つ 葉の1枚まで精巧緻密に描かれ 近くで見ても これが鉛筆画?
とだれもが思うようで この絵の前ではしばらく動きません。

大震災が起きた2年後に氏は病死していますので この大作を短期間で仕上げた
ことになります。 1つ1つの花の底から 発光しているように見えました。 

 
 
 
 

今回の展示は320点と新聞に出ていました。その中でもっとも多い枚数は おびただしい
数の 新聞に描いた自画像です。こちらは撮影禁止のため 高知新聞の写真をお借りします。
 

壁いっぱいに展示された自画像は 日本の各新聞はもちろん 英字新聞にも描かれ
さらに驚くことは 自画像の土台になる新聞の 文字や写真もすべて鉛筆画とのこと。

 

気が遠くなるほどの時間をかけ 貴重な鉛筆画を残した吉村芳生氏は まだ
時間が欲しかったことでしょう。

気が長い・根気強いなどの表現でなく 超人のなせるワザとしか思えません。

制作中は何を思いながら鉛筆を走らせましたか?  色鉛筆を使うとき頭の中は
絵のことだけでしたか?  長時間の集中力は どうやったら身につきますか?

などなど お聞きしたいものです。
  

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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鉛筆で。。。 (よう)
2023-08-25 07:26:03
ふつうのひとには できない技ですね。
根気だけでもむりだけど 発想とセンスがないと。
新聞紙に顔を描いたりしたら 穴があいたりしない? とおもったら
新聞すら鉛筆で描いたもの なんですね。
目の前で見たら圧倒され 近寄ってみたら動けないですね。
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くりまんじゅうさんへ (遅生)
2023-08-25 08:25:32
うーん、すごいとしか言いようがないですね。
これを鉛筆で、どうやって描くのでしょう。
驚くばかりです。
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くりまんじゅうさんへ (Dr.K)
2023-08-25 08:59:44
これは凄いですね!
新聞も鉛筆で描いているのですね!
しかも、大量に!!
凄い労力ですよね。圧倒されますね!
返信する
圧倒されます (おもいつくままに)
2023-08-25 09:58:21
パソコンで、A4のちょっとした絵を
数時間かけていい加減に描くだけでも、
ウンザリなのに、・・・。
どれだけの時間をかけられたのか!
すごいです。圧倒されます。
返信する
ようさんへ (くりまんじゅう)
2023-08-25 10:02:12
バックが新聞紙の自画像は 当然のことに新聞に描いたものと思いますよね。
途中で 新聞も全部自分で描いたものとの説明を見て もう一度最初に戻り見ました。
英字新聞に描かれたものはアルファベットに個性が出ていますが
日本の新聞は これも吉村作ですよ と言われても信じられない出来です。
生きていたら今73才 と思えば惜しいですね。
神様がもっと彼に 時間を授けて欲しかったですね。
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Unknown (はちきんイジー)
2023-08-25 10:17:42
これは素晴らしい
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遅生さまへ (くりまんじゅう)
2023-08-25 10:40:42
もらったパンフレットに書いてありましたが 吉村氏は対象物を撮った写真を
引きのばして細かなマス目を引き 1マスずつ機械的に模写するという技法で
↑の藤の絵は何枚かの写真の それぞれいいところを選び出し描かれたもの
との説明でした。模写が済んで色付けも 気が遠くなるほどの時間がかかった
でしょうから 寝る時間以外は描いていたと思われます。今30才の息子さんが
父を継いでいるとの説明でした。
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Dr.Kさまへ (くりまんじゅう)
2023-08-25 10:51:21
今回の回顧録は高知新聞社主催で 開催に当たって新聞社の説明に
『吉村の真骨頂は細密描写の技術力と それをくり返す持久力
途方もない時間と並々ならぬ執念を注ぎ込んだ手作業に 凄みを感じる』
と書かれていました。まさにその通りですね。超絶技巧を超えている
とも書かれていました。作品全部が吉村氏の生きていた時間 と思えました。
スルーせずに 行って良かったと思いました。
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おもいつくままにさんへ (くりまんじゅう)
2023-08-25 11:03:49
おもいつくままにさんはPC技術に長けておられ 見せてもらう絵は
PCを使ったものですね。そうでしたか PCでA4サイズの絵を描くにも
数時間もかかるのですね。吉村氏の技法や集中力・ 正確さにはだれもが
目を見張りました。8/27が展示の最終日ですので 今日あたりからまた
人が増えているでしょう。短い生涯の氏でしたが この素晴らしい作品は
残ります。変色・変質のないよう保存して欲しいですね。
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はちきんイジーさんへ (くりまんじゅう)
2023-08-25 11:11:48
イジーさんがまだこちらにおられた頃には 高須の県立美術館は
できていましたよね。敷地が広く駐車場もたくさんあり 朝晩にここの庭園を
散歩する人たちもいます。貸し舞台もありますので子どものピアノの発表会
などもやっています。時々昔の映画が上映され千円で見られますので楽しみです。
今回の展示はあちこちの美術館で展示され あさっての高知が済んだら次の
展示場へと移るでしょう。行って良かったです。
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