グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

《スピーチ》 租税回避地および資本逃避との闘い

2007-10-19 | 国際連帯税&リーディンググループ国際会議
        <ブラジル南部・ポルトアレグレ市の広場にて;記事とは無関係です>

先の連帯税に関するソウル国際会議で、Tax Justice Network(税公正ネットワーク)の国際事務局長ジョン・クリステンセンが「租税回避地および資本逃避との闘い」と題してスピーチを行いました。驚くほど巨額な数字が並びます。

・個人が租税回避地に保管している民間の富の蓄え--約11.5 兆ドル(1,380兆円)
 ⇒大部分は先進国由来だが、かなりの割合が途上国からも(含むアフリカ)
・この未申告の資産が創出する収入--年間約8,600 億ドル(103兆2,000億円)
・この収入の未申告により失われた税収--年間約2,550 億ドル(30兆6,000億円)
・腐敗によるアフリカ大陸からの資本流出--毎年1,480 億ドル((17兆7,600億円)

なお、昨年5月国際金融・開発・環境の専門家であるソニー・カプーアが千葉大学で講演しましたが、その際の資料の中に南アフリカの「対外資本流入・流出の主要源」というのがあります。それを見ると資本流出による赤字が貿易赤字や債務による赤字をはるかに上回っている様が一目で分かります。

従って、アフリカ諸国が貧困から脱出するには、開発援助も債務帳消しも公正な貿易も必要ですが、資本流出を防がないことにはどうしようもありません。アフリカの人々の手による自国政府の腐敗防止・グッドガバナンスを要求する活動と共に、タックスヘイブンや銀行の秘密主議をなくしていく先進国側の活動が重要です。

◆スピーチ「租税回避地および資本逃避との闘い」を読む → PDF
◆南アフリカの「対外資本流入・流出の主要源」を見る → PDF






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