久々の読書感想文。
五十嵐貴久さんの、青春ドキドキワクワク小説です。
ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、この五十嵐貴久さん、とにかくエンターテイメント!!
しかし、そこにジャンルのあれはない。
高校生が主人公の青春ものあり、中年女性が主人公の青春ものあり、はたまた手に汗握るサスペンスあり、手に汗握るホラーあり、時代を超えるSFあり、江戸時代の時代劇あり。
しかもねー、おこがましい言い方ですが、文章がとてもプレーン。
言い回しとか、言葉の並びとかが、とてもとても普通。
ストーリーばかりがスラスラと頭に入ってきます。
そうね、1ページ読んだだけでは、五十嵐さんの作品だとはわからないでしょう。
しかし、全部読むと、ああ、やはり五十嵐さんだなあ、と唸る感じ。
劇団で台本を書いている者の端くれとしては、大変奮い立ちます。
ストーリーの中であれがああしてこうなって、ああ、ただ面白いだけだと思っていたあのエピソードがここにこうつながってきて、ああ、あの小道具が、あのセリフが、あの約束が、ここでこうつながってきてそして次へとつながって行って、最終的には、ああ、もう、なんだかスッキリ!!!
ああああーーーーーうらやましい!!!!!!!!!!!
さて。この、「ダッシュ!」ですが。
青春ドキドキワクワク小説です。
いやー、たまらん!!!
高校生の物語ですよ。陸上部のね。
だけど、陸上部がメインなんだけど、もう、それは、ベースなんですよね。基礎。基礎。
時間との戦い。
あれやこれやで。
その中のとあるクライマックス。
とあるコースを、時間との戦いで駆け抜けます。
スタートダッシュまでも相当ハラハラさせられたというのに。
お約束のストッパーが次から次へと襲いかかります。
読んでいる私は、次の日は、特別早起きだったので、その緊張も手伝って、一睡もせず明け方までかかって読了。
途中でやめられなかった。
そしたらねー、たまたまですが、次の日の早起きで行った先でそのとあるコースを目の当たりにしまして。
まー、興奮するする。
しかし、その興奮を誰とも分かち合えず。
同行の人にその興奮を喋ろうとするのですが、もし、この同行の人が興味を持ってこの小説を読んでみようと思ったら、そりゃあもうネタバレになるし。
だって、スタートダッシュまでもスタートダッシュするかどうかハラハラするのよ。
しないはずはないんだけどね。しないはずはないんだけど、どうにもなかなかしそうにならない。
時はどんどん過ぎていく。
あああ、もうっ、もうっっっ!!!
てなわけで、たいへん面白かったです。
うん。
なんかねー、もう、羨ましいよ。