仕事がら ときどきお肌の相談を受けます。
春ごろから肌トラブルの相談を受けてた方がおひとり・・
ここ数か月すっかりトラブルがなくなって安心していたのですが
今週になって まだ以前と同じく赤み、熱感、腫れ・・・
よくお話を聞くと 止めていた化粧品を2~3日前から付け始めた とのこと。
「すっかりよくなったからもうそろそろ大丈夫かと思ったのに。
自然派の無添加化粧品なのよ・・・だから悪くないはずでしょ」
何度も説明を繰り返しているのですけどね、
「自然派だから安心とは限らない。
化粧品が良い悪いとかじゃなくって どんなに良い品質のものであっても
肌に合わないってこともあるんですよ」って。
なかなか理解していただくのが難しいこともよくあります。
この手の問題については 以前にも書いたと思う(たぶん)のですが
おさらいとしてもう一度。
ちょっと考えてみて下さい。
『無添加化粧品』とか『無添加石けん』とかよく聞きますが
これらの『無添加』って本当の意味は何を指していると思いますか?
質問を変えましょう。
香料の入っていない化粧品をAとします。
着色料の入っていない化粧品をBとします。
防腐剤の入っていない化粧品をCとします。
さて、『無添加化粧品』と呼べるのはABCのどれでしょう?
答えは ABC全部 『無添加化粧品』と呼べるし、そういわれて販売されています。
Aは香料入れてないんだから「(香料)無添加」
Bは着色料入れてないんだから「(着色料)無添加」
Cは防腐剤入れてないんだから「(防腐剤)無添加」
極端にいえば Aの(香料)無添加化粧品の場合
防腐剤や合成界面活性剤、酸化防止剤、色素安定剤、鉱物油などもろもろは
たっぷり入ってるかもしれません。でも『無添加化粧品』なんです。
だって香料は入れてない(=無添加)だから。
メーカーも決して消費者をだましているとかではなく
そう表示していいよ って法律で認められているのです。
でも 周りを見渡してみても 「無添加」って言葉の意味を
大半のひとが「合成のもの、化学薬品的なものは一切入っていない。だから安心安全」
と誤解してませんか?
ついでにいうと
「天然素材」と「天然由来」も似ているけど別物です。
よく聞きますね「天然由来成分配合」のキャッチコピー
「天然素材」とは天然の植物や鉱物から化学処理を行わずにそのまま
素材の一部を取り出したもの。
オリーブオイルなどの植物油だったりエッセンシャルオイルだったり。
「天然由来成分」とは 鉱物・植物など天然の素材に化学処理を
ほどこしてできたもの。
石油も天然素材なので 石油を加工して作られたモノだって
「天然由来成分」なのです。
天然由来成分が良くないって話ではありません。
一般の化粧品は法律的に 市場に出したときの品質が2年(だったかな?)は
保たれなければならない という規制があります。
2年の品質が保持できない場合は 使用期限を必ず明記することが
義務付けられています。
ただあんまり見たことないですよね?
ってことで使用期限と作ったヒトのサインが貼り付けられている化粧品
の写真(画像下)載せてみました、参考までに。
ワタシが使っているスキンケア化粧品、使用期限(目安は50日)と
とても短い
(この化粧品についての詳細は最後に・・・)
もし仮に天然素材そのままの原料で化粧品を作ったとしたならば
時間がたてば天然だからこそ腐ったり劣化したりするのは当然のこと
劣化したり傷んだ化粧品を使えばそれこそ肌によいはずはありません。
手づくりコスメだって素材にもよるけれど 1週間以内に とか1ケ月以内に
とか使用期限はかなり短いのです。
化粧品の材料となる天然素材の成分の品質を長期的に安定させたり
成分の品質を高めるためには なんらかの処理が必要になるわけです。
その処理をされたものが天然由来成分
だから全否定するつもりは まったくありません。
ただ 天然の素材の成分を引き出すために化学薬品を使ったとしても
それは「天然由来成分」って呼ばれているんですよ ってことを
あまりにも知らない方が多くて
「天然」=自然のままの と思っていて
天然由来成分=天然素材のまま ナチュラル とほとんどの人が誤解して
それを利用した企業が
「天然由来成分使ってるから自然派です~
安全です~ 安心です~ 」って誇大広告しているのはちょっと気になるのです。
天然素材そのままだからって安全とは限らないのに というものまた
なかなか理解されてる方が少なかったりするのも別の問題があるのだけど。
小麦アレルギーだって ナッツアレルギーだって 花粉症だって
うるしにかぶれたりするのだって 草むらに入って草まけするのだって
全部相手は 天然素材 です。
人によっては 肌によっては 害となるのです。
それはまたちょっと置いとくとしても
『天然のもの』にこだわって商品を選びたいのだとしたら
『無添加』とか『天然由来成分』とか 良さげなイメージばかりの
キャッチコピーを見るだけでなく ぜひ成分表示をチェックしてみてくださいね。
<参考までに>
ワタシが使っている写真の化粧水の成分はこんな感じです。
きっと市販の化粧水の中では群を抜いて成分が少ないです。
青字は天然素材 紫字は天然由来成分(と思われるもの) わかる範囲で・・・。
ちなみに成分表示は一般的に含有量の多いモノから順に記載されています。
・
水
・
グリセリン →三価アルコール 保水材、保湿・潤滑剤、
・BG →二価アルコール 皮膚コンディショニング剤(未分類)、溶剤、減粘剤
・
ラベンダー油
・
ローマカミツレ油
・
トマト果肉エキス
・
サクラ葉エキス
・
キサンタンガム →乳化安定剤、皮膚コンディショニング剤(未分類)、乳化剤、親水性増粘剤
・アクリレーツ/アクリル酸アルキル(c10-30)クロスポリマー →乳化安定剤、親水性増粘剤、非水系増粘剤
・アルギニン →アミノ酸の1種 皮膚コンディショニング剤
・
エタノール →アルコール 抗菌剤、収れん剤、溶剤
・ベンデト酸5Na →キレート剤
・フィチン酸 →キレート剤
・
酸化銀 →殺菌剤
・
PEG-60水添ヒマシ油 →香料、洗浄剤、可溶化剤
・
安息香酸Na →腐蝕防止剤、香料、防腐剤
・
スイカズラ花エキス
・
オナモミ果実エキス
・
ハマスゲ根エキス
お手元の化粧品の成分が気になったら ここを→
http://www.cosmetic-info.jp/jcln/search.php
化粧品成分が何なのか?何を目的とされてるのか?サーチできます。
結局宣伝かよ! となるものどうかと思うけれど
ワタシがかれこれ4~5年使って肌に合っている と思っているスキンケア化粧品
(サロンでも使っている写真のシリーズ)
実はひっそりと販売もしています。
何しろ使用期限が短いので 店頭には置いてません。
化粧品は肌に合う合わないがあるので あえてこちらから
こんなのありますけど みたいなセールスもしません。
なので 販売していることを知らないお客様がほとんどです。
(そろそろせめて空箱くらい置いといたほうがいいんじゃないかと
最近になって考えていますが・・・)
「欲しい」と声をかけて頂ければ お取り寄せしてます。
でもこれもまた万人に安心とは思ってはいません。
必ず「肌に合わなかったら使い続けないで」とお伝えします。
しつこいようですが
自分の身体に使うもの
安全・安心の基準をどこに置くか 販売するためのうたい文句に騙されないで
ちゃんと自分の身体に聞きながら選んでくださいね。
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