朱禪-brog

自己観照や心象風景、読書の感想
を書いてます。たまに映画も。

グレイス・ペイリーを読んで

2021-11-06 08:50:07 | 日記
グレイス・ペイリー
村上春樹(訳)

10編の短編集
ペイリーが台所でコツコツ書き上げた
そうな。
村上春樹氏は小説家であると同時に
翻訳家でもあります。

執筆がなんらかの要因で(要因が何だったのか忘れました)滞った時には、翻訳作業を行い、一旦落ち着かせるとあったと思います。

氏はレイモンド・カーヴァーの熱心な
紹介者でありよき理解者、そしてよき
翻訳者でもあります。

グレイス・ペイリーさんも
村上春樹氏の遠い太鼓で知りました。

直感的に読んでみたい願望にかられて
注文したんですね。

以下感想です。

面白くてグイグイ引き込まれる散文では
ない。
しかし、読み始めると自然と頁を進めて
しまう。

ここには、啓蒙や打算やよりよい生き方
と為のヒントがある訳ではない。

作者自身を投影させつつ
(それは現実に生きている世界)
こうあるべきは微塵もなく
見知らぬ世界の扉をそっとささやかに
現実を生きる一人の女性として
報せてくれる。

見知らぬ世界をそっとささやいて
教えてくれたことに慈愛を感じる。








遠い太鼓

2021-11-04 07:09:13 | 日記
どこかの異国で釣り上げたタコを
バシバシと地面に叩きつけ洗濯物
のように干すという記述を思い出し
散々探し回った結果

村上春樹氏の「遠い太鼓」でした。
氏がノルウェイの森とダンス・ダンス・ダンスを書き上げた時期
ヨーロッパにいた1986年から1989年までの3年間に渡る旅行記です。

個人的には旅行記というよりも
氏の内観記と受け取っています。

こうして、引っ張り出して
古い本を夜中に読むのも紙の本の
味わいかもしれません。

味わいの副産物ではないですが
ブロッサムディアリーという
JAZZシンガーとも本の中で再会し
昨日に続いて、今日もお仕事がんばり
たいと思います。