喜劇 眼の前旅館

短歌のブログ

たちつてと・即詠

2006-06-26 | 即詠
開始20:39

たしかめに降りてゆくたび階段は頭のなかで月光を弾く
血がとまる針の上がったレコードのように夢から目覚めたように
つららから目をはなせない女たちから聞き取ったかえるのレシピ
手相でも見にいく夜の砂浜へそこにだれかはいると信じて
戸をたたくあれは雨音こえがするあれは言葉をおぼえたケトル

終了21:18

さしすせそ・即詠

2006-06-12 | 即詠
開始18:15

サーカスの夢からさめるとサーカスの観客席にいて冬の雨
知り合いの知り合いだから五線譜のバラ線越しに手紙をわたす
数字とか火でならつけてあげなくもない犬の名をおまえの犬に
性的な比喩でよばれていっさいの怪我の治療がむだに終わる
掃除機をはしらせるには橋がない廊下が川に絶たれてしまって

終了18:56

かきくけこ・即詠

2006-06-11 | 即詠
開始1:35

カーテンで着替えるひとのいる部屋がみたされてゆく大歓声に
着るために今編まれてるセーターをふるえながら想像するホームで
黒髪でくすぐるように首をふる地面と月のあいだに立って
結婚にまにあうように降りた船 アーモンドチョコレートばらまき係
ころされることに反対10% 賛成多数につき殺されることに決定

終了2:01

あいうえお・即詠

2006-06-05 | 即詠
開始4:16

あいさつのほかには誰もおぼえない日本語を蝶が蝶らしくとぶ
いつもする話が部屋の秒針のリズムに今日にかぎって似てる
宇宙服にサイズがなくて断念の兆し モザイク越しの星団
駅ビルで夏物を買うそれはただ明日じゃないというだけの今日
オートバイ乗りによろしく 見ないまま終る映画がひとつ増えたね

終了4:52