感染症内科への道標

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医療ケア関連肺炎は薬剤耐性菌を正確に同定しない。

2014-04-03 | 臓器別感染症:呼吸器系
Healthcare associated pneumonia does not accurately identify potentially resistant pathogens; a systemic review and meta-analysis
CID

CAPが肺炎球菌が原因となるのに対してHAPではS.aureus(MRSA含む)、Gram negative Enterobacteriaceae, P.aeruginosaが原因となることが多く、広域抗菌薬が必要となる。

2005のATS/IDSAのガイドラインでは90日以内の2日以上の入院、在宅点滴治療、創傷治療、30日以内に透析をうけている人、長期療養施設に人は同様に耐性菌のリスクが高く広域抗菌薬投与が必要とされている。 

→HCAPが適切にdrug resistant pathogensを同定できるかはっきりしない。
Pubmed 検索  2名で調査 

HCAPとCAPと菌比較(Prospective study only)
S.pneumoniae 9研究 OR 0.79 (0.65-0.97)
S.aureu 8研究 2.67 (1.40-5.08)
MRSA 5施設 5.87 (2.57-13.42)
H.influenzae 8施設 1.49 (1.09-2.05)
P.aeruginosa 2.11 (1.08-4.10)
M.catarrhalis 1.47 (0.21-10.1)
Enterobacteriaceae 1.88 (1.23-2.87)
L.pneumophilia 0.41(0.26-0.65)
C.pneumoniae 0.79 (0.13-4.94)

HCAPでは予後は不良OR2.44, 95% CI 2.20-2.69 P<0.001 (全体)
Prospective studyでOR 2.52 (2.15-2.95) →ただ年齢層が高くcomorbidityが高い。
→これで調整すると死亡率に差がない。
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