バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

小学生とおじさんのハーモニー

2008年02月10日 23時42分49秒 | バス運転士
午前中は普通の路線バスを、午後は某市地域巡回バスをやりました。日曜日ということもあって、地域巡回バスにはチラホラと小学生が乗りました。

某大手ショッピングセンターから乗ってきた女子小学生5人組。子供らしくおしゃべりしていたが、急にその中の一人が私に向かって「車内携帯よろしいでしょうか?」と問いかけたのである。この私に「電話をして良いか」と…。私は「あまりよろしくないですねぇ…」と答えた。すると彼女は「あぁ~、○○で降りてすぐに掛けるか…」と諦めてくれた。が、そこへ相手から電話が掛かってしまった様子で(マナーモードにしていたのか、着信音は鳴らなかった)、「あ、バスの中… 掛けてもらっちゃ困るんだけど…」と言っていた。その後、彼女一人だけが予定よりも手前のバス停で降りて走って行った…。

某駅で全員が降りて、乗ってきたのは一人のおじさんだけ…。男二人を乗せたバスは、次々とバス停を通過して行く。車内にはバス停の案内をする私の声が響いているだけ…。そして、某プール施設で時間調整のために停車した時、おじさんが「座席が濡れているんだけど…」と言った。私は「えっ!?」と驚いた。「一番後ろに座ったんだけど、ズボンにジワッときて… 濡れちゃったよ」と、おじさん。「そうですか… 申し訳ございません」と、私。「水なのか何なのか… ベタベタとはしていないようだけど…」と、おじさん。「誰からも何も言われなかったもので、気付きませんで… 申し訳ございません」と、私。発車時刻が迫っていたので少し迷ったが、このまま中途半端に終わらせてはいけないと思い、私は運転席を立った。そして、問題の座席をチェックすると、確かに濡れていた。手を当てると、ハッキリと湿度100%が伝わってきた。私は「これはいけませんね。ありがとうございました」と言いながら、何かを探した。「確かに、ベタついていないので水かもしれませんね」と言いながら、探し続けた。おじさんは「水ならばいいんだけど… まさか私が何処かで濡れて来て、気付かずに座ったのかなぁ?」なんて言い出した。私はすぐに「いやぁ、それはないでしょうねぇ…」と、おじさんはシロだと言いながら、座席の上に載せるものを探して… その時、私が運転席で使用している座布団が目に入ったのであった。再度、おじさんに謝罪と感謝を繰り返しながら、座席に座布団を置いた。そして、発車時刻から遅れること約2分、私は運転席に戻って運行再開… そこで私は思い出した。約100分前、ココへ来た時に男子小学生3人組が乗ってきて、一番後ろに座って騒いでいたことを…。故意か過失かは不明だが、プールから出てきた彼らが犯人であることに間違いはない! それをおじさんに伝えると「だったら、ただの水だね。別にいいよ…」と言った。私は何度目になるか「本当に申し訳ございません」と言った。優しいおじさんで良かったぁ~!!

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