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Milton Ezrati Contributor
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I consult on economics and investment strategy and serve as chief economist for the NY-based communications firm, Vested.
I am a contributing editor for The National Interest and an affiliate of the Center for the Study of Human Capital and Economic Growth at the University at Buffalo (SUNY).
In my long career in finance, I have held positions as portfolio manager, director of research, and chief investment officer.
My most recent book, Thirty Tomorrows, takes up the question of how economies can meet the challenge of globalization and aging demographics.
I hold an MSS in mathematical economics from Birmingham University in England and a BA in economics from the State University of New York at Buffalo.
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台湾はビジネス面で日米欧と同じ道を歩んでいるようだ。
ほぼ同じ理由から、台湾の強力な経済界は投資・貿易・調達先を中国から東南アジアや南アジアへと多様化させている。
一部の台湾企業の投資は米国にさえ流れている。
中国政府はこの傾向を快く思っていない。
経済が低迷している中国にとって今、台湾企業から何十年にもわたって注がれてきた支援を失うのは最悪のタイミングだ。
外交上の配慮から、台湾は他国よりも控えめに舵の切り替えを行っている。
米国と異なり、中国に対して露骨な敵意を示していない。
また、米国や欧州連合(EU)のように中国からの輸入品に新たな関税を課したり、特定分野の投資を禁じたりもしていない。
だが欧米や日本の経済界と同様に、台湾経済界が反中的な行動を取っていることは明白だ。
これらの経済界が中国を拒絶するビジネス上の理由はほぼ同じだ。
これらの経済界が中国を拒絶するビジネス上の理由はほぼ同じだ。
世界の先進国は何十年もの間、調達や操業、投資において中国を魅力的な場所と見てきた。
中国での生産コストは安く、操業は頼もしいものだった。
中国政府は通常よりも厄介な要求を外国人に突きつけてきたが、
低コストと大きな信頼性はこうした過大な要求を補って余りあった。
貿易と投資は盛んに行われるようになったが、近年、このバランスは劇的に変化した。
中国の労働賃金は急速に上がり、世界(特にアジア)の他地域よりも上昇ペースは急だった。
それに伴い、中国がかつて有していたコスト面での優位性は失われた。
最近の人民元安はその優位性をいくらか回復させたが、外国企業は通貨の価値の変動性を認識しており、必然的に長期的な観点からの決定においてはほとんど考慮に入れない。
信頼性という点においても、コロナ禍での出荷停止や長引くゼロコロナ政策によって、かつてのような大きな魅力は失われた。
同時に、最近は中国政府の安全保障への執着により当局の介入姿勢がこれまでになく前面に出ている。
魅力の減少と強硬姿勢の強まりという組み合わせは、各国企業の中国評に影響している。
台湾企業の方針転換は明白だ。
台湾にとって中国は依然として最大の貿易相手だが、2021年以降、台湾の全貿易に占める中国のシェアは着実に低下している。
同年、中国と台湾の貿易額2084億ドル(約34兆円)相当で、台湾の貿易総額の約4分の1を占めていた。
それが2023年には、ほぼ20%減の約1660億ドル(約27兆円)となり、かろうじて全体の5分の1を超えた。
対照的に、台湾と東南アジアの貿易総額は2021年に1175億ドル(約19兆円)だったのが翌年には1346億ドル(約22兆円)へと、1年間で10%近くも増加した。
対照的に、台湾と東南アジアの貿易総額は2021年に1175億ドル(約19兆円)だったのが翌年には1346億ドル(約22兆円)へと、1年間で10%近くも増加した。
台湾の中国への輸出依存度も縮小している。
香港を含めても、直近の輸出額は2018年以降最も少なくなっている。
減った分の大半は東南アジアに流れている。
中国政府にとってさらに厄介なのは、台湾からの投資の流れが劇的に変わっていることだろう。
中国政府にとってさらに厄介なのは、台湾からの投資の流れが劇的に変わっていることだろう。
2010年以降、台湾企業による対中投資額は減少し続けている。
2023年は前年比約40%減少の41億7000万ドル(約6700億円)相当で、2018年の3分の1以下だった。
その減少分を超える額が東南アジア、特にシンガポール、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイに流れている。
これらの国々には現在、台湾企業による投資の約40%が注がれており、この割合は対中投資よりも大きい。
台湾からベトナムへの投資はわずか数年で4倍に増え、特に中国指導部が最も関心を寄せているハイテクの電子機器分野への投資が増加している。
台湾のハイテク企業であるフォックスコン(富士康)、ウィストロン(緯創資通)、ペガトロン(和碩聯合科技)、クアンタ(広達電脳)は、いずれもベトナムでの事業拡大を計画している。
中国政府はこうした経済的現実を好まないが、同時に厄介なのは、台湾の脱中国の動きが安全保障に及ぼす影響だ。
東南アジアや南アジアと台湾の間で貿易や投資が活発になるほど、アジア諸国が台湾に寄せる関心は大きくなり、中国による圧力に抵抗する可能性も高まる。
これらの国々に、中国が脅しとして繰り返す台湾の実効支配を阻止する軍事力があるなどと主張する人はいないだろうが、より多くの国々が関心を寄せることで、中国は台湾に対して強い態度に出づらくなる。
翻訳=溝口慈子
(forbes.com 原文)
翻訳=溝口慈子
(forbes.com 原文)
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