喜劇 眼の前旅館

短歌のブログ

穂村弘っぽい

2008-03-03 | 短歌について
今週の青磁社の週刊時評(吉川宏志の回)に寺山修司の未発表歌集『月蝕書簡』から歌がいくつか引かれてて、それを読むとあらためて後期の寺山の歌はすごく穂村弘っぽいなあ、と思ってしまいますね(逆だけど)。
http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_080303.html
穂村の歌には寺山からの影響が濃厚だけど、とくに『田園に死す』の方法論から東北土着アングラの意匠を外すと、どう見てもその正統な継承者が穂村弘であることは疑えない。で、時評で引用されてる歌は『田園』以後につくられたものであり、まさにそ「の方法論から東北土着アングラの意匠を外」したようなものだから、ますます穂村弘っぽいのだろう。
しかし何となく調子の悪い穂村弘、という感じに見えるのはさすが穂村弘というべきか。引用されてる歌がよくないのか。やっぱり歌やめて正解だったね寺山さんということなのか。一冊通して読むとまた印象がちがってくるのかもしれず、まあ機会があれば読んでみたいなと思います。