ヨガで呼吸法が大事と言われるのはなぜ?
身体を動かしたり筋肉を伸ばしたりするヨガで、そもそもなぜ呼吸法を大事にするのでしょうか。ヨガでは息を吸うことと吐くことをどちらもバランスよく行うことを重視しますが、いずれも鼻で行う「鼻呼吸」が基本です。これは、鼻呼吸で息を吸ったり吐いたりすることで、無意識に腹式呼吸ができるからです。
しっかりと腹式呼吸ができると、副交感神経が活発になり、気持ちが落ち着きリラックスすることができます。リラックスしながらヨガのポーズを取ることでより効果が得られることから、鼻から息を吸ったり吐いたりすることによる腹式呼吸が重要視されています。
ヨガの呼吸法では腹式呼吸を意識
ヨガの呼吸法で大切な「腹式呼吸」ですが、普段私達が行っている呼吸とは何が違うのでしょうか。普段意識せずに行っているのは「口呼吸」で、これは口から息を吸ったり吐いたりしている状態です、吸った息は身体の浅い部分の肺のあたりにしか行きわたらないため、全身をリラックスさせることはできません。
腹式呼吸の場合は、吸った息が、お腹にまで行きわたり、お腹を膨らませながら息を吸い、お腹をへこませながら息を吐くことにより、酸素を身体全体に行きわたらせることができます。
腹式呼吸で自律神経が整う
この腹式呼吸により得られるメリットはリラックス効果だけではありません。人間の身体は副交感神経と交感神経がバランスをとりながら身体のパーツの働きを調節しています。副交感神経と交感神経のバランスが乱れてしまうとさまざまな不調をきたしますが、いずれも意識的にコントロールすることができません。
しかし呼吸法を意識することで、自律神経にアプローチすることが可能になります。腹式呼吸で息を吐くと副交感神経が活発になり、腹式呼吸で息を吸うと交感神経が活発に働きます。腹式呼吸によりゆっくりと息を吐く」ことで副交感神経が優位になり、自律神経のバランスをとることができます。
内臓機能をアップさせる&リラックス効果も!
さらに腹式呼吸には内蔵機能をアップさせる効果があります。肺呼吸ではなく腹式呼吸により横隔膜・腹斜筋・腹横筋などのインナーマッスルを使います。インナーマッスルを使うと鍛えられ、内臓機能が向上し身体を冷やさないようにしてくれます。
また、脳内のセロトニンという物質が不足すると、うつなどの精神的な不調に陥りやすいと言われています。このセロトニンは脳内のバランスを整えて、気分や集中力に影響を与える物質ですが、実は腹式呼吸を10分以上続けることで、セロトニンの分泌が高まると言われています。セロトニンが増えることでリラックス効果があるのが嬉しいですね。
腹式呼吸のコツは?
腹式呼吸によりたくさんのメリットがあることがわかりました。しかし、普段慣れていない腹式呼吸は少しコツを必要とします。その方法を解説していきます。
息を吸う&吐く腹式呼吸のコツ
まず、慣れないうちは、お腹に手を当ててお腹に空気が入っているかどうかを確認しながら腹式呼吸に慣れていきましょう。最初に体の中の空気を全部吐き出します。そして口をすぼめるようにして、「ふー」と声を出しながら長くゆっくり息を吐き出していきます。体の中にある二酸化炭素を全部吐き出すようなイメージです。体内の空気を全部吐き出すことができたら、お腹に空気を戻すように鼻から空気を吸います。
コツとしては、長くゆっくりと息を口から吐き、そして鼻から吸うことです。慣れてくるとヨガのポーズをしながらでも自然とできるようになります。
息を止める腹式呼吸のコツ
腹式呼吸には、途中息を止める「完全呼吸法」というものもあります。先ほどの腹式呼吸の手順の中で、息を吸い込んだ後3〜6秒程息を止める方法です。息を止め、体内で酸欠状態になった脳は体内の酸素量が少なくなっていると判断し、多くの血液を脳に運び出します。
そうすることで酸素を含んだ血液が通常以上に脳にいきわたり、脳が活性化します。ヨガのレッスンで「息を止めて!」という場面があれば、それは脳の活性化を目的に行っていることです。ヨガのポーズと組み合わせることでより効果を実感することができるはずです。
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